オージーオープンのAEW移籍はなぜ新日本ファンの心を大きく乱したのか?
ベストオブスーパージュニアが続くなかで、新日本プロレスファンにとって衝撃のニュースが飛び込んできました。
それはユナイテッドエンパイアに所属して新日本プロレスに参戦し、IWGPヘビータッグ、ストロングタッグベルトをつい先日まで保持していたタッグチーム、オージーオープン(カイルフレッチャーとマークデイビス)がアメリカのプロレス団体AEWに所属することが発表されたのです。
カイルフレッチャーは「日本のみんな、またいつか来るよ!」とファンに向けて話してくれているわけですが、当然所属するAEWが優先で、空いている時に団体にお願いして参戦することになるわけで、基本もう見れないと思ってよいでしょう。
私もこのニュースを見て目を丸くして、ショックを受けました。
また他の新日本ファンもこの衝撃は大きく、嘆く声惜しむ声で溢れていました。中にはその思いが強すぎるためか、彼らを参戦させ続けられなかった会社を非難したり、裏切り者と叫ぶ声もありました。(誹謗中傷はやめましょう)
しかし、なぜここまでショックが大きいのか?確かにオージーオープンの2人が素晴らしいレスラーであり、タッグチームであることは間違いありません。しかし、私を含めてここまで心が乱れるのはそれだけではないはずです。
今回はその理由を「もしこうならショックは小さかったのに」と言う形で、5つの観点から考え、なぜオージーオープンのAEW移籍は新日ファンの心を大きく乱したのかを考えたいと思います。
#1ドミニオンで試合をしていればここまでショックではなかったのに
今週の月曜日(現地日曜日)のアメリカ大会リサージェンスにて、カイルフレッチャーはマークデイビスの負傷により、6月のドミニオンと呼ばれる大阪大会の欠場とIWGPヘビー王座とストロングタッグ王座の返上を発表しました。しかし、もし2人が大会にて毘沙門とHOTと戦い、その上でベルトを失ってからのAEW所属発表だったなら?
プロレスにおいてベルトを失うことは次の戦線への移行であったり、休養を意味し、「あっ、オージーオープンはいったん新日から離れるんだな」「ああAEW所属の話が出ていたのか」とファンに心の準備が出来たのではないでしょうか。
まぁ怪我をしたマークデイビスの医療費をAEWが負担するという話も出ているようで、マークデイビスの故障がなければ、そもそもオージーオープンはフリーとして新日AEWを暴れまわってたかもしれませんね。
#2もし新日参戦歴が長ければショックではなかったのに
オージーオープンは一昨年9月にユナイテッドエンパイアに所属して、NJPWSTRONGや海外の新日本プロレスの大会こそ早くに出場していましたが、日本への本格参戦は去年のワールドタッグリーグから。今年ニュージャパンカップにそれぞれが参戦し、4月両国国技館でのサクラジェネシスでタッグ王座戦で大きな声援を浴びるなど、人気が出てきたところでまだまだこれから、と思ってた人は多いでしょう。
例えば同じ素晴らしいタッグチームといえど、長年タッグ王座戦線を牽引したGOD(タマトンガ、タンガロア)であれば惜しむ声よりも「これまでありがとう!」の声が大きくなりそうです。
#3もし新日本プロレスのヘビータッグ戦線が充実していたならショックではなかったのに
新日本プロレスはシングル王座至上主義であり、タッグ王座戦線については団体規模の割に盛り上がっていません。
ヘビー級のシングル王座のベルトが世界ヘビー、USヘビー、NEVER、テレビ王座、KOPW、strongと6本あり、タッグの祭典としているワールドタッグリーグの出場メンバーも、それらのベルト巻いてない人&挑戦者になってない人が出てる余り物感が否めません。
※あくまで個人の感想です。
その中で純タッグチームであるオージーオープンの試合への期待度が上がっていたのは致し方のないことです。実際にオージーオープンが返上したベルトをこれから誰が争うかというと、CHAOS毘沙門(YOSHIHASHI後藤)とHOT(EVIL高橋裕二郎)。勝った2人に対して挑戦者として現れるとしたら、ストロングスタイル鈴木成田、BULLET CLUBファレチェーズ、ユナイテッドエンパイアOカーンコブ(へナーレ)、TMDKシェインマイキー・・・可能性が高いのは同じ相手とリマッチでしょうか。
ことタッグチームに関しては、他団体の方が魅力的という感すらあります。
#4もし新日本プロレスが世代交代を求めていなければショックではなかったのに
カイルフレッチャー(23)マークデイビス(32)と、オージーオープンはまだプロレスにおいて若手に分類されるタッグチームです。新日本プロレスは長く棚橋オカダ内藤が君臨し、他団体から飯伏鷹木が来て、そこに若手外国人のオスプレイジェイが加わり、他選手の付け入る隙がありませんでした。
近年それらの選手が年を取った結果として、さらにオーナーの要望もあり、海野翔太、辻陽太、成田蓮(あとまだ帰国してないけど上村優也)らによる世代交代を推し進めています。
その中でオージーオープンの年齢は「ここから彼らのライバルとして長く活躍できる!」と期待を抱かせていたのではないでしょうか。
#5もし移籍先がAEWではなくWWEだったらここまでショックではなかったのに
業界最大の団体であるWWE。今回オージーオープンが契約を結んだのはアメリカで2位の団体であるAEWです。
一強であるがゆえに鎖国体制をとるWWE。AEWは新日本プロレスとは合同興行フォビドゥンドアを開催する仲です。モクスリーをはじめとした所属選手の参戦も行われています。
しかし友好団体であるからこそ、「参戦選手を獲られておいて、ヘコヘコすんのか」という気持ちが湧いてきます。
またそもそも設立段階から新日本プロレスがアメリカ進出を狙う際の目玉であったケニーオメガ、ヤングバックスが団体を離脱して中心となり作った団体であるため、よくない印象をもっていたり、まだ歴史的には若い団体だけに50年の歴史がある新日本プロレスのファンから見て、新参の癖に・・と上から目線になってしまう人もいるのかもしれません。
WWEは現在新会社による経営統合の関係でレスラーの新規雇用を凍結している?ようですが、もしWWEがオージーオープンを獲得していたなら、ここまでのショックはなかったのではないでしょうか。
まとめ
スターがいなくなれば次のスターが出てくる。タッグ戦線に補充するために次の選手の参戦もあると信じるしかないですね。大張社長のインタビューによるとコロナ禍の苦しい経営から、今年からは前向きになれるそうなので。(何人デビューできるかは分かりませんんが、新人も4月には7~8名入ったそうです)
ファンに出来ることは、ベストオブスーパージュニアやドミニオンを楽しみに待つことでしょう!!