バイオライクでエヴァ風味【 SIGNALIS 】(Xbox series X)
バイオハザードが好きだ。
特にPS1の一作目のバイオハザードは最高だ。心もとない弾薬と回復アイテムを管理しつつ、謎だらけの館を攻略していくのが大変だけれども達成感もひとしおな超楽しい作品だった。続編もたくさん登場したけれどやっぱり初代の面白さには敵わない。グラフィックもやっぱり想像力を掻き立てる荒いポリゴンが良い。思えばリアルすぎると怖さが逆に引き立たないんだ。
そんな事を思っていた人が他にもいたようで、2022年に登場したゲームである「SIGNALIS(シグノーシス)」はそんな作品だ。
本作は古き良き初代プレイステーション時代のバイオハザードをこれでもかと意識しまくったサバイバルホラーゲーム。行方不明になった隊員を探すため主人公のレプリカ(アンドロイド)がある施設へと向かう。しかしそこは同じレプリカ達が謎の病に侵された地獄であった。
こちらもバイオハザード同様、心もとない弾薬と回復アイテムを管理しつつ、謎解き要素満載の施設を攻略していく作りだ。少ないアイテムの所持制限や、4次元アイテムボックスなどバイオハザードのお約束要素をこれでもかと取り入れている。
さらにグラフィックは初代プレイステーションライクな荒いポリゴン。
しかしさすがにあのクセの強いリモコン操作だけは継承されなかったようだ。アレはアレで俺は好きだぜ!カメラアングルは固定だけど、ここは戦闘の面白さと移動のテンポ回した感じだ。
謎解きはバイオハザード以上に手応えがあるものばかりでメモ帳は必須だ。ゲーム中に得た情報をしっかり踏まえて謎を解かねばならないので、解けた時はなかなか気持ちが良いぞ。やっぱりバイオの肝も謎解きだからね、ここの作りがしっかりしているのはとても嬉しい。
ちなみにホラー要素的には淡々な不気味さや不穏さはあるものの、驚かせたり怖がらせようという感じはなかったね。
ストーリーはよくわからぬ
ストーリーはというと、ただの人探しからだんだん夢か現実かもわからなくなる展開になっていくもので、ここも90年代特有な陰鬱な作り。いろんな映画やアニメを意識した作りで、特に「新世紀エヴァンゲリオン」をやたらと意識しまくっており、これでもかとエヴァ的な演出をてんこ盛りに入れまくっている。ストーリーはよくわからないけれど、作者がエヴァ大好きなのはとてつもなくわかったぜ!
それでエヴァの楽しい側面(ロボアクション的なところ)も意識してくれたら良かったけれど、暗い所ばかりを意識して作られてるので、話しは暗く暗く進んでいく。なので話が進んでもまったく盛り上がらないのが残念な所。ここは個人的には合わなかったなぁ。
(公式ホームページにはキューブリックやデヴィット・リンチにも影響を受けてると書いてるけど、やっぱりエヴァの影響がデカすぎる気がする。というかリンチ作品って自分はツインピークス全話とマルホランドドライブくらいしか観てないのか…。)
そんな訳でゲームとしては、弾切れが怖く感じるくらいのバランスで非常に楽しめましたが、ストーリーに関しては個人的には全然ついていけない感じでした。もうちょっと達成感が欲しかったけれど、ここもまぁ「90年代の作品ってこんな感じの多かったよね」と言われたら「そうでしたね…。」と返すしかないんですけどね。
DATA
SIGNALIS
発売:PLAYISM
開発:rose-engine
対応ハード:Xbox series X/S、Xbox ONE、PS5、PS4、Switch、Steam
発売日:2022年10月27日
ジャンル:アクション/シューティング/パズル
公式サイト:https://playism.com/game/signalis/