小論文2
少子高齢化の問題は、日本社会が克服しなくてはならない緊急の課題である。
日本の高齢者人口、つまり65歳以上の国民の割合は28.1であり、世界で断トツの1位である。この勢いで進めば、近い将来、3人に1人は高齢者になるだろう。
さらに日本の合計特殊出生率は1.36で、これは1人の女性が一生の間に生む平均の子どもの数を表す。実際には夫婦で育てる子どもの数なので、2.0以下だと、人口は減少するばかりだ。
この現状を踏まえると、日本政府は本腰で対策を練らない限り、国家としてのして存続は危ういと言える。
どのような問題が生まれるのかと言えば、少ない生産年齢人口が支える高齢者の割合が多すぎて、その負担が莫大になるということである。つまり、所得税を支払う労働者の割合が少ないのに対して、年金を受ける高齢者の割合が高すぎるということだ。
それは同時に、政府の税収が単純に少ないことを意味する。また、労働者の側も、所得税を払うだけ払って、将来、年金がもらえるかどうかわからないとなると、勤労意欲に悪影響があるに違いない。
それは経済が停滞することを意味し、国際的な競争力の向上など見込めるわけもない。
この原因はさまざまな要素が複雑に関係していると考えられるが、結婚した夫婦が、安心して子育てをする環境が十分に整っていないことが大きな要因のひとつである。
これらのことを踏まえて、解決策を挙げるとすれば、会社の中、あるいは近くに託児施設を提供するのも一手段と言える。実際に、企業内保育所が設置されている会社は増えている。それは育児休暇を取らなくても仕事を続けられる女性が増えるし、また近年は職場内で重要なポジションに就いている女性職員が多いことから、ますます重要な施策となっている。
子育て支援のための優遇措置は、さまざまなインセンティブが試行されているが、基本的には、次世代を育てる教育に力を入れない限り、現状の克服は困難である。
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確かに、女性の社会的地位が向上したことで、結婚しない女性は増えているし、また男性も女性も晩婚化する傾向を踏まえた時に、生まれる子どもの数そのものが少ないという現実はある。