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復讐と狂気のCoD【 コールオブデューティ WORLD AT WAR 】(PC)キャンペーンレビュー
これが日本未発売CoDの恐怖と狂気
CoDシリーズは好きだ。特にキャンペーンは映画のように展開していく戦いは没入感もあってたまらなく好きだ。往年の大戦モノ、モダンウォーフェアにブラックオプスシリーズはもちろん、インフィニットウォーフェアのとんでもSFモノも好きだし、ゴーストやアドバンスドウォーフェアのような未来モノも悪くない。だけど苦手なCoDだってある。
それが日本未発売のCoDシリーズ5作目の「CALL OF DUTY WORLD AT WAR」だ。
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CoD4にハマりCoDに飢えていた2010年当時、北米の360版を購入して遊び、そのショッキングさに大層堪えたが、今回改めてPC版を購入し、日本語字幕MODを付けて再プレイした次第だ。
プレイヤーは第二次世界大戦を舞台に、アメリカ軍のミラー軍曹と、ソ連軍のペトリェンコ二等兵となりスターリングラード、ペリリュー島、そして沖縄、ベルリンと陰惨で恐ろしい死戦を巡る。
本作の特徴は今までの大戦モノのFPSからは一線を期したどこまでも重々しく恐怖に満ちた作りで、セリフの節々から垣間見える復讐の怒りと狂気、怯えに満ちた雰囲気、シリーズ唯一のいろんなところが吹き飛ぶ残酷表現、そしてホラーゲームさながらの恐怖を煽る悪夢的音楽のおかげでかなり精神にクる。この雰囲気は長い歴史のあるCoDシリーズの中でも唯一無二だ。
そんな本作のミッションはバリエーションは豊かで、当時恒例だった戦車戦はもちろん、PBYカタリナからの空中戦ステージなどもあり、破壊工作にスナイパーとの戦いなどシチュエーション、ロケーション共にと色とりどりの地獄を体感できる。
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そんな本作は結構難しい。日本軍の突撃攻撃や容赦なく投げられる手榴弾のおかげで、戦場の苛烈さを体感できるとも言えるくらいノーマル難易度でもシリーズ屈指の理不尽な難しさを感じる。進んだ先に爆発直前のグレネードがあるなんて日常茶飯事、さっきグレネードのマーク出たばかりじゃん!
それはブラックオプスへと繋がる物語
しかしそんな本作を遊ばねばならないのは、この物語が名作シリーズ「コールオブデューティ ブラックオプス」に繋がっているから。
ソ連軍の主人公のペトリェンコと、その相棒のレズノフは次回作のブラックオプスでも、ストーリーのとても重要なキャラクターとして登場するので、本作はまさにBOシリーズの前日譚と言っていいモノなのだ。
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もちろん今回もレズノフはヴァンガードのポリーナ同様スターリングラードを奪われた復讐の鬼と化して、プレイヤーを導き暴れまくっている。プレイヤーを鼓舞してくれるが、どうみても狂気に駆られたヤバい人なので他のソ連の兵士(チェルノフ)もドン引きしてるぞ。やっぱり暗いし怖いよこのゲーム!
そんなわけで戦争に勝利した両国だが、その勝利はあまりにも多くの犠牲を払いすぎており、残された人々の虚しさが肩にズシリとくるし、レズノフの狂気とも言える鼓舞が虚しく耳を過ぎる。そして物語は最悪の後味の悪さで幕を閉じる。
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本作は唯一無二の演出と雰囲気、難易度が理不尽ながらもCoDシリーズのキャンペーンの中でも屈指の高い完成度を誇るが、その陰鬱と恐怖が、凄まじくも苦手な一本です。
DATA
CALL OF DUTY WORLD AT WAR
発売:アクティビジョン
開発:Treyarch
対応ハード:PC、XBOX360、PS3、Wii(日本未発売)
発売日:2008年11月11日
ジャンル:FPS
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