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絢爛たるもう一つの可能性【 イースⅣ The Dawn of Ys 】(PCエンジン)

二つのイースⅣ

さぁ今日もイースを遊ぼう。こんなペースじゃ新作のイースXに間に合わないけれど遊ぼう。そんな訳で今回遊んだのはPCエンジン版のイースⅣである「イースⅣ The Dawn of YS」。本作はシリーズの中では正史に含まれていないちょっと微妙な立ち位置のゲーム。
当時「イースⅣ」にはトンキンハウスが制作したSFC版「イースⅣ THE MASK OF THE SUN」とハドソンが制作したPCエンジン版の本作の2種類が存在して、当時正史として扱われたのはSFC版だったようだ。ちなみに現在はファルコムが直々に作った「セルセタの樹海」が間違いのない正史だろう。

セルセタの地が樹海に覆われている設定はどれも一緒っぽいね

正統進化。SUPER CD-ROM2の力を見よ!

本作の特徴はやはりその素晴らしいグラフィックとボイス、そしてCD音源のBGM。ドラマシーンはカットインやムービーシーンが増えてよりドラマチックに。グラフィックもCD-ROM2からSUPER CD-ROM2になり前作、前々作とは比べ物にならない進化に感動するぞ。
キャラクターデザインも宝谷幸稔氏による90年代的なアニメ絵が素晴らしい。気分はまさしくOVAだ。
アドル氏のキャラクターデザインも雰囲気がガラリと変わってイカしてるぜ!そしてこの時代のファンタジー鎧はロードス島戦記といい肩パーツがやたらデカい!

イースⅠ・Ⅱを振り返る。素晴らしいオープニングムービー。キャーアドルさん90年代!

そしてボイスは前作、前々作以上に声優が豪華。ドギ役には屋良優作。エルディールには池田秀一。矢尾一樹に玄田哲章、郷里大輔、冬馬由美、鶴ひろみ、鈴置洋孝、銀河万丈、石丸博也、大塚周夫と今ではベテラン、レジェンド級の素晴らしい声優が勢揃いすぎてるのも嬉しい。やはり気分はOVAだ。
特に玄田哲章演じるガディスは今まで聞いたこともないIQの低い玄田哲章セリフが多めで嬉しいぞ。こんなに頭の悪い「ぶっ殺してやるぅ!」を連続して聴けるのはPCE版イースⅣだけ!

矢尾一樹演じるグルーダ率いる闇の一族三人衆。当時はドロンボー的な悪役三組も流行ってたよね...。
冬馬由美演じる警備隊の隊長であるカーナさん。後半出番が少ないのが寂しい。

音楽面も相変わらず豪華で生音の使い方がとにかく素晴らしく、90年代のフュージョン感あるサウンドは今聞いても最高だ。
イースⅢ同様に今回もPS3のアーカイブス版を買った後に、音楽聞きたさに現物を買ってしまったくらいだ。個人的には少し落ち着いた雰囲気の「紅の翼」や「燃ゆる剣」あたりが大好き。
(ちなみにApple Music等で配信されているイースⅣのパーフェクトコレクションとはアレンジが全然違う。)

スタッフロールでは「ちゃんと演奏してるぜ!」と言わんばかりに各楽器担当の名前が載っている

エステリアからセルセタへ

今回の舞台は樹海に覆われたセルセタの地。
死んだはずだったが、なんか生きていた占い師サラの口車(?)に今回もまんまと乗ったアドル。盟友ドギを置き去りにしてエステリアから一人セルセタへ。いくらなんでもそりゃあんまりだぜアドルよ!
セルセタの地下に黄金の都が眠るいう伝説を巡り。財宝を狙う大国ロムン帝国や、有翼人の生き残りエルディール、殺戮王アレム復活を企てる闇の一族、そしてセルセタの伝説の勇者たちがアドルを待ち受ける。

生きとったんかワレ!

後半ではエステリアに一度戻るという展開で、ダームを倒し平和になったエステリアを歩けるのはなかなか感動するぞ。とはいえ、新たな脅威と対峙するため、またダームの塔に登ることになろうとは。BGMにもアレンジが加えられてさらにカッコよくなっているのもまた嬉しい。
更にセルセタとイースとの関係に驚き、またしても銀のハーモニカを手に入れることになろうとは...そしてイースⅠ・Ⅱにあった謎アイテム「マスク・オブ・アイズ」の真の正体にも驚きました。お前そんな重要アイテムだったんかい!

呪いのアイテムかな?

ちなみに今回のアドルは前作イースⅢでやたら喋りまくっていたのを反省したのか、一言も喋らない。クールに決めてやがるぜアドル・クリスティン!(時系列的にはイースⅣほうが前だけどね。)

帰ってきたら半キャラずらし

ゲームシステムはイースⅠ・Ⅱの見下ろし方のアクションRPGに戻っただけでなく、斜め移動も出来るようになってさらにアクションとしての移動が楽しくなった。ちなみに今回もPS3のゲームアーカイブス版でプレイしたのだが、この移動はPS3のアナログスティックとの相性がかなり良いぞ。

そしてアドルの究極超絶必殺奥義「半キャラずらし」も帰ってきた。しかしボスの難易度は結構高く、かなりの頻度でレベル上げを迫られるので作業感は否めずちょっとテンポは悪かったりする。まぁこれも冒険の味の一つだ。
ちなみに今回から仲間が同行してくれるシーンがいくつかあるのだが、仲間が敵を倒しても経験値が貰えないためただのレベル上げの邪魔になってるのが残念でした。ドギと一緒に戦えるのは確かに嬉しいが...。

冒頭にも書いたが、PCエンジン版イースⅣは正史ではない。だから遊ばなくてよいかと言うと全然そんな事はない。是非遊んでみてほしい。
90年代の息吹を感じるPCエンジンらしいもう一つのアドルの物語は若干テンポが悪いところもありましたが、それを差し引いても余りある素晴らしい演出と音楽、そして楽しい冒険に溢れたゲームでした。大満足!


DATA

イースIV The Dawn of Ys
発売:ハドソン
開発:ハドソン
原案:日本ファルコム
対応ハード:PCエンジン、PS3
発売日:1993年12月22日(PCエンジン版)
ジャンル:アクションRPG



注意:以降大きなネタバレを含みます。

というかコレだけは言わせてくれ!ダームやガルバランに比べるとイースⅣのラスボスはなんかしょぼい!
そんな本作のラスボスさん殺戮王アレム(CV:大塚周夫)ですが、この見てくれのおっちゃんがラスボスなのはちょっと…と思っちゃいました。まぁ第三形態まであったりでなかなか手応えのあるラスボスではあるのですが。やはりもうちょっとこの男のヤバさを前々から伝えて欲しかったな…。

デザインは嫌いじゃないんだけどね。ラスボス感はあまり…。

むしろ憎たらしさでいったらあのクソガキ(ティム)のほうがヤバかったな…。(終盤でお縄になっているシーンは爆笑しました)

あと余韻たっぷりのエンディングも良かったですね。イースⅢの舞台であるフェルガナに向かうシーンがあるのも嬉しい。最後のスタッフロールのエステリアの街並みに朝日が登っていくシーンも素晴らしいです。

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