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間取りを決めずに契約するのはやめたほうがいい
最近「間取りが決まってないのに契約を急かす営業マン」が多いようなので、ご注意ください。
間取りを決めたくない営業マン
間取り打ち合わせは時間がかかるので、間取りを決めてから契約となると、顧客が他社に浮気するリスクが高まります。
また、間取りが大きくなって、当初の予算に収まらず、テンションが下がってしまう恐れもあるため、間取り打ち合わせをせずに契約したいわけです。
間取り契約の流れとは?
一通り、性能やサービスについて打ち合わせを終えると、仮契約を求められます。もちろん、この段階で間取りは決まっていません。
仮契約とは、契約する意思表示をするもので、仮契約金の支払いを求められることが多いようです。数万円くらいなら最悪いいかな~とも思いますが、100万円払わせる住宅会社もあるので、驚きです。すご。
施主もさすがに「間取り決まってませんけど?」と聞くと、営業は「大きさが変わらなければ金額は変わりませんので。皆さんこの流れなので。」という安心トークで、とりあえずの仮契約を急かします。
「ま、これが普通なのかな?」と疑問を抱きつつ、仮契約金を支払ってしまう方が多いです。
仮契約後、打ち合わせをして間取りを確定し、本契約に移るわけですが、この間取り打ち合わせの間に、いろいろ問題が生じます。
間取りを決めずに仮契約するとどうなるか?
まず、下手なプランナーの場合、納得の間取りができません。「構造上仕方ありません」という必殺文句で、自分のスキル不足は棚に上げて、施主が納得するプランがいつになっても完成しない問題が発生します。
施主としては不安を感じつつ、「仮契約しちゃってるしな~お金払ってるしな~まーしばらくやってみよう!」と言う気持ちになり、住宅会社の狙い通り。間取りを決めずにお金を払わせておくことと、途中で離脱しにくくなります。
次に、間取りがどんどん大きくなって、予算オーバーします。仮契約時に見せられる仮のプランは、コストがかからない形状になっているので、オーダーメードでプランを書くと、同じサイズでも費用が上がることが多いのです。
ついに解約を考え始める
納得のプランができず、予算ばかり膨らんでいく…となると、さすがに施主も解約を考え始めます。で、気になるのが「仮契約金は返ってくるのだろうか…?」ということです。
対応は会社ごとに分かれるようですが、返してくれる会社が多いようです。測量などでかかった実費をひかれることはありますが、さすがに返さないとなると、悪評がたちますからね。
交渉しなければ、ぼったくられる可能性もあるので、ここは遠慮せずに交渉しましょう。
住宅会社の気持ちで理解できる部分もある
自分の会社で契約するかどうかわからない人のプランを描くと、時間と人件費ばかりがかかり、効率が悪い!という住宅会社の気持ちは理解できますし、100%同意します。
もし仮に、プランを何回も書いた人が契約してくれなかったら、そのプラン作成にかかった費用は誰が払うのか?というと、全く関係のない別の契約者が払うことになります。
無駄なプランを描けば描くほど、大切にすべき契約してくれる顧客が払う価格が上がっていくわけなので、それはおかしいですよね?なので、「契約する人のプランだけを描く」というのが、理想的であることは間違いありません。
じゃ、どうすればいいか?
私が考える「施主側にも住宅会社側にも負担が少ない流れ」はこうです。(土地を所有している場合)
①情報収集
間取り以外の性能や価格帯については、何回でも納得するまで打ち合わせを行う。これはどんな住宅会社も行っています。
②仮の意思決定(口頭、金銭授受無し)
施主が「間取り以外は納得した!ここで家を建てたい!」気持ちになったら、住宅会社にそれを伝えます。口頭で。もちろん、金銭授受は無しです。
※数万円程度の申込金であれば、百歩譲って、許容範囲かなと思います。ベストは金銭授受無しです。
③ファーストプラン作成
一度、施主の希望と予算を盛り込んだプランを一度描きます。プランナーの腕前を確認してもらう作業です。もしプランナーの腕に納得いかないなら、断るかプランナーを変更してもらいます。
④最終の意思決定(口頭、金銭授受無し)
ファーストプランを見て、プランナーの腕に納得したら、施主は最終の意思決定を行います。「絶対にここで家を建てます!これからよろしく」と。
間取りが確定していないのでまだ契約は行わず、金銭の授受も無し。ただし、施主からの「やっぱりやーめた」は特段の事情がない限り、NGです。
⑤間取り確定、契約(書面、契約金支払い)
間取り打ち合わせを経て、間取りが確定したら、正式に契約を書面で交わし、契約金を支払います。
この流れなら双方の問題点をクリア
■施主側の問題
・プランナーのスキル不足
初回プランを見れば、おおよそ力量が分かります。プラン以前にヒアリング段階で「おや?」と思うこともあるはずです。
・予算オーバー
プラン確定後に契約をするので、契約後にプランが大きくなって予算オーバーになることはありません。ファーストプランである程度要の要望が盛り込まれ、予算に収まっていれば、プラン確定までに大きな予算upの心配はないでしょう。
■住宅会社側の問題
・契約しない人のプランを描くコスト
初回プランで契約するかどうか?を施主に決めてもらえるので、無駄になる可能性があるプラン作成は一回だけ。プランナーの腕前を見てもらうための必要経費と言えるでしょう。
初回プランを出して、納得できないからもう一回書き直して!と言い続ける施主もいるかと思いますが、そういう施主はだいたい変な客です。後々クレーマーになる可能性が高いので、住宅会社から断ったほうが得策です。
・プラン作成中に他社に浮気されるリスク
リスク0にはなりませんが、口頭で最終の意思決定をもらってからプランを詰めていくので、他社に浮気されるリスクはかなり抑えられます。
口頭での約束を破棄されたらそれは仕方ありません。そういう客だったということです。契約しても後でトラブルを起こしますので、住宅会社から断ったほうが得策です。
(例外)設計事務所の場合は?
例外として、設計事務所と設計契約を結ぶ場合は、間取りを描くこと自体にお金が発生する契約なので、間取り無しで契約を結ぶことになります。
設計事務所と家を建てる場合は、「設計契約」をしてから、間取り作成をし、間取りが完成してから、「工事契約」を結ぶことになります。
一般的な住宅会社との契約では、「設計契約」と「工事契約」が一緒になっています。設計契約だけ分けて契約するなら、間取り無しでもありですが、ほとんどの住宅会社がそんなことしません。
まとめ
契約は間取りを確定してから。でも、早めに意思決定を伝えたあげないと、住宅会社も動きにくいので、ファーストプラン確認後に契約する意思を伝えてあげると良いでしょう。
時々、とりあえず複数の会社にプランを描いてもらう!という人がいますが、おすすめしません。施主も疲れますし、その要望に応える住宅会社は、無駄プラン作成経費が契約金額に上乗せされるので、割高になりますよ。
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