10月10日 2026年W杯アジア最終予選 第3節 ”サウジアラビア代表” VS ”SAMURAI BLUE 日本代表”
10月10日 2026年W杯アジア最終予選 第3節 ”サウジアラビア代表”(Home) VS ”SAMURAI BLUE 日本代表”(Away)
天候:晴れ
スタジアム:キング・アブドゥラー・スポーツ・シティ・スタジアム
<試合結果(スタッツ)>
<”サウジアラビア”戦術>
フォーメーション(攻撃時):2-3-5 (守備時):4-3-3
9月シリーズで1勝1分ながら、チーム状況は良くない。前の中国戦では10人になりながら、なんとか勝利したが、停滞感が否めない。日本との大一番。ホームでは負けていないので、そのアドバンテージを活かせるか。
ビルドアップは後方からショートパスで前進。19番でキャプテンのサレム・アルドサリを中心にサイド攻撃が主体。
守備はハイプレスとハードワークで守り、ボールを奪う。
スタメン。GKにアルカサル。DFは右からアブドゥルハミド、ラジャミ、アルタムバクティ、カディシュ。アンカーにアルマルキ。インサイドハーフにナセル・アルドサリ、アルジュワイル。3トップは右にヤフヤ、サレム・アルドサリ、CFにアルブレイカン。
注目はキャプテンのアルドサリ。チームの中心でありリーダーで、苦境なチームを救えるか。
スコアは0-2の完封負け。
良かったところは、前半の開始から、日本の3バックにハイプレスで対応し、スムーズな前進をさせなかったこと。攻撃では相手の両WB、特に右の堂安の背後のスペースを突き、チャンスを作り、前半終了10~5分前には決定的なチャンス、シュートがあったが、GKにセーブ、シュートブロックに遭い、決め切れず。
課題は先制点をとられた後は攻勢に出たが、後半にシステムを4-1-3-2に変更した途端、プレスが嵌らず、簡単に回避されてしまい、シュートシーンも無くなってしまった。失点のシーンもクロス対応、セットプレーのマークも甘く、フリーで決められてしまった。
なぜ4-3-3のプレスが上手くいっていたにも関わらず、4-1-3-2に変えたのか疑問。
注目のアルドサリは、前半は堂安の裏のスペースを上手く突いて、チャンスを創出。ボールの受け方やプレス回避の技術も素晴らしい。
ただ、後半は、伊東純也がWBに入ってから、上手くスペースを消され、引いてボールを受けるにとどまってしまい、チャンスに絡む頻度が無くなった。
彼個人の問題ではない。チームとして、アルドサリが1対1で受けられるようなビルドアップを構築できていない。これではゴールに結びつかない。
今日の試合が終わった時点で勝ち点でオーストラリア、バーレーンと並んでの3位。次節はバーレーンとの直接対決が待っている。ここを落としてしまえばW杯出場が危ぶまれる。
そして何より問題は、自国のリーグで選手が出場していないこと。サッカー協会と代表の強化体制が一本化になっていない。欧州のスター達を加入させてリーグを盛り上げたいのは分かるが、それが自国の代表の強化になっていなければ意味はない。このまま弱体化してしまうのか、協会側はもう少し考えたほうがいい。
<”日本”戦術>
フォーメーション(攻撃時):3-2-5(守備時):5-4-1
ここまで鬼門だった初戦を7-0で勝利し、次もアウェー、バーレーン戦で5-0と圧倒。2試合で12得点無失点と上々の戦い。
しかしこの10月シリーズではもう一つの鬼門のアウェー、サウジアラビアと埼スタでのオーストラリアとの大事な2連戦が始まる。この連戦で勝ち点6を獲得できればW杯出場権の2位以上は90%以上決まる可能性がある。
まずサウジアラビアに勝ち、首位を独走し、差を広げたい。
戦術はポゼッション。今年の6月から3バックで臨んでいて、攻撃力を発揮している。
この試合でも3バックは変わらない。カタールW杯の守備的ではなく、レヴァークーゼンを参考にした攻撃的3バック。
守備ではハイプレスが基本。ミドルプレスに切り替え、時には5-4-1の陣形で守る。
スタメンはGKに鈴木彩艶。DF板倉、谷口、町田。ボランチに遠藤と守田。WBに堂安と三笘。2シャドーに南野と鎌田。CFに上田。
注目はチームとして、今までは圧倒できたが、日本と同等レベルのチームを相手に通用するか。ボールを支配できなくても、攻守に置いて我慢強くできるか。観てみたい。
スコアは2-0の完封勝利。
3試合連続のクリーンシート。試合はボールを支配する時間は長くなかった。しかし、コンパクトに陣形を保ち、縦パスを入れさせず、前半は確かにピンチはあった。ただ、シュートブロックも全員が身体を張り、クリアするのか、繋ぐのかのメリハリも良かった。後半は伊東純也や前田大然が入り、相手のサイドのスペースを消すことで、クロス攻撃も減り、ロングボールも3バックを中心に無難に対応。中心選手のサレム・アルドサリに仕事をさせなかった。
攻撃では、前半、相手の4-3-3のプレスに苦戦し、円滑にポゼッションは出来なかったが、南野、鎌田への縦パスを有効に使って、堂安と三笘を起点に先制点をもぎ取った。
後半もカウンターでチャンスを作り、結果的にはセットプレーで途中出場の小川のゴールだけだったが、課題だったセットプレーでゴールできたことはこの先の試合でもポジティブに働く。
さらに、ビルドアップの形も最初は3+2の形で、サウジのプレスに苦しんだが、ボランチのどちらかが降りる形での可変式の4バックの形にしてポゼッションが安定したことも、次節以降にいい意味で相手にとって、対策は取りづらくなるので、オプションとして持っておくことが大切だろう。
課題はボールロストが多かった点。特に遠藤と鎌田の2人が奪われすぎていた。
オーストラリアも間違いなく、そこを突いてくるので修正が必須。
ただ、それ以外はとても良かった。キーパーのザイオンもキックや判断も安定していた。
あとは上田が小川に負けじと得点を取れればより圧倒できるだろう。
注目点に関して。ボールの支配は確かにできなかった。ただ、持てないことを割り切って、5-4-1の形でDFラインも下がるのではなく、ミドルゾーンでコンパクトな陣形を保ちながら、相手の縦パスに対応した。
カウンター主体でも得点、シュートまで持っていける個の技術の高い選手が揃っているからこそだ。
もちろん、その戦術に割り切った森保監督も素晴らしく、疲れた堂安や鎌田を代えて、スピードスターの伊東と前田の投入、良いタイミングでの小川の投入も良かった。2点目はセットプレーだが、伊東のコーナーからの小川のゴールで、采配が当たり、期待に応えた。
もちろん、これからより厳しい戦いがある。火曜日のオーストラリア戦、11月のアウェーインドネシア、中国との2試合。ここを残り3連勝できればW杯出場権が決まる可能性もある。もちろん来年も同じメンバーでできるかは分からない。怪我人も出てきてしまう可能性はある。
しかし、今の日本代表は誰が出ても強い。そして、今まで以上にポジションの競争率が激しい。さらに、選ばれていない選手もヨーロッパで結果を出している。その選手が代表でもフィットできればより最強となる。監督を大いに悩ませてほしい。
次は大一番のオーストラリア戦。ホーム埼スタで勝利し、首位を独走して、2位以上をほぼ確定させることができるか、真価が問われる。
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