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小瓶から始まる大冒険【 イースⅣ MASK OF THE SUN 】(SFC)

当時PCエンジン版とSFC版、2種類のストーリーが用意されていたイースⅣ。CD音源に美しいグラフィック、そして豪華な声優陣によるボイスと贅沢なPCエンジン版に対を成すのが本作SFC版でありトンキンハウスが開発した「イースⅣ MASK OF THE SUN」だ。
そして本作がVitaの「イース セルセタの樹海」が発売されるまで正史として扱われてきたイースⅣである。

こちらのアドルはいつものアドルっぽい雰囲気

ハードの差は大きい

お互い開発は違えど、日本ファルコムが用意してくれた原案があり、主要人物の名前や立ち位置、舞台がセルセタである事、そして樹海に眠る古代文明、一度エステリアに戻る展開など共通点はいくつかあるものの、本作SFC版が導入からアドルが瓶に入った助けを求める手紙を海岸で拾ったのをきっかけにセルセタに向かうという、占い師サラに導かれるPCエンジン版とは全く違う展開で、以降も相違点の方が多く、本当にイースⅣを名乗るゲームなのかと思うくらい別の物語になっている。ハードの違いでストーリーがここまで違うのは凄いな。
というか瓶の手紙ひとつでここまで行動しちゃうのはさすがアドルだ。

これは『冒険』が待ってる…!

そんなSFCの本作はPCエンジン、しかもSUPER CD-ROM2のイースⅣとはハード性能の差は大きく、豪華声優陣によるボイスも美しいCD音源も本作には無いので今までPCエンジン版ばかり遊んできた自分にとってはやはり物足りない。それにカットインによる演出もないので画面もかなり淡白な印象だ。しかし本作は無口なPCエンジン版とは違い、アドルがかなり喋ってくれて個人的には嬉しいぞ。自分はアドルにそこそこ喋ってほしい派だ。
ちなみにPCエンジン版の感想文はこちら

ちなみにPCエンジン版ではセルセタに向かうにあたって前々作のクレリア装備一式やお金を持ち込んでいたが、SFC版では「こうしちゃおれん!」という焦るアドルの気持ちが強かったせいか、装備やお金は一切持たずスライムとすらまともに戦えない裸一貫でセルセタ向かっちゃったのには、さすがに面白過ぎました。ロムン帝国のお偉いさんが武器やお金を分けてくれなかったらどうするつもりだったんだいアドルよ。

こちらのロムン帝国の人は企はあってもレオほど酷い人物では無くて良かったね。

アドルさん弱くなった!?

本作もPCエンジン版と同じ見下ろし型のアクションRPGで、例の如くアドルの究極超絶必殺奥義「半キャラずらし」を使っていくことになるのだが、驚いたのは今回の敵は半キャラずらしで戦わないとまともにダメージすら入らない作りになっている事。まともにぶつかり合っても全然ダメ、むしろ簡単に負けてしまう。セルセタの地のモンスター達が強いのか、アドルが弱いのかあれだけ強かった半キャラずらしが通常の攻撃手段に格下げになってしまったのだ。ちなみに斜め移動は出来ないぞ。

他の作品よりも半キャラずらしを意識しなきゃいけないぞ

あと魔法も使えるけれど特定の武器に備え付けられており、魔法を使うにはわざわざ弱い装備をつける事になり、さらにその魔法も弱いという残念仕様だ。回復魔法以外使い物にならないぞ。
そのかわり、こちらのアドルは元気いっぱいなおかげか、自動回復のスピードがやたら速いおかげでレベル上げがサクサク出来るのは嬉しかったね。

ストーリーはこちらに分がある!?

ストーリーも財宝を狙うロムン帝国、闇の一族の三人組、古代セルセタの遺跡、そして最後の有翼人であるエルディールなど、PCエンジン版と共通点はあるけれど、淡白な演出とは裏腹にストーリーの面白さ的には個人的にこちらの方が分があり驚きました。

メインヒロインであるリーザの幸薄さと悲しい立ち位置は更に増しており、エルディールを守りたいがために迫害され、一度は闇の一族に殺されてしまったりと散々である。エルディールが悪に堕ちてしまったことをわかりつつも、信じたくない揺れる悲しい思いが小瓶の手紙となりアドルに届いたのだ。PCエンジン版にはなかったカーナとの絡みもあるけど、カーナのリーザに対するあたりがめちゃくちゃ厳しいのにも驚いた。

SFC版のカーナはリーザに厳しい

それとは逆にイースⅡのヒロインであるリリアが本作では大活躍というか大暴走。アドルにゾッコンなおかげでエステリアから単身セルセタに向かったりと病気が治ったと思ったら行動力の化身になっていて驚きました。
にしてもこの人も石化したり殺されたりと難儀な目に遭いまくってますね...。なかなかSFC版のイースⅣは演出が淡白な割に残酷な展開が多い。

ええ…。

そして本作のラスボスとなるエルディール。PCエンジン版ではかなり微妙な立ち位置にいた彼にSFC版の本作ではかなりフォーカスしており、ヒロインであるリーザとの関係の描写が多いため、悪に堕ちてしまった彼の孤独と苦悩などが丁寧に描かれている。これがめちゃくちゃ良かったね。

他にもデュレンがただの情報屋になっていたり、レオがいなかったりと、逆に闇の一族が立ち位置のおかげで割を食ってしまった人物もいたりする。あのクソガキは見る影もないのは幸いでした。

ちなみにドギは今回も壁を破って助けてくれる!さすがドギだぜ!
取り込み中でしたが内心ホッとしてそうなアドル

次の冒険へ...。

ということでSFC版のイースⅣは演習面では劣るところはありつつも、当初はモチベーションは上がりませんでしたが、しっかりとしたストーリーで大変面白かったです。終わり方も非常に丁寧で好感が持てますね。
彼らはフェルガナへ向かう。そして僕は次の冒険の地、アフロカ大陸にある幻の都ケフィンを目指しイースVをプレイするのであった。


DATA

イースⅣ MASK OF THE SUN
発売 / 開発:トンキンハウス
原案:日本ファルコム
対応ハード:SFC
発売日:1993年11月28日(SFC版)
ジャンル:アクションRPG


ちなみにスタッフロール終わりのこのシーンが大変良かったです。
そしてラストにアドルについて行く事を決めたドギとのシーンが最高でした。これが見たかった!!!

なんかすごい事言ってるアドル
そんなアドルについていくナイスガイ
最後はENDでもFinでもなく、この一文。最高。


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