【痛ログ】~①肺に穴が空いた~
自然気胸の話します。
同じ症状で悩んでる方、痛い系エピソードを見るとゾクゾクする方へ。
仲間内で需要がありそうだと分かったのでとりあえず雑に書きます。
細かい体裁は後で修正しますので、ふんわり楽しみにしててください笑
あなた方のツボは知りませんが、僕の痛いエピソードで喜んでくれれば別の痛いエピソードを書く気でいます。よろしくです。
当分、体に穴開けないくていいやと思ってます。
大学三年の五月。「肺まで開通マン」になりました
大学に通っていたある日のことだった。
自転車で大学から帰路につくある日の途中、息を吐き終わった時に痛みが走った。
その日を境に、呼吸をするたび必ず息の吐き終わりに痛みが生じたし、数日後からは息を吸う時にもじくじくした痛みが伴った。
痛みを感じた日の週末、治療をしてもらえる病院を教えてもらいに最寄りの診察所へ。そこから聖マリアンナ医科大学病院へ繋いでもらった。
一時的な処理として、肺と肋骨の間にある胸膜までを穴を開けることになった。
塗り薬で皮膚に麻酔を施したあと、鋭利なぶっとい針状の器具(形状はあんまり覚えてないけど、痛みの分布的に尖っていた)が脇腹の、腰のくびれより少し上あたりに突き刺さった。
皮膚から肋骨の間を覆う肋間筋、さらに奥の壁側胸膜までを針で貫通させた後、その導線に沿ってチューブを走らせるというものだ。
肋骨の構造と気胸になった肺の図は、大体下の感じ。
さんにちeye「自然気胸とは?どんな病気?」 などより
https://www.sannichi.co.jp/article/2013/08/01/80001275
誤算だったのが、肋間筋には麻酔が効いていなかったこと。
第1の障壁になる皮膚は麻酔のおかげで異物がズブズブ入っていく不快感だけで済んだけれど、さらに内側、第2障壁の肋間筋を貫く時はめちゃくちゃ痛かった。ほんの数ミリの針が体の内部を貫くだけなのに、拳大の金属片をねじ込んで、穴を無理やりこじ開けられるみたいな、冷たさを伴う鈍い痛みが襲ってきた。しかも肋間筋が結構硬くて、貫通させるのにパワーがいるらしい。針と筋肉がせめぎ合ってる間、マジ勘弁…(;´Д`)
針で肋間筋を貫通する数分間、刺さった箇所以上の範囲にブツをねじ込まれるような不快感と痛みは、途切れることはなかった。
声を上げようとしたら肺と胸膜が動いて、痛みがさらに強くなるんじゃないか…なんて恐怖を感じた。
執刀医?から口は開けるよう言われた(強く噛んで口を切らないようにとのことだったと思う)ので、ひたすら声にならない叫びを上げる形で固まっていた。
腹にめっちゃ力がこもったこと、額と脇から滲み出て垂れてくる脂汗が大変気持ち悪かったことは、今でも鮮明に覚えている。。。
容器を付けて生活することに
その後の記憶は曖昧になってしまったのだけど、壁側胸膜の内側までチューブを通して、体の外に簡易的な容器をつけてもらったような気がする。
処置の手順としては間違っている恐れがあるので、とりあえず穴開通★程度の認識でいいと思う。
そんな拷問じみた処置の後、病院を紹介してもらった。
たしか呼吸器科だった。
ところで、気胸には3パターンあるらしい。ネット記事なので確証はない。今回は事故による症状ではなく自然発生的な形だったので、自然気胸に該当するそうだ。
詳しくは下記で見られるので、興味わいたらぜひ。
自然気胸の基礎知識|東京慈恵会医科大学附属柏病院
http://www.jikei.ac.jp/hospital/kashiwa/sinryo/40_02w3.html
ということで体表面から肺のすぐ外側まで管が差し込まれて、容器を体外に繫がれた僕の治療生活が幕を開けた。
治療中の様子
体外に繫がれた容器は「ソラシックエッグ」というものだった。
自然気胸 徳島赤十字病院外科 より引用
http://www.tokushima-med.jrc.or.jp/kakuka/a06_kokyu_g/kokyu_g02_01.pdf
図では体の前面にチューブが出ているが、僕の場合は右脇腹、腰の括れから少し上に位置するところから容器がコンニチハしていた。
僕の場合は腕で隠せる分、ビジュアルの主張はまだマシな方である。
毎日生活を送っていくにつれて、このチューブの先、体表面に容器に液体が溜まる。
これは胸腔(肺と肋間筋の間の空間)から生じた体液で、血を少し薄めたようなカラーリングをしていた。
この容積の8割くらいまでになるタイミング最寄りの病院に行って液体を捨ててもらう形で、肺の穴が自然に塞がるまでの間これを繰り返した。
風呂に入るたびに容器にビニールをかぶせて管にテープを巻き、容器が濡れないようにした。風呂上がりにビニールを取り外して、、を毎日した。
4ヶ月間、毎日。
なかなか苦行じみているな…と感じている。
急に液体が溜まってしまわないか、電車に乗られている途中で壊れてしまわないか、心配の種は尽きなかった。
というか、この心配で更に穴が空いてしまわないかと、個人的にはなかなかエキサイティングな時間だった。
管の入口が腕の可動域ではうまく取り扱えない位置に生えていたので、細かいメンテナンスは家族にお願いすることに。
担当医から扱い方は聞いたものの、家族も不慮のミスでうっかり壊したり液漏れしてしまったらどうしようなどと、体から伸びているチューブを見た家族の顔は、ホラー映画を見ている時とクリソツだった。
山から下りると超肺痛い
そんな状態にもかかわらず、治療から3ヶ月が過ぎた8月には、家族旅行に行った。
もともと飛行機だったところを新幹線に変更。気圧の問題で肺がダメージ受けるらしい。父と2人で新幹線、母と姉は飛行機で和歌山へ3泊4日の旅である。担当医からは許可が下りたため、万一の際は旅行先の呼吸器科に行くよう命じられた。
これ、フラグになるかもな…と思っていたんだけど、ホントにその通りになってしまいまして💦
2日目の間に、容器の4-5割くらいが溜まり、累積して9割近くまで溜まってしまった。
すぐに旅行先の和歌山の病院に駆け込んで、呼吸器科のお医者さんに体液を捨ててもらった笑
お医者さん、ソラシックエッグ自体扱ったことがないみたいで、おっかなびっくり触りながら、
「ごめんね、ちょっと勝手が分からないから、ごめんね」
なかなかの煽り上手である。
これで懲りればよいものを、3日目には高野山(標高800~1000m)で参拝。
帰りに降りる間は気圧の関係で肺が縮んでしまったのか、終始右の胸の奥が痛みを訴えていた。
和歌山駅の海抜は4m程度らしいので、少なくとも700m分の気圧変化を穴の開いた肺に味あわせていたわけである。
肺ちゃんごめんな…無難に行けると思ったんや…
それからの肺と僕
旅行から帰ってきた後も通院と通学を続けた。
スポーツはダメだが自転車での通学は許可を得ていた。
そんな調子で4か月ほどたった時、定期検診のレントゲンで肺の穴がふさがったことが分かり、ついにチューブとソラシックエッグから解放された。
次にどちらかの肺が破れたら即入院らしいので、24歳になった今でも体内に不発弾抱えてる気分。
思い出して胸が痛くなってきたから今回はこの辺で筆おきます。
あんまり書きすぎると多分破けるんで笑
最後駆け足気味になってしまったのはごめんなさい、文体は適宜直しますね。
この日記もどきが誰かのお役に立てれば幸いです。
ここまで読んでくれて、ありがとうございましたm(__)m
さぼっち
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