共通テスト試行30年⑥B2
設問2は本文に合うグラフを選ぶ問題です。グラフ問題を苦手とする生徒の特徴は、無駄に本文を読んでしまうことですね。これほど時間の無駄はないんですよね。ここのテーマは生態系のバランスですから、天敵が増えるととうなるか?天敵が減るとどうなるか?これだけで正解は見つかります。シカの天敵はオオカミという設定ですが、説明するほどのことでもないですね。
まずは4つのグラフを軽くながめて、③はオオカミの減少に伴って、シカも減少しているため、常識的にあり得ませんね。また①は、オオカミ微増なのに、シカは大きく減少しているのも常識からはずれます。そこで正解は、②あるいは④に絞られることとなります。ここまでは、本文を読む必要がないことに気づいて欲しいですね。
そして②と④の決定的な違いは、1996年の数字です。グラフ④の1996年は、オオカミは1匹も存在しないことになります。そこで初めて本文を見るのですが、下から6行目に「31」という数字があります。それは1996年にオオカミは31匹いたということを表すので、正解は②となります。ここで1996という数字を真っ先に探すのは、重要なことです。
この設問2を解くのに、本文は読んでいませんね。数字を2種類ほど「1996」と「31」を探しただけです。これは一種の速読かもしれません。共通テスト英語は、とにかくスピード重視です。ですが受験生の多くは、速読という言葉を誤解しています。左から右に文字を追う目の速さを速読とは言わない。読む必要のない箇所を無視することを速読と言います。ただしこの技術は、すぐに身につくものではないので、沢山の問題に当たり、沢山のミスをすることです。ミスを重ねることで、ミスはなくなります。
今回のグラフ問題は、極端なくらい、本文を読む意味がない問題でした。この解説は、動画でもアップしていますので、「偏差値アップ英語職人」をyoutubeで検索してみてください。