サイバーウォー前日譚【 バーチャルウォーズ 】(1992)
サイバーウォーの原点へ…
あのPS1の奇作「サイバーウォー」を十二分に理解するにはやはり元となった映画を見るのが一番だ。
しかし日本ではDVD化されておらずVHSで見るしかない…ということでAmazonで購入。(1円と送料しか払ってない気がするぜ。)
あんな凄いゲームの映画なんだから、さぞ難解な映画なのだろうと思ってスタッフ欄を見てみたら、原作者はなんとシャイニングやスタンドバイミーでご存知、泣く子も黙るスティーブン・キング。
主演はサイバーウォーでも一瞬出てきた5代目007ジェームズ・ボンドのピアース・ブロスナン。これはなかなか豪華な面子であるが映画の方は果たしてどうなのであろうか。
バーチャルリアリティの研究が無敵の超能力を持った男を作り上げてしまった…。ピアーズ・ブロスナン演じるアンジェロ博士(サイバーウォーでは常に銀ピカ全裸でしたね)の科学者らしい好奇心という名の残酷さが、優しきジョーブを苦しめ、結果的に化け物に変えてしまったのだが、アンジェロ博士ご本人はあんまりその事については悩んでないご様子なのがなんともいえない。というかあんたが全部悪いだろ。
おかげでジョーブは人を燃やしたり、粒子にしたり(これがかなり斬新な殺し方)、脳をぶっ壊したり、幻覚を見せたりと殺りたい放題。これでもかと虐げて来た人間に復讐し、無敵さをアピール。
最終的には広大なネットの海に飛び込み、全世界の電話機を鳴らす事に成功したのだった・・・ってなぜ電話?
本作はそれなりに面白く、どこか悲しく、よく考えてみるとかなり恐ろしいSFサスペンスなのだが、その見せ方がなんとも懐かしいコテコテギトギトのコンピューターグラフィックスなのであんまり深刻そうに見えないのはご愛嬌。こんなんでも当時はみんな手を合わせるくらいありがたがったもんですよ!(たぶん)
研究施設もどこかアホっぽいのもご愛嬌。
そんなVRを題材にした作品としては全体的なホラー寄りの見せ方でなかなか面白く出来ており、今の時代なら逆にこの映像表現が面白く見れるかもしれない、一見の価値ありの映画です。
DATA
バーチャルウォーズ
公開年:1992年
製作国:アメリカ
上映時間:109分
監督:ブレット・レナード
原作:スティーブン・キング『芝刈り機の男』