20210815_調査データの可視化【後編】 #WOW2021 Week 32
今週(2021年8月11日)公開された Workout Wednesday 、前回はドーナツチャートについて書きましたが、今回はダッシュボード中段のバーチャートについて説明していきます。
前回のドーナツチャートについてはこちらを参照ください。
今回の攻略ポイント
棒グラフ(バーチャート)は、一番使う可視化表現といっても過言ではないかと思います。なので今回もつい簡単にできると思ってしまいましたが、なかなか苦戦しました。改めて何を伝えようとしているか、どのような構造になっているかをしっかりと見て理解することが重要だと思いました。
今回の攻略ノート1:ポジネガバーチャート
まず、中段メインの積上げ横バーチャートを作っていきます。
このチャートでは、Workout Wednesday のチャレンジについて、仕事で役立っているかや、チャレンジは難しすぎるか、簡単すぎるかなどを5段階評価する質問をポジはプラス、ネガはマイナスとして分布する横バーチャート(以下ポジネガバーチャート)として表現されています。
ただ、このチャートをよく見るとグレーの項目が両サイドにあるものが見られます。例えば上から2番目や一番下の設問などです。5段階評価の回答にも関わらずこれでは6項目となってしまうので、ここの表現が意図するところやどのような処理をしているかを紐解いていきます。
1)何を表現しているかを把握する
このバーチャートでは、5段階評価をポジはプラス1、ネガはマイナス1として表し、「どちらでもない」は 0.5としてポジネガ両方に表示しています。普段あまり見ない表現ですが、ポジネガのバランスを見たうえで、どちらでもないも補足的に把握できる表現としては面白い表現だと思いました。
絵でまとめると以下のようなイメージです。
真ん中の「どちらでもない」をポジネガ両方でカウント。ただし2倍にならないように +0.5 / -0.5 と半分にしています。
2)まずは数表で確認
棒グラフで表現する前に、可視化したいデータが得られているかを数表で確認します。今回の場合は前述の Positive Count から、Positive % を作ります。
これも数表で事前に確認しておくと、何を可視化するかが迷子にならないと思います(特に慣れてないときは)
上記では「どちらでもない」の Neither Agree or Disagree が、Positive Count, Positive % などにおいて合計値の半分になっていることが確認できます。
3)ポジネガバーチャートを作成
これで可視化に必要な材料がそろいましたので、Positive % と Negative % を使ってチャートを作っていきます。この2項目は交わることはないですが、今回は軸を1つとして表現したいため二重軸にしています。
ツールヒントを整え完成です。
今回の攻略ノート2:ポジネガ相対度数分布チャート
次に、中段右の相対度数分布チャートを作っていきます。
といいつつ、実はもうほとんど終わっています。
1)数表で確認
この相対度数分布では、シンプルに % of Total を使っているだけなので、すでに算出していますのでこれを使います。
2)相対度数分布チャートの作成
ダッシュボード上で横に配置するために、Question をヘッダー非表示にしておきます。ラベルを表示させ、ツールヒントも調整しておきます。
凡例の色とツールヒントの色調を合わせるにはどうしたらいいでしょうか?
これは「マークカラーの一致」機能を使います。
私はこの機能を使ったことがなく、記憶にもなかったので、しばらく考え込んでしまいました。
3)マークカラーを一致させる
デフォルト設定ではラベルの外観は「自動」となっており背景が白の場合はラベルの色は黒になります。「マークカラーの一致」を選択することによってラベルの色をグラフの色調に合わせたものにすることができます。
自動 の場合
マークカラーの一致 の場合
設定は簡単です。
マークラベル > ラベルの外観 > フォント >マークカラーの一致 で設定ができます。
今まで使ったことがなかったですが、見栄えにこだわりたいときなど便利な機能だと思います。
今回のふりかえり
下段のハイライトテーブルや、ダッシュボードのレイアウト調整もそれなりに大変だったのですが、すでに前編後編と長くなってしまっているのと、メモとして書くことはそこまでなかったので割愛します。
ここまでの情報量と洗練させた視覚表現のダッシュボードをこれまで作ったことがなかったので、改めて見やすくシンプルなものは、それだけのノウハウと労力が詰まっているものだということを体験することができました。
オリジナルのダッシュボードであればつい手を抜いてしまってたり、今の自身ができる範囲での表現に留まってしまったかもしれませんが、まさに Workout Wednesday だからこそのチャレンジだと思いました。
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ここまで読んでいただいた方、ありがとうございました!
以上