冒険の始まり【 イース Ⅰ・Ⅱ 】(PCエンジンmini)
アドルの原点を辿る
あまりにも面白かったイースⅧ。その面白さの半分は冒険狂いの主人公アドル・クリスティンにあった。「これも冒険だ!」と言わんばかりに嬉々としてトラブルに巻き込まれ、率先して解決して行く姿には若干の狂気を感じつつも面白さに溢れていた。そしてこんな面白主人公アドルの他の冒険も気になってしょうがない。ならば彼の原点を辿ろう。という事で遊んだのが本作。
今回遊んだPCエンジン版の「イースⅠ・Ⅱ」は、イースⅠ初登場の87年のPC88版から2年後にⅠとⅡを合体し、話もアレンジしたリメイク版的な立ち位置の作品。知ってたけどイースシリーズって多種多様なハードで出し過ぎだしリメイクしすぎだ。
ちなみに何故数あるイースの中から本作を選んだかと言うと目の前に買って満足して放置していた本作を収録したPCエンジンminiが鎮座していたから。PS3でアーカイブス版も当時買っていたけど(尚挫折した)、せっかくだから今回はPCエンジンminiでプレイした。
アドル。呪われた国エステリアへ
そんなアドル君(16)の初の冒険は、船から降りた瞬間怪しい占い師にホイホイ連れていかれる、観光客みたいなカモムーブをやらかし、突然自分が選ばれし人間だと言われて頑張っちゃうピュアっぷり。しかしそれをやり遂げるのだからアドルはやはり凄い。あの占い師、手当たり次第それっぽい人間にこんな話しているんじゃなかったのか…。
そしてアドルの長所であるお人好しっぷりと底なしの好奇心は本作でも変わらないようで、今回もすぐに人助けをしてしまいます。こんな無茶な理屈で頼み事をする人の願いも聞くんですよこの人。
そして我らがアドルの相棒「ドギ」も登場!…って壁を壊すだけなの!?出番ってこれだけ?!そもそも脈絡も無く何故捕まったアドルを助けてくれたの!?...いや、これは運命の導き。
そう、ドギはきっとこの壁は壊さなくてはならない、そして壁の向こうにいる誰かを助けなくてはならないと感じたのだろう...たぶん。
アドル!攻略の書を読め!
にしても当時のゲームらしく清々しいノーヒントっぷりで、攻略サイトを見ないとわからないことばかり。そうだ、当時PS3で配信された頃ノーヒントでクリアしようと息巻いて詰んだんだ。
これで僕が当時の学生なら学校で「あの池には高く売れるアイテムがある」とか「あそこには仮面を付けて入る隠し通路があるんだ」という情報交換が出来たんだろうなぁ...。あと初見殺しが当然のようにたくさん出てくるのですがこの理不尽も今となっては面白いです。
前半はゴリ押しでなんとかなるボス戦も、Ⅱ以降はどれも強敵で初見では瞬殺され、毎度攻略を頼りにする日和ったプレイになってしまいました。PCエンジンminiだから出来る機能セーブ&ロードでなんとか攻略できました...。しかし攻略本を読んでも後半は入り組んだ神殿のダンジョンに延々と迷子になったりと普通に苦戦しました。目印のないダンジョンはやっぱり難しい。
旅を終えて…
ストーリーに関しては、プレイ中はテキストが少なく、わかりにくく感じたけれど、クリア後にシーンを見返したり、説明書を読み返してみるとイースという国の歴史、女神と魔族の関係の因果はなかなか深く、そこにアドルがイースの書を持って文字通り突っ込んで行ったのが面白いです。
エンディングの展開もイースらしい全世界、全宇宙に影響はないけれど、とても大きなスケールで終えるが良いですね。
そしてお話のディテールはこの先のリメイク作の方が丁寧に描かれていそうで気になるし、前日譚である「イース・オリジン」も気になってきます。やっぱりイースを遊ぶと他のイースも遊びたくなる。
にしても本作は操作が少ないボタンにシンプルに集約されているのが今でも非常に遊びやすかったですね。敵に突っ込むだけで攻撃というテンポの良さと背後を取られて一瞬でやられるかもしれない緊張感がとても好き。
この攻撃している瞬間にコマンド選択式のバトルが高速で選択されて行われていると思うと面白い。そうだアドル!強い敵には必殺奥義「半キャラずらし」だ!
そんなわけでアドルの初めての冒険は壮大なストーリーが楽しく、初見殺しと一瞬の死が恐ろしい過酷な冒険でした。
よーし、アドルよ。次の冒険に行こうか。でももう次からイース関係ないんじゃ…。
DATA
イース Ⅰ・Ⅱ (PCエンジン版)
発売:日本ファルコム、ハドソン
開発:アルファ・システム、ハドソン
対応ハード:PCエンジンmini、PCエンジン、PS3
発売日:1989年12月21日(PCエンジン版)
ジャンル:アクションRPG