2024年の新日本プロレス 途中経過
6月もあと1週間で終わり。2024年も折り返しに入ろうとしています。
新日本プロレスでは団体の顔であったオカダカズチカが去り、ひとまずは人気の高い内藤哲也にその地位を任せました。その後、海外大会でIWGP世界ヘビー級ベルトをAEWのジョンモクスリーに渡して、若手らに挑戦させながら上半期の総決算であるDOMINIONを終えました。
新日本プロレスの6月の最終興行は3年目となるAEWとの合同興行フォービドゥンドアですが、あくまで番外編。
すでに夏のG1Climaxの参加選手が発表されており、ここから上半期の結果を会社がどう見たかと下半期の動きを占うことができます。そちらを深読みと言いつつ妄想しながらお気持ち表明していきます。
目次
1、ポストオカダカズチカの新日本プロレス途中経過
2、タイチ騒動から見るG1Climaxの選抜基準
3、新体制の娘団体スターダムとの今後は
4、まとめ
1、ポストオカダカズチカの新日本プロレス途中経過
長年新日本プロレスの象徴であったオカダカズチカが去った新日本プロレス。何度かこちらで書いた記憶がありますが、若手や中堅選手がその穴を埋めるのか、あるいはそれが敵わずに外部の選手をフリーエージェントで獲得するのか。その途中経過の発表です。
上半期に目立ったのは昨夏に命名された令和闘魂三銃士、そしてヒール集団ハウスオブトーチャーでした。
ニュージャパンカップでは辻陽太が優勝しましたが、その裏ではハウスオブトーチャーが大きな役割を持たされたことが驚きでした。
AEWから参戦したジャックペリーがまさかのハウスオブトーチャー入り。そして優勝した辻に破れたものの成田がタイチ、ザックセイバーJr.を破りベスト8入り、総帥のEVILもベスト4でした。
EVILは社長棚橋に対抗して、新日本プロレスの真の社長を名乗るキャラ付け、さらにNEVER王座をかけた海野戦では新エース候補である海野を差し置いて、"EVILキッズ"に熱烈に応援されるなど多くの面で目立ちました。メンバーのSHOもJr.ヘビー王座を戴冠して、ハウスオブトーチャーが大きく目立った上半期だったと言えるでしょう。
最高王座に挑戦した辻、成田、海野以外にも、Oカーン、上村もそれぞれ他ベルト戦線を盛り上げました。誤算としてはオスプレイラストマッチの金網戦で同じくまだ若手のヘナレやコグリンが負傷したことです。ヘナレは復帰しましたがコグリンは引退と言われています。しかしパートナーがそうなったことを機に、ゲイブキッドは完全に一人立ち。NEVER王者挑戦、STRONG王者戴冠、NOAHに乗り込みGHC王者に挑戦など、外国人エース選手への道を突き進んでいます。もちろんその下の世代である藤田、大岩も着実に成長していますし、新ヤングライオンがデビューするなど若手の育成は進んでいます。
しかし着実に成長すれど内藤がジョンモクスリーから取り返したとして、世界ヘビーベルトにすぐ挑戦する選手はというと、若手には見当たらないという形です。オカダカズチカ世代であるEVIL、SANADA、もしくはザックセイバーJr.が挑戦することになるでしょうか。
そこで他団体の選手にも動いています。それがG1に参戦するDDT及びAEW所属の竹下幸之介、NOAH所属のジェイクリーの2名。
AEWではオスプレイやカイルフレッチャーと共にドンキャリスファミリーとして試合をしている竹下幸之介。ジャックペリーがH.O.Tを体験した後にAEWでもヒールターンして活躍しているように、AEWのトニーカーン社長が竹下幸之介を新日本プロレスで箔付けしてAEWでよりスター性を上げようとしているのは理解できます。
古巣であり、W所属をしているDDTでは大箱のビッグマッチで帰ってきて試合をするポジションのようですが、日本で試合をするのは新日本となる可能性も今後あるでしょう。
(最近はプロレス連盟もあって、新日本プロレスとDDTをはじめとする国内他団体の仲も良好です)
またオールトゥギャザー関連でBULLET CLUBと組み、内藤を狙ったNOAHのジェイクリーもNOAHでのユニットを解散することから今後は新日本プロレスに戦いの場を移すと予想されています。
年始のタマトンガWWE移籍を機に、タンガロア、ヒクレオが離脱している新日本プロレスですし、今後も選手の出入りは続くかもしれません。
そうした新しい選手との戦いの中で、令和闘魂三銃士を始めとする20後半~30前半の選手の成長が待たれます。
2、タイチ騒動から見るG1Climaxの選抜基準
今年のG1は人数が増える一方だった昨今と異なり、現在判明しているのはAブロックBブロック9名ずつの18名。これに予選を勝ち上がったそれぞれのブロックで1名が追加され20名でのリーグ戦となります。今回は野球のクライマックスシリーズのような方式が取られ、各リーグ上位3名ずつ6名が決勝トーナメントに進む形です。
前回4ブロックで40名近かったメンバーが半減したことで、社長である棚橋選手をはじめ、オカダ、オスプレイらが離脱してなお多くの選手がこの18名から外れています。その1人であるタイチ選手がYouTubeやバックステージで不満を話し、選考基準はなんだ!と言ったことで話題になったわけですね。
タイチが選ばれない理由を挙げるといくらでも出てきそうなので、逆に選ばれてる選手からその理由を見ると
①ニュージャパンカップ
春のシングルトーナメント、ニュージャパンカップで準優勝した後藤洋央紀が堂々のエントリー。タッグパートナーのYOSHI-HASHIは予選からですから、これは多いに参考にされているとみるべきでしょう。ベスト8メンバーはAEWのジャックペリーを除き全員本戦です。
②年齢
上記の後藤(44)を除いて、参加者で年上になるのが内藤、鷹木、ジェフコブの世代(今年42歳)。この3人は皆シングルのタイトルベルトを持っています(内藤もどうせ取るでしょ)
タッグが中心でシングルではニュージャパンカップも2回戦で敗退とさほど実績のないエルファンタズモも35歳です。ちなみにジェイクリーも35歳で、竹下幸之介は29歳。
私が新日本プロレスを見るきっかけになったKENTA選手は43歳で、タッグこそベルトを巻きましたがシングル実績はアメリカ団体のもの、ニュージャパンカップもYOSHI-HASHI選手に破れて1回戦敗退。予選からなのもやむなしで、シード枠になってるだけまだいいか、という形です。
オスプレイやオカダカズチカら世界トップレベルの選手と戦った昨年のG1で最後なのかもしれません。
予選のシード枠なのはKENTA、棚橋、石井、タイチ。「ああ、その辺りの選手ね」と納得の人選ですね。
海野が腰の骨折でG1までに治るかも不明ですので今後予選から勝ち上がれなかった選手から誰かがリザーブになるかもしれませんが、新世代を台頭させる会社の意図が感じられます。
3、新体制の娘団体スターダムとの今後は
既報の通り、同じブシロード傘下であったスターダムが新日本プロレスの子会社(名前もブシロードファイトからスターダムに変更)となり、言うなれば義理の妹だったのが娘となりました。
さてもともと今年合同興行であるヒストリッククロスオーバー2が予定されていたり、AEWのフォビドゥンドアにも一緒に参加するなど距離は近づいていたのですが、創業者ロッシー小川と所属選手の離脱で揺れたままのスターダムをどう新日本プロレスが導いていくのかも話題になりそうです。昨年に運営面で色々良くない話の出たスターダムですが、業界国内最大手の新日本プロレスとスタッフレベルでも協力することで、安定するでしょう。
木谷オーナーが話したのは「新日本プロレスの地方マッチにスターダム選手の試合をいれる」「新日本プロレスのレジェンド選手のサイン会をスターダムで行う」といったものでした。
海外と日本、ヘビーとJr.といった2部制を取ることで選手の負担減や興行数の増加を新日本プロレスは取り入れてるので、そこにスターダムを組み入れる形となるかもしれません。
7月からの新日本傘下体制前のビッグマッチで、スターダムはストーリーを大きく動かしました。新日本でいうところのCHAOSのようなチームがH.O.T的なチームに負けてリーダーを除いた選手を離脱となったこと。離脱した選手たちとデスペラードとの掛け合いでも有名なスターライトキッドが新チームを作ること。
新日本プロレスがこれらのストーリーにどう絡んでいくのか、そして抜けた選手の穴は誰が埋めるのか?今後に期待したいところです。
4、まとめ
若手にチャンスを与えつつも、かつてオカダカズチカやジェイ・ホワイトにしたような、1人に集中したスター育成は出来ていません。その選手や周りがいてこそだと思いますのでまだその時ではないのかもしれません。
今年は内藤鷹木ジェフコブら40越え世代、そしてEVIL、SANADA、ザック、ズモ、ジェイクらオカダカズチカ世代そして同世代の外敵?竹下幸之介を相手に、令和闘魂三銃士やゲイブキッドが結果を残しつつ、そこにNOAH遠征中の大岩や、海外遠征中の中島オスカーが加わってどうなるのか、かもしれませんね。Oカーンなんかはウナギサヤカとキャッキャッしてた頃が人気ありましたからスターダムの選手とどう絡むのかも楽しみです。2024年後半の新日本プロレス、注目してみていきます。
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