名将、巨人原監督のチーム作り

先日、numberの「20年目の原巨人」特集を購入した。「言うてちょっと数人のインタビュー載っけてるだけだろ」と思っていたが、とんでもなかった。原監督、菅野投手、坂本選手岡本選手までは予測していたが、亀井選手、上原、阿倍桑田、山口オーナーにかつてチームを支えたオガラミやスコ鉄、さらに参謀森繁や井端のコメントを入れた天敵落合監督との関係、元阪神監督岡田まで。ここまでの原巨人をまとめるにふさわしい一冊で途中で休憩を挟み、3週間かけてなんとか読みきったというレベルのボリュームなのである。

私がそうこうしてるうちに2021年巨人は外国人の入国不可やコロナによる離脱により訪れた序盤の危機的状況を脱出。スタートダッシュを決めた阪神を2.5ゲーム差の2位でじりじりと追いかけている。そのチームを建て直した起用方法が素晴らしかったのでお気持ち表明したい。

1.梶谷選手の復活

これはもうnumberに載っていた鷲田氏の記事を見てください。軽くまとめると絶不調だった梶谷選手をいったんスタメンから外し、その件で今週の頭に東京ドームの監督室で一対一で話し合ったのだ。もっとがむしゃらにもがく姿を見せてくれと話し、そこで試合に出たいと声を絞り出した梶谷を見て、スタメンに戻している。

そこから梶谷選手は5試合連続で安打。特にそのスピードによりダブルスチールやワイルドピッチによる印象的な得点劇に大きく絡んでいる。見事に再生させたと言えるだろう。

2.原監督流の選手教育

鉄は熱いうちに打てと、とにかく勢いにのってる選手は使ってくれとファンは思ってしまう。昨日ホームランを打った香月選手もそうだ、毎試合スタメンで使えという声は多い。

しかし百戦錬磨の原監督はそうではない。勢いが止まるまで使い倒して、打てなくなったら二軍にポイという形ではその選手はそのまま終わる。144試合を7ヶ月近く戦うペナントレース、もっというならそのあとのプレーオフをどうやって戦うのかを考えている。

香月や廣岡といった若手を出番に飢えさせ、昨年活躍した吉川尚輝も代走屋の増田をスタメンで使うことで刺激し、自身が生き残るため、そしてチームが勝つためという同じ方向に向けさせる。原監督より前の監督の時代に選手が今のような顔をしていたか?と思うのだ。能力はあってもなんだかヘラヘラした、私からすると巨人らしくない選手が多かったように思う。

3.全ては勝つため

numberの記事でも選手や山口オーナーらが口を揃えて話すことがある。「原監督は勝ちに対しての執着がすごい」「勝利のためにあらゆる私心を捨てている」

チーム作り、もっといえば巨人という組織作りにおいてもとにかく勝利のためを考えている。

その流儀に乗っとり、私は巨人が負けたときには原監督への批判があっても擁護したりはしない。(心のなかではまだ数試合なのにせっかちだなぁとかイライラ思っているが)いつかは原監督も退くときは来るし、次の監督がどうなるかは分からないが、今は原巨人の勝利を楽しみたい。

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