超兵士ジミー出陣!【 メダル・オブ・オナー 史上最大の作戦 】(PS2)
時は2003年。
ニンテンドウ64の007ゴールデンアイ、パーフェクトダークとレア社製FPSにドップリ浸かったボンクラ中学生の前に現れたのはEA製の第二次大戦が舞台のミリタリーFPS。銃が撃てるゲームに常に飢えていた僕らにとって新ハードによる新たなオアシスを待ち望んではいたが、本作はまだまだ洋ゲーが難しかった時代のゲーム。少ないヒント、高い難易度、冒頭のオマハビーチのステージから何度もやられる展開に友人含め僕らは本作にボコボコに打ち負かされることになる。
そしていつからか我々のクラスの周りでは「EAのゲームは信じるな」という風潮が流行るようになった。当時一応のクリアはしたけれど楽しいなんて思いもせず、ただ徒労感だけが残ったのを覚えている。
そして2023年。
時は過ぎ、今やEAのゲームはApex legendsにバトルフィールド、ニードフォースピードと日本人でも誰しも遊ぶゲームのメーカーとなっている。
そしてふと今回あの苦い思い出が残る本作を改めて遊んでみようと思った。
本作「メダルオブオナー史上最大の作戦」はPS1の二作(日本未発売)に続く家庭用MoHの三作目。主人公ジミー・パターソンとなり、第二次世界大戦下のヨーロッパを舞台に歴史の一場面となる作戦から潜入、そして破壊工作と様々な任務をこなしていく。CoDのように複数人主人公ではなく、パターソンがたった一人多様な任務をこなすのだ。超人じゃねえか。
ちなみに日本では未発売だったおかげでシレッとパターソンが過去にU-ボートを破壊したことに触れていて驚くぞ。超人だ。
今でも本作は難しい
本作はその難易度の高さの一端となってるのは昨今のパッドFPSでは、実装されていて当然のオートエイムが存在しない事。なのでかなり正確に狙いを定めないとマジで当たらない。腰うちではさらに当たらない。なので敵を倒す爽快感は皆無で常に慎重な行動が求められる。思えばゴールデンアイなどはオートエイムがあったおかげで気持ちよく遊べていたんだよな。
それにPS2コントローラーのスティックの精度もそんなに良くないので更に難しい。今回改めてプレイする際はコンバーターでPS4のコントローラーを繋いで遊んだ。これでギリギリPS2よりは若干マシに楽しめる。(個人差があると思われます)
もちろんこの時代はまだ自動回復は存在しないので、周りに落ちてる回復アイテムの管理が重要だが、やはりダメージを受けて、アイテムのある所まで戻って回復しての繰り返しはやっぱりテンポが悪いしダルい。
あと当時は当然だったけど、チェックポイントが存在せず、死んでしまったらまたステージの初めからやり直しなのも結構キツい。おかげで後半でやられたら結構クるぞ。その上初見殺しなところがあるから厄介だ。
そしてやっぱりヒントは少ない。セレクトボタンでヒントは貰えるけれど、頼りにならないので攻略サイトに頼ってしまう。しかし序盤のオマハビーチのステージだけは流石にEAもわかりにくいと思ったのか説明書に地図と文章で進み方を教えてくれている。やっぱりこの時代の洋ゲーは説明書が命綱なんだよな...。(ゲームによってはラスボスの倒し方まで載ってるし)
しかし嬉しいところもある。なんと本作のボタン配置は自由に変えられるのだ!おかげで現代のApex legendsやCoDなどスタンダードなFPSのボタン配置でプレイする事が出来るのはかなり嬉しい。この頃のFPSはゲームによってボタン配置がグチャグチャだったからね...。
地獄のオマハビーチ
本作の作戦はジミー・パターソンの超人的活躍っぷりから見どころは多いのだけれど、その中でも見どころの一つはやはり映画「プライベートライアン」的な冒頭のオマハビーチの上陸作戦。もう歩いてるだけでダメージを喰らうし、ミッションそのものもただ目標に突っ込むのではなく、動けなくなっている味方を援護したり、爆弾を持っている兵士を移動させたりと、なかなかわかりにくいので、本作は冒頭から難しい。
そしてマーケットガーデン作戦。
そしてもう一つの見どころは映画「遠すぎた橋」で有名なマーケットガーデン作戦。何故だか孤立したアルンヘム(アーネム)にいるドイツへの移動手段をもつ男に会うために死闘真っ最中のど真ん中にパターソンが突っ込んでいくぞ。ちなみに本作ではナイメーヘン橋の爆破が不発に終わったのはパターソンが爆弾を解除していたという「遠すぎた橋」のワンシーンと結びつく展開もあり、事前に映画を観ていたのでめちゃテンションがアガったね!
それとこのパターソン氏は変装は得意じゃないらしく、隠密行動は死ぬほど下手くそなのですぐに見つかる。これは俺のせいじゃないパターソンのせいだ。ただ見つかってもあまりデメリットがないのは嬉しい。
終盤はトロッコに乗ってドイツの秘密ジェット機「HO-Ⅸ」を奪ったりと終始英雄的スーパーソルジャーとして単身で闘いまくるので、だんだん「そりゃねーだろ」となるのはご愛嬌。
雰囲気抜群の演出
やっぱり本作は改めて遊んで思うのは雰囲気がとても良い事。後に映画音楽でアカデミー賞を取り、ディズニー映画からMCUまでの映画音楽を数多く担当する事になるマイケル・ジアッチーノ氏が担当した映画さながらのオーケストラ音楽は最高だし(この人初期のCoDや他のEA作品も結構やってるのね。)、録音による乾いた銃声、M1ガーランドのクリップ(マガジン)がカーンと跳ねる音など演出面も素晴らしい。ゲームは難しいが当時の戦場の空気感はかなり味わえる。
ちなみに本作のサントラはApple musicでも配信中だ。
そんな訳で改めて遊んでみた本作は、相変わらずの難易度にドキドキしながらも、映画などを観てきた事で更なる面白さを体験する事が出来ました。思えば中学生で本作を美味しく味わうにはちょっと早すぎたのかもしれませんね。
DATA
メダル・オブ・オナー 史上最大の作戦
発売:エレクロトニック・アーツ
開発:2015 Inc.
対応ハード:PS2
発売日:2002年10月24日
ジャンル:FPS