進撃の最強姉弟FPS【 アルフール小国物語 -エルグス侵攻戦争- 】(PC)
貴重な和製FPSだ!
コールオブデューティにバトルフィールド、VALORANTにApex Legends...日本でもeスポーツが持て囃され、Vtuberが話題のFPSを遊ぶのとは裏腹に日本製のFPSの数は今だに少ない。
そんな中、WikipediaのFPSの記事の項目に日本製のFPSタイトルがズラッと書かれているのが目に入った。ニチブツのエキスパートにガンダムオペレーショントロイ、シンプルシリーズのTHE サバイバルゲームと香ばしいタイトルが並ぶ中、知らないタイトルがあった。それが「アルフール小国物語 -エルグス侵攻戦争-」だ。
たった二人の逃避行
本作はサークル「あやえも研究所」が2012年に制作された同人ゲーム(現代ならインディーズゲームと呼ぶべきか)。架空の国家の戦争と陰謀に巻き込まれた姉弟の逃避行が描かれる。罪を着せるための姉弟に逃げられたために敵軍は軍隊を総動員するお話だ。
キャラクターのデザインも完璧に日本製を思わせる可愛らしいもので良いね!まさに実家のような安心感!
プレイヤーは主人公二人の姉弟どちらかを選択してステージを攻略していく、姉のシャルナワーゼはリロードが早く、スナイパーライフルの息止めが長く、弟のレオンは体力が多めとプレイスタイルに合わせた選択が出来る。
ちなみにプレイヤーに選択したキャラクターは喋らないが、選ばれなかったキャラクターはボイスでナビゲートしてくれるし、主人公と共に戦ってくれるぞ。本作はマルチプレイなどはなく、オフラインのキャンペーンのみで全7ステージ構成だ。
FPSはCoDライク
そんな本作はUnrial Engine3で作られた本格的でなもので2012年を考えるとかなり進んだグラフィックで作られている。
全体的な進行や雰囲気は演出重視で一本道なステージ構成とこまめなチェックポイント、馴染みのある操作性、スナイパーライフルの息止め、そして自動回復の体力システムと、かなりコールオブデューティを意識した作りだ。馴染みあるシステムのおかげで遊びやすいのがとても嬉しい。ヒットした時の音などもFPSをかなり「わかっている」作りだ。
ただ制作のスケール上グレネードが無かったり、武器の種類も流石に少ないがそこを求めるのはさすがに贅沢か。
武器はAK-47やM16っぽいアサルトや、ドラグノフっぽいスナイパーライフルなど現実の銃をモデルにしているが、20世紀初期〜中期のような雰囲気のゲームなのにここだけすごい現代的なのが面白い。この世界では武器の技術は進んでいるのかもしれない・・・!
エルグス流の戦闘術に震えろ!
システムはかなりCoDに近いのだけれど、CoDとは全然立ち回りをしなければいけない。なぜならこのゲームの敵の動きはCoDとは全く違うからだ。
本作の敵は常に落ち着きなく機敏に走り回り、ぴょんぴょんジャンプしながら読めない動きで攻撃して来るという他のミリタリー系FPSではまず考えられない奇抜な戦い方を仕掛けて来る。おそらくこの国ではかなりポピュラーな戦闘術なのだろう。おかげでエイムはマウスでも大変でなかなか戦いごたえがあるぞ。おそらくゲームパッドならかなり辛い相手だ。
しかも敵の量はかなり多く、一度にワラワラと無作為に飛び跳ねながら走って向かって来るので囲まれてしまうと死は免れない。慎重で丁寧なエイムの立ち回りがに必要だ。おかげで雰囲気はCoDだが、戦闘面はとてつもなく新鮮だぞ。
ちなみにプレイヤーの相棒になる姉か弟もピョンピョン跳ねながら凄い戦い方をしているので目が離せない。何故そんな立ち回りができるんだ・・・。
最強姉弟伝説!
そして本作のストーリーは本作のボスである司政官が自らの地位のため主人公の姉弟に罪を着せるはずだったが逃げられてしまい、口封じのために兵を送り殺そうとするのだが、姉弟のデタラメな強さで兵隊をどんどん失っていきステージが進むにつれて驚き、慌てふためく様が普通に面白い。そりゃあんだけ倒してりゃ驚くのも無理ないよな…普通に考えて化物級に強い二人である。
そしてストーリーのラストはあまりFPSでは見ないラスボス戦がしっかり用意されてり、その後には最後の決めの一発も用意されているという「わかってる」感が非常に嬉しい。
そんなわけで本作は同人ゲームとは思えないクオリティでしっかりとCoDライクなFPSとして楽しめる上に、個性的なキャラクターと敵が嬉しいやりごたえバッチリのゲームでした。
DATA
アルフール小国物語 -エルグス侵攻戦争-
発売 / 開発:あやえも研究所
対応ハード:WinPC
発売日:2012年5月11日
ジャンル:FPS
価格:1100円 (DLsiteにて販売中)
公式サイト:https://ayaemo.skr.jp/alfur/index.html