グレンダイザーU 伝統と革新のバランス
週に1度グレンダイザーUというロボットアニメを見ている。
きっかけはもちろん20年の付き合いであるガンダムSEEDや私が人生でもっともハマったアニメ、クロスアンジュの監督、福田己津央が総監督を勤めているためだ。
しかしサウジアラビアの石油王の石油マネーで作られてるというこのアニメ。作画、戦闘シーン、脚本等どうもコスト的な限界を感じてならない。
石油王もどうせ金をいれるならNetflixでじっくり作らせれば良かったのに・・
昔の先輩達が作ったロボットアニメを限られたコストで少しでも忠実に再現するのか、スタッフ達の得意なぶっ飛んだ展開をやるのか?そのバランスのチグハグでどうもヒットせずにここまで来ていた。
先ほど視聴が終わった放送はそのぶっ飛んだ方に降りきっている回で、
さらっと言えば「主人公に争いを止めるために契りを結ぼうと言ってきた敵サイドのヒロイン。主人公は元々婚約者でもある彼女とついに契りを結んだが、なんと正体はそのヒロインの双子の姉だった!
負けヒロインの双子の姉は妹を大事に思うあまり、敵と結ぼうとする妹を止めるために妹に化けて先に主人公と契りを結んだのだ!」である。
このトンチキな展開に流石はコードギアスや水星の魔女などを手がけた脚本、そしてガンダムSEED・クロスアンジュの監督!と私は深夜小躍りしたのであるが、やはり頑張って残っていてくれた原作ファンはこの展開に不満なようだ。
らんま1/2、魔法騎士レイアース、魔神英雄伝ワタルが再アニメ化されるという令和の世。
金を持ってる世代の思い出を刺激する商品を出すという意図も感じるが、彼らは原作へのリスペクトがなければついてはこない。
一方でそれら伝説の作品達はたいていはスタッフ達も後に名を残したメンバーが揃っており、今の時代にそのクオリティを再現するのは不可能でもある。
それにそんなおじさん達が待ち構える作品、若いファンは付きづらい。結局今時の豪華声優さんを初めとした若いファン達を引き付ける何かをプラスする必要もあるのだ。そのバランスは本当に難しいだろう。
前述のグレンダイザーUは福田総監督と大河内脚本で舞台は同じにした程度のオリジナルにすればよりぶっ飛んでいて私は歓喜しただろうが、従来ファンはもっと早く見放すだろうし、オリジナル成分をなくして原作にもっと寄せていたら私は離脱していただろう。
まぁアニメの場合は一視聴者である私は結局面白ければ見るし、つまらないと思ったら切るだけの話ではあるのだが。
古くからのファンがいる老舗のものは特にそういった、ジレンマと戦っていそうだ。自分の今の職場だって、マニュアルをどこまで守るのか議論になることはある。
成功の条件とそれへの道筋、そのための優先順位を部下に示していきたいと思う。