Nintendo Laboで触覚のVR!?牛乳を注いで飲む体験ができるVirtual Milk
制作物の一覧
【動画】
【イントロダクション】
2018年4月20日(金)に発売したNintendo Laboは、 Nintendo Switchを利用して自ら作る体験型ソフトです。コントローラーに搭載されているセンサーやモーター活用して、プログラムすることができます。
我々が何か新しい物を遊びを作り、提供することができるという、ものづくり大好き、プログラミング大好きな方々にはたまらないソフトです!j
今回はそんなNintendo Laboを活用して、「牛乳パックからコップに牛乳を注ぎ、飲む」という体験を再現するVRを作ってみました!
【触覚!?】
VRと言われると、「でっかいゴーグルをつけて360度で映像が見えるんでしょう!?」、「どこから聞こえるかわかる音源があるんでしょ!」などなど、『視覚』『聴覚』だけだと思われるかとおもいます。
しかし!!実は『触覚』でもVR体験をすることができるのです!
そもそも『触覚』と言われてもピントこない方が多いのではないでしょうか。
実は『触覚』は地味だけど我々の生活からは切っても切り離せないくらい重要なのです!
ちょっとだけ『触覚』がなくなった世界を想像してみましょう。
・卵を持ってもどのくらいの力をかけたらいいかわからずに握りつぶしてしまう
・熱々のヤカンに気がつかず皮膚が焼けてしまう
・どんな布団で寝ても、何も感じられない
などなどものすごく恐ろしい世界になってしまいます。。。
『触覚』がないと自分の体がまるでこの世界から切り取られたかのように存在感を感じられなくなってしまうのです。
【触覚のVR!?】
そんな『触覚』をバーチャルに再現しようと試みた作品の中でも、特に有名なのが「テクタイルツールキット」です!テクタイルツールキットは、身の回りの触感を、マイクと振動子を使うことで簡単に再現することができるデバイスです。
このように、『触覚』もバーチャルに再現できるのです!
【体験概要】
そこで今回我々は、Nintendo Laboでも『触覚のVR』を作ることができるのではないか、ということで「牛乳パックからコップに牛乳を注ぎ、飲む」という体験の再現をしました!
【用意するもの】
・ハードウェア
「アフォーダンス」に着目し、牛乳パックや紙コップのディテールにこだわることで、「事前の説明を要さず、対象物体を見るだけで何をすればいいかがわかる」ということを目標にしました。
コップは取っ手をつけることで、取っ手を持たせ、手と振動子の位置関係が毎回同じになるようにしました。
中にJoy-conを入れた牛乳パック
中にJoy-conを入れたコップ
コップの中のJoy-con。取っ手に振動がよく伝わるようにしています。
喉用Joy-conコントローラー。喉に貼り付けます。どくどく感を出します。
4. Nintendo Labo内の「Toy-Conガレージ」 で制作したプログラム
コントローラーのジャイロセンサーからの値を使用し、傾けたら、プログラムが作動するようになっています。
【体験/仕組み説明】
この体験には大きく分けて二つのパートがあります。
① 牛乳パックから紙コップに「注ぐ」
牛乳パックを傾けていくと、牛乳パック・紙コップの両方に、それぞれ異なる振動が起きます。牛乳パックでは、どくどくどくと実際に牛乳が牛乳パックの口から出て行っているかのような感覚を再現しています。コップでは、段々と牛乳が注がれていく感覚を再現しています。コントローラーのジャイロセンサーで傾きを検知しています。
② 紙コップから「牛乳」を「飲む」
コップの傾きに応じ、コップと、飲む人の鎖骨付近に設置されたコントローラーが振動します。コップでは、牛乳が流れていくような感覚を再現しています。飲む人の鎖骨付近に設置されたコントローラーは、飲む時のごくごく感を再現しています。
【体験した感想】
思った以上にリアルな体験を作ることができました!
実際に体験しないとどのくらいリアリティがあるかわからない体験なので、是非みなさんも作ってみてください!
【改善点】
・ よりリアルな体験を目指し、液体の種類や量、容器の傾け方等に応じて振動が変化する仕組みが作れたらいいなと思いました。
・ 今回は仮現運動運動を活用し、「液体の移動」という点に着目してこの作品を作りましたが、温冷感など、移動以外の感覚の再現もできたらよかったです。
【まとめ】
・ Nintendo Laboを活用して、『触覚のVR』を作成することを目指しました。わかりやすい、直感的な体験ができました!
・ みなさんも是非 Joy-Conガレージを使って『触覚のVR』を体験してみてください!
【参考文献】
1. TECHTILE Toolkit http://www.techtile.org/techtiletoolkit/
2. 小島ら、鉛筆削りに着目した触覚的心地よさ提示デバイス、エンターテイメントコンピューティング、2008年10月. PDF (電気通信大学/梶本研究室HP)
3. 國安ら、液体を注ぐ際の心地よさに着目した触覚ディスプレイの提案、エンタテインメントコンピューティング、2010年10月.PDF (電気通信大学/梶本研究室HP)
(c) SFC TOUCH LAB
注意:制作の際には、ケガなどをされぬよう、ご注意ください。
もし本記事を気に入って、ご引用される場合には、下記の情報をお使いください。以下に日本語で引用する際のスタイルを参考までに記載します。
「Nintendo LABOで触覚のVR!?牛乳を注いで飲む体験ができるVirtual Milk」(閲覧日), note, https://note.mu/sfc_touch_lab/n/nf8140517f3f6/
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