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目を閉じて遊べ【 bitGenerations Soundvoyager 】(GBA)

本作は任天堂の原点回帰「bit Generationシリーズ」の一つ。グラフィクはシンプルながらも個性的なゲーム達がこのシリーズの魅力だが、その中でも突出して異彩を放っているのがこの「Soundvoyager」である。本作では7つのミニゲームを楽しむ事の出来るアクションゲームなのだが、プレイには必ずヘッドホンを使わなければならない。それはこの作品が画面を見る以上に、「音」に集中しなければいけないためだ。

ミニゲームは、音を集めて一つの曲にしていく「sound catcher」、迫ってくる音を避ける「sound drive」、動き回る音を撃ち落とす「sound cannon」など、どれも音が重要で、逆に画面には必要最低限の情報しか表示されておらず、攻略する上で画面はそこまで重要ではない。
左右の耳に感覚のすべてを集中させ、どこから音が鳴っているか、それは近いか遠いかなどを素早く察知し、避けたり拾ったり撃ったりする。それがこの作品の最も重要なポイントであり、操作であり、面白さである。

「sound catcher」に至ってはその非常にシンプルなゲーム性の上、ゲーム画面を見る必要がなく、むしろ画面を見ず目を閉じてプレイした方が更に音に集中できて、上手にクリア出来てしまうくらいだ。今思えばこんなに集中してゲームをプレイしたのも久しぶりのような気がする。

そしてこの作品の魅力はゲーム性だけではない、ゲームボーイアドバンスの音とは思えないその豊かなサウンドもまた魅力的である。ここは流石「bit Generation」と言える所だ。
ただゲームスピードとしては、かなりゆっくりした流れを持った作品なので、眠れない夜とかに目を閉じながらダラーっとプレイが私的にはオススメです。

美しいグラフィックがもてはやされる現在、画面を必要としないこの作品はまさに異端だ。しかしゲームの面白さはグラフィックやスペックでは決まらないと言う事を改めて教えてくれる正統派な一面も見せてくれる任天堂らしい素晴らしい作品でした。

ちなみにヘッドホンを装着する時は、右左をちゃんと確認しておいてください。間違った付け方の場合、絶対クリア出来ません。自分も間違えて恥ずかしい思いをましたので一応ご注意を。


DATA

bitGenerations Soundvoyager
発売:任天堂
開発:スキップ
対応ハード:GBA
発売日:2006年7月27日
ジャンル:アクション



映画鑑賞と積みゲーの資金となります…たぶん