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和風!ゾンビ!スチームパンク!【アニメ:甲鉄城のカバネリ (2016)】ネタバレ有

あぁアニメ!良いアニメが見たい!出来るだけ!イカすアクションが多くて!そんでもって熱くて!女の子が可愛い奴!
…え?それ、美樹本晴彦がキャラデザやってるの?見るよそれ!

最近の僕は80年代のOVAに夢中だ。ロボが沢山出て来て、熱いバトルが合って、バイクに乗りまくっていて、それでいて80'sトレンディな雰囲気がたまらない。その中でもメガゾーン23や超時空要塞マクロスでキャラデザを担当した美樹本晴彦の描くキャラクターは飛び抜けて魅力的だ。そんな人が現代の深夜アニメ戦国時代に殴り込みをかけて来た。しかもこれがまた凄い作品だ。

舞台は時代劇的日本。この世界では『カバネ』と呼ばれるゾンビが蔓延し、生き残った人間達は壁を築きその中で暮らし、鉄道で街(駅)と街とを行き来していた。妹をカバネに殺され復讐心を燃やす主人公『生駒(いこま)』は自ら製造した対カバネ用兵器「ツラヌキ筒」を作り上げるも街は襲われてしまいカバネに噛まれてしまう。しかし無茶な応急処置で奇跡的にカバネにはならず人間でもカバネでもない『カバネリ』になってしまった。そして襲われた街で生駒は同じカバネリの女の子『無名(むめい)』と出会うのであった。二人は『甲鉄城』と街の民は呼ばれる駿城(装甲列車)で街を脱出するのであった。

世界観は時代劇風の日本だが、技術は産業革命以降の蒸気機関真っ盛り、鉄道は走りまくり、電気も使えるようになって来た。それでいてカバネと戦って来たおかげで技術は対カバネ用に進化しそれに合わせた武器装備、そして高く堅固な壁が囲む街が形成されている。…なんかスゲー『進撃の巨人』っぽいけれど、それもそのはず本作の監督はめっちゃ影響受けたって言ってる。
…というかこの人、アニメ進撃の巨人の総監督もやっている人だよ。
そして雰囲気もまたシビアなゾンビもので、人間達はカバネを恐れるあまり疑心暗鬼に陥り、人間の汚い部分が出まくるゾンビ展開だ。うん!暗い!

しかしそんな暗い世の中に、一人世界を変えようともがく奴がいる。それが主人公のメガネ青年『生駒』だ。
カバネリという不安定な存在故に人間達から恐れられながらも、己の身を投じてもみんなを守ろうとする往年の王道的主人公だ。
真っ直ぐで間違った事が大嫌いな彼の叫ぶ台詞がとにかく熱いのなんの。
それでいて行動が泥臭くてがむしゃらなのも最高だ。
しかも服は裸で赤いマントをなびかせて、必殺の武器は『ツラヌキ筒』という名のパイルバンカーだ。
完璧すぎる…。

そんでもってキャラデザは美樹本晴彦だけに出てくる女の子はみんな可愛い。ヒロインである『無名』はもちろん、甲鉄城のリーダーとなる『四方川 菖蒲(よもがわ あやめ)』などもう美樹本キャラが綺麗に動きまくるのがとにかく凄い。特に菖蒲さんはもうリン・ミンメイや時祭イヴのようなTHE美樹本キャラ感が最高だぞ。

見所はもちろん超動くアクションシーン。機敏でめちゃくちゃ強い『無名』が2丁拳銃で走る列車の上での戦いや、大量のカバネを無双しまくるとんでもアクションがとにかく凄い。しかも美樹本キャラでだ。どうなってんだ。ゲーム化してくれ。

ストーリー展開としては熱い&可愛いキャラクターとは裏腹に進むにつれて強敵の出現やきな臭さが増し、悪い展開に悪い展開が重なりと落とす時は地獄までたたき落とすシビアな展開が続き一体どうなってしまうのかと一気に見る事が出来ました。まぁその分そこを這い上がるときのカタルシスが最高なんですけどね。
特に強敵となる天鳥 美馬(あまとり びば)は生駒とは正反対のクールイケメンのサイコ野郎でどこまでも、最後まで強い奴でなかなか面白かったです。

そんな訳で一日で一気に見てしまったカバネリ。落とせば落とすほど燃える展開と、どこまでも熱い生駒と、どこまでも可愛い美樹本キャラが2010年代アニメとは思えない熱血昭和感バリバリで贈る高純度な80年代OVA的作品でした。



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