特プロの振り返り (松田・兼山・長田)
本特プロの目的
皮膚を引き伸ばす装置を作る
8/4に行ったディスカッションと8/28~31の4日に渡り、皮膚感覚や身体感覚の生物学・神経科学をセンサ工学・認知科学の観点から学びを深め、自ら手を動かして実験室実験を実施することで、皮膚科学・身体科学・神経科学・認知科学で構成される当該研究領域の先端研究を実施することを目的とした’特別研究プロジェクトB (機械感覚の生物学・神経科学)’が行われた。
実験室実験では、’何かしらの薄いモノを伸ばす構造’の考案、制作をゴールとし講義で得た知識を活用し受講者10数名が3班に別れ各々で活動にあたった。
学んだこと
day1 (皮膚科学の基礎、細胞力覚の実験パラダイムを学び、実践する)
4つの受容器など皮膚の構造などについて学びました。
day2 (腱・骨組織の生理学や細胞力覚の知見を講義する。生物学・機械工学の観点から腱・骨組織の細胞生理学研究を実践)
触覚が人の生命維持にどのように関わっているのかについて学びました。
day3 (センサ工学の視点から皮膚・腱・骨組織の役割を解明する研究手法を講義する。生物学・機械工学の観点から体性感覚の生物学実験を体験し、知見を得る。)
piezoチャネルに関わる研究内容(piezoと運動能力の関連研究など)について学びました。
day4 (本特プロのまとめを行う。これまでに蓄積したデータをまとめ、解析を行い、レポートにまとめる。)
各班の成果発表を行い、互いにフィードバックを行いました。
作った装置
万力(対象物を二つの口金の間に挟んで固定する工具)の機構を元にして装置を作った。作成した装置では二つの口金の部分にフックをつけ、そこへ引っ張る対象物の両端をひっかける。そして、万力の仕組みを逆向きに利用(ふつうは閉じる方向に使うが、今回は離れる方向に使う)することで、皮膚が引っ張られるのを観察することができる。アイデア出しの段階では吸盤、万力、小顔ローラーなどの案が出た。この中で一番固定することに向いていそうな案を採用した。3Dプリンターの精度や素材の問題でネジがはまらなかったので、最終的には手動で引っ張った。この方法のメリットは、パラメトリック的な引き伸ばしを可能にできる点である。動かす速さや距離を調整して段階的な計測ができる。今回はフックに引っ掛ける形で皮膚を固定したが、クリップで挟むなど他の方法も検討してみたい。
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今回の特プロを通して学んだこと
出された課題は複雑なものではなかったが、それを作成しようとすると、造形物として形にするのは難しいことを知った。今まで3Dプリンターは使ったことがなかったが、今回の特プロで初めて使ってみて、頭で思い描いていることをアプリ上で表現することがなかなかできず、とてももどかしかった。SFCには、今回使った3Dにプリンターに限らず様々なデバイスがあるが、それを十分に活用できていないと感じたので、今後はそれらを活用できるようになりたいと感じた。