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SF的映画レビュー

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ネタバレだらけの散文のようなレビューです。 旧作から新作、往年の名作から変なサメ映画までいろいろレビューしていきます。
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2019年5月の記事一覧

映画:チャイルド・プレイ2 (1990)ネタバレ有

何故直した。 そこからツッコミたくなるけどしょうがないね。2ってそんなもんだし。 しかし今回は予算が潤沢にあるぜ!と言わんばかりにスケールアップ。 チャッキーの動き、そして表情もクオリティアップ!ご覧くださいこの人を殺すときの嬉しそうな顔!堪りませんね! でもまぁ今回もチャッキーはアンディ少年の体を狙いつつもチャッキーを信じない連中を無差別にぶっ殺す映画。嫌な連中はみんな死んでくれます。 そんな中、半信半疑でありながらもアンディの見方をしてくれる女の子のカイルは不良っぽいけ

映画:エース・ベンチュラ (1994)ネタバレ有

僕の笑いの原体験 小学生になった頃だろうか、正直覚えていないが親が借りてきたビデオで見たのが本作との出会いだ。ジム・キャリー演じるペット探偵のエース・ベンチュラのハイテンションで破天荒な捜査と江原正士氏による、まくし立てるような吹き替えに内容もよくわからず最初から最後までアホな事をし続けているので6才くらいの僕は笑いながらアホのように食いついて見ていた。 それから20年以上経ってもまだ3年に一度くらいの頻度で見ている。この作品がジム・キャリー初の主演作だったり、出ているアメ

映画:チャイルド・プレイ (1988) ネタバレ有

もう色んな意味で奇跡の作品。 チャッキーは有名!とても怖いに違いない!…と、思いきや。ホラー映画にありがちな安っぽさ全開なのは色々見てきて序盤で察します。ですが、それでも面白いのは絶妙なバランスの上にあるからかもしれません。 チャッキー…もといグッドガイ人形のデザインは完璧ですよね。もうホント不気味!それで無表情で無言で殺しに来るのならマジ怖いのですが、中身が人形から魂が出られなくなった哀れなチンピラのオッサンで汚い言葉を常に吐き続けながら襲ってくるんだから最高です。主人公

映画:図鑑に載ってない虫 (2007)ネタバレ有

スガイディノスという札幌の映画館が閉館する。メジャーどころでは無いが単館系でもアート系でも無いサブカルっぽかったりど直球ホラーだったり、マイナーな邦画だったり、ミュージシャンのドキュメンタリーというのはこのスガイディノスが請け負っていた。 そんな映画館の中でも最も思い出に残る作品といえば、三木聡監督の本作「図鑑に載ってない虫」だ。 作品そのものも印象深すぎるが、それ以上に映画館で見た時、なんと劇場には僕と母親の二人だけだったのが今でも衝撃的だった。そう、後にも先にも貸切はこの

映画:ボーダーライン (2015)

どうぞ奥さん!いい仕事ありますよ!え?離婚してる?そりゃ失礼。どうですメキシコをぶらっと回るのは!悪くないでしょ!…え?予定にない?いや、そんなことよくある話ですよ…え?この男?あぁ気にしないで…ね?ねぇ…?奥さぁん…。 麻薬戦争は言うだけあって戦争だ。 初っ端からこれでもかと見せる地獄絵図は惨憺たる現状を脳裏にぶち込んでくる。そんな麻薬カルテルに対して順序よくお役所仕事でなんとかなると思うとそうも行かず超法規的手段がモノを言う。そりゃもう正義か悪かのボーダースレスレな所で

コングさんの勇姿を見よ! 【キングコング 髑髏島の巨神 (2017)】ネタバレ有

「挨拶も無しに勝手に上がりこんで、荒らしまわした挙げ句その態度はなんじゃい!」 こんな事されたら温厚なコングさんだってそりゃキレますよ!オイオイ!コングさんに向かってなんて事してんだ!詫び入れろ詫びを!ヘリ程度で何をしようとしているんだ!コングさんのシマに来た時点で人間は雑魚!最弱なんだよ! そう、ここは髑髏島!ピータージャクソン版以上に凝ったデザインの化け物のオンパレードがたまりません。どれも「THE秘境の怪物!」って具合です。敵役のスカルクローラーの気味悪さはもちろんで

映画:ハードコア (2015) ネタバレ有

​気分はまさしく「俺最強!俺つえー!」 銃、爆発、刀、パルクール、金髪美女、バイク、スナイパー、戦車、おっぱい、SF、ゴア描写と、野郎が好きなもをとにかく詰め込みまくった本作。しかもみんな大好きなゲームジャンルFPS(ファーストパーソンシューティング)視点の画期的な映画だ!ほら!好きでしょ?ねぇ好きだろ!好きに決まってる!…うん。 いやいや凄い嬉しいし好みだけど過多にもほどがあるよ!逆にここまでくると過剰な接待というか、なんというか…。そんな惜しげも無く、次々と出されたらリア

悪ハミルと不思議SF【 風の惑星 スリップストリーム 】(1989)

​強い風とどこまでも続く平原と砂漠パッケージに躍るキャッチコピーとマーク・ハミルに釣られて視聴した本作は予想の斜め上を行く静かなSF。紳士的なロボットが間抜けな男と共に飛ぶ未来世界は、設定は説明不足だし、展開も唐突なところが多く、登場人物の描写も荒く極端で、見る側を突き放した部分が多々ある。まぁ同監督作品のトロンも似たような所はあったけど。人間だが不完全な主人公と、人間ではない完璧さを持ったロボットとの対比が面白い、そしてロボットがどんどん人間になって行くまでを哲学的に描いて

映画:ザ・フォーリーナー 復讐者 (2019)ネタバレ有

ジャッキー・チェンVSピアース・ブロスナン! そんなカードが予告で発表された時は心踊った。そりゃ5代目ジェームズ・ボンドとジャッキーが闘うんだからね!いつもとは違う暗い表情のジャッキーにショーン・コネリーの如きナイスグレーな貫禄を持つオヤジになったブロスナン!そして監督は007を2本も撮ったマーティン・キャンベル!爆発!アクション!いやぁ早く公開しないかなぁ♪待ち遠しいなぁ♪ …いつまで経っても日本で公開されない。おかしい、一流の役者二人も使ってこの間はなんなんだ。海外じゃ

サイバーウォー前日譚【 バーチャルウォーズ 】(1992)

サイバーウォーの原点へ…あのPS1の奇作「サイバーウォー」を十二分に理解するにはやはり元となった映画を見るのが一番だ。 しかし日本ではDVD化されておらずVHSで見るしかない…ということでAmazonで購入。(1円と送料しか払ってない気がするぜ。) あんな凄いゲームの映画なんだから、さぞ難解な映画なのだろうと思ってスタッフ欄を見てみたら、原作者はなんとシャイニングやスタンドバイミーでご存知、泣く子も黙るスティーブン・キング。 主演はサイバーウォーでも一瞬出てきた5代目007

映画:ジオストーム (2018) ネタバレ有

お前達は行け!俺は残る!政府の陰謀!無駄に多い爆発!王道!テンプレ!お約束!ベタ!ありがち!でも細かいことは考えるな!それが最高な一本それがジオストーム! とんでも技術で地球を覆う超衛星の暴走!人工知能の暴走かと思いきや、黒き陰謀が隠れていた! 地球と宇宙で兄弟二人が力を合わせて解決に向かうその道のりのテンションはエンジンのかかりがちょっと悪いけど、スピードが出ると止まらない展開がたまりません。気合の入った宇宙ステーションの映像はもちろん見せ場の天災シーンも素晴らしく、ブラ

映画:アベンジャーズ エンドゲーム (2019) ネタバレ有

これで終わり。 なんだかんだでこんな所まで来た。ついに一つの決着が付く。 サノスとの戦いに大惨敗を期したアベンジャーズの再戦にはいろんな予想を駆け巡らせたけれどまさかマジでタイムスリップとは。 でもただの時間旅行ではなく今までのシリーズを見てきた人なら嬉しいキャラクターが登場したりするし、出会うはずのないキャラクターと出会ったりと緊張感がありつつもコミカルで楽しい。特にロキがロキらしいのがとても嬉しいし、今回はホークアイ先生が前回登場しなかった分これでもかとワイルドでカッコい

映画:15時17分、パリ行き (2018) ネタバレ有

実話ものというのは星の数ほどあるけれど、実話もの映画でさらに本人が演じている映画というのは珍しい。 しかもそれが主人公だけではなく更に撃たれた人やその奥さんと本人が多いというのがまた凄い。 そんな訳で始まった主人公達の半生と事件の流れはまるでドラマチックとは言えないがリアリティに溢れている。 前半の三人の出会い、そして軍人になった後の出来事など彼らの人となりがわかるエピソードはどこかユルいし親近感を覚える。更にヨーロッパ旅行のシーンに入ると更にユルくなる。いやいや、イタリアで

映画:ランペイジ 巨獣大乱闘 (2018) ネタバレ有

ゴリラ最高!!! あの屈強な肉体、澄んだ瞳、清い心。やっぱりゴリラがスクリーンに出るだけでテンションが上がる。そんな我らが愛すべきゴリラ君ジョージが、映画じゃよく壊れる宇宙ステーションから落ちて来た悪の企業の薬品によって巨大化!大親友ロック様は助けるべくして立ち上がる!狼やワニと次から次へと展開していく巨大化の波!狼も殺し屋本舗…傭兵部隊が気の毒になるくらい強い!そしてあらゆる困難にマッスル&友情パワーで解決していくロック様の勇姿には惚れ惚れします。俺も剃ろうかな。 中盤