ラストシーンが良すぎる映画3選
オーソドックスかつ突然ですが、ラストシーンが良すぎる映画3選を紹介しようと思いまーす。
やっぱりラストシーン重視の映画といえば、どんでん返しがあるやつとかになるとは思う。僕の人生初のどんでん返し映画は、映画ファンおなじみの『ユージュアル・サスぺクツ』だった。
母親に勧められて見てみたら、あの有名なラストシーンに衝撃を受けて、何度もエンドロールから巻き戻してみたことを覚えてる。
やっぱりどんでん返しっていいよね。でもなんかちょっとずるいじゃんね。そりゃあ面白くもなるよっていう。
とにかく映画の良し悪しを決めるのに一役買っている、映画のラストシーンというもの。今回は僕の個人的なお気に入りを3つ紹介してみようと思う。
1.ナッシュビル(1975)
アメリカの映画監督、ロバート・アルトマンの傑作。
この俳優、『M★A★S★H マッシュ』を監督したあの人であるわけだけど、日本では一般的な知名度はめちゃくちゃ低い。みんな!!アルトマンを見ようぜ!!
この映画、いわゆる群像劇と呼ばれるもので、複数の主人公が別々の時間・場面でいろいろな経験をするというもの。だから、一つの事件を複数の視点から捉えることができる。
有名どころでいうと、『桐島、部活やめるってよ』とか、『パルプフィクション』とかね。あとゲームだと『グランド・セフト・オートⅤ』なんかもそれに該当する。
この映画、群像劇ということに加えて、アメリカ南部のドロッドロの保守的な雰囲気が漂いまくっているのが面白い。
メインキャストに黒人がいないとか、南部でよく見られるようなクリスチャンの描写とか、とにかくいろいろある。僕のように中途半端な知識しかないと気付かないことも多いが、まだまだいろいろとあるんだろう。
そもそもこのナッシュビルという地域は、進化論を教えないとか、ゲイに悪い印象を持つ人が多いとか、性教育にめちゃくちゃ慎重とか、そういう要素が多く、リベラルな社会を望む人々にはめちゃくちゃ住みづらい街である!絶対に住めないな!!
僕はどちらかといえば、保守的な考えではないので、「聖書の教え的には、ゲイってアカンよね?」とか、「なんで白人のスポーツ(ラグビーとか)をアジア人がやってもいいの?」とかをなんの悪気もなしに、キラキラとした目で、ガッチガチな保守派家庭に生まれた子供とかに問われても、悔しいことに、「ほえー」としか言えないだろう。あまりに自分の価値観と離れすぎている。
あーそうそう、ラストシーンの話でしたね。
そう、この映画、群像劇が行われた後の、映画最後の30分間は登場人物一堂に会して、コンサートをする・見るというシーンなのである。
そこでは、とある有名な女性カントリー歌手が、客席にいた若者(男)に撃たれるという結末を迎える。これっていうのは、劇中のセリフでもあったけれど、アメリカでは誰もが銃を持っていて、誰もが誰もを殺せる。だからこそ、ただの無名な人間が、とんでもないことを犯すことができてしまう、という怖すぎるメッセージだと思うんだよね。
実際、ジョン・レノンを殺したのも、ジョン・F・ケネディを殺したのも、エイブラハム・リンカーンを殺したのも、オーストリアの皇太子夫妻を殺して、第一次世界大戦の勃発の引き金を引いたのも、なんでもないただの無名な男だったもんね。
でもまぁ、これだけだとめちゃくちゃ普通な映画みたいだ。
では、この映画の何がすごいかというと、その暗殺の直後に、とある無名な歌手(女性)がどさくさに紛れてマイクの前に登場して、観衆を沸かせ、ついにみんなに認められる歌手になって、ようやく終わるところ。
だってこれってありえなくないか?
普通さ、目の前で人が撃たれたら、歌なんか聞いてられるか?怖すぎてまずは逃げるでしょ。もしどれだけすごい歌が聞こえてきても、99%の人は走ってその場を立ち去るはず。当然でしょ。
じゃあなぜ、このシーンでは観客は逃げずに、その女性の歌に感動して終わったのか?
その謎にはおそらく、この「ナッシュビル」という街が密接に関わっている。さっき言ったように、ナッシュビルは保守的な街だ。カントリー・ミュージックの聖地で、伝統・聖書に縛られている。
同時にアメリカでもあるから、普通に人が目の前で撃たれてもおかしくはない。だから、映画のラストで歌手がとある客に撃たれて死んだ。
この客の殺害動機は最後まで明らかにならない。
よくわからない理由で人を殺すことの恐ろしさったらない。
そういう恐怖感がメタメッセージとして伝わってくるのだ。
それと同時にこのシーンには、やはり南部の保守的な要素が絡み合っている。保守的な雰囲気が一発の銃弾によって壊されそうになると、コンサートのとある参加者は、「だれか、歌い続けろ、」と、マイクを渡すために右往左往する。そして手渡された本人は、目の前で起きた殺人から逃げようともしない観客たちをついには沸かせてしまうのだ。
これってめちゃくちゃ皮肉的じゃないか?アメリカの銃社会っていう現実も描きつつ、南部の全く変わらない部分をアイロニーたっぷりに描いている。ほんとうに素晴らしいラストシーンだと思う。
2.ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー(2016)
これはスター・ウォーズ信者の僕が、劇場で見た2回目のスター・ウォーズ作品である。ちなみに1作目はエピソード7で、あまりの微妙な出来にマジで失望した。そのころは「スター・ウォーズはオワコン」とか母親に愚痴っていたぐらいだったが、この『ローグワン』を見た後から、「スター・ウォーズまだまだいけるじゃん!!」となった。
(ちなみに、そのあとに見た、エピソード8で、7よりももっと絶望して、「スター・ウォーズはほんとにオワコン、いいから早く終われ」とかまた言うようになってしまった。ちなみにちなみに、その後にディズニープラスでドラマシリーズの『マンダロリアン』を見て、「スター・ウォーズ、やればできんじゃ~~~ん(にんまりにんまり)」となった。
あーそうそう、ラストシーンの話でしたね。
この映画のラストシーン、映画館ではじめて見たとき、号泣したぐらいよかった。今でもあの感覚は忘れない。永遠の映画体験だ。
そもそもスター・ウォーズになじみがない人は、まったくもってわからないと思うので、ここで帰ってください(辛辣)
この映画のラストは、1977年に公開されたエピソード4の直前の出来事となっている。エピソード4の最序盤に登場する宇宙船が、『ローグワン』のラストに登場するし。
その連結の仕方がほんとうに見事なのだ。
エピソード4ではあまり恐ろしいと思わなかった(個人的にね)、ダース・ベイダーの恐ろしさがガンガン出てきて、マジで最高だ。
鑑賞する前は、「どうやらエピソード4の直前らしいぞ~」とは聞いていたが、ほんとにマジで10分前とからしいぞ。
兵士の衣装とか、銃の形状とか、おなじみの宇宙船とか、姫とか、、、
これらが出てきたときの興奮ったらなかったよね。
主人公たちがいる惑星が爆発して、みんなが悲劇の死を遂げた後の感動もさせる暇なく、エピソード4につなげてしまうっていう、、、(笑)
映画で彼らの偉業をどう取り上げようと、結局はジェダイとかにその栄光はむしり取られてしまうっていう、なんかシニカルな感じがすごく冷たくて僕は好きです、はい。
だって、主人公たちが死んだことなんて、レイア姫が出てきたとこらへんでみんな大興奮しすぎて忘れてるでしょ、どうせ!!
そうだ、はじめてローグワンを見た人のリアルな反応動画が、めちゃくちゃ面白いので、絶対見てほしい、、、
3.アメリカン・ビューティー(1999)
サム・メンデス監督にとって、はじめての映画監督作品。
メンデス監督は、タイタニックの精神的続編ともいえる『レヴォリューショナリー・ロード』、『007 スカイフォール』、『007 スペクター』、『1917 命をかけた伝令』なんかを監督した、素晴らしい監督である。ああ、メンデスさんよ、大好きだ、、、、、、
ちなみに、この「アメリカン・ビューティー」という名、アメリカ産のバラの一種である。このバラは映画の中で、「幸せな家庭」とか「エロス」みたいな意味を与えられているけど、長くなるのはここでは説明を割愛。
あーそうそう、ラストシーンの話でしたね。
もう説明するのが面倒なので、この映画のラストの、ケヴィン・スペイシー演じる、レスター・バーナムのセリフを載せてしまおうと思う。
この映画における、「美」を理解すればするほどこの言葉は深く響くものである。
この映画における「美」とは、「ただ、そのままに存在すること」である。(つまり、"Existing"ということ)
着飾ることもなく、嘘をつくこともない。自然のままの姿のこと。
それをうまく受容してしまえば、感謝の念だけが残る、と。
この考えって、僕が以前投稿したnoteにも書いたことなんだけど、そのままの日常を愛する、みたいなテーマはすごく重複しているからこそ、この言葉が僕はすごく好きだ。
このことは、主人公が命をかけて学んだ教訓であって、僕らはこの考えのすべてを完全に理解することは、生きている限りできないのだろう。
でも大丈夫、いつか理解できる。
以上です、どうでしょうか~~
僕は今までいろいろと映画を見ているけど、こういう皮肉めいたエンディングとか、あまりに壮大なエンディングがすごく好き。
やっぱり終わり方がよくないと、それまでどれだけよくても印象悪いし!
ちなみにですが、終わり方も最悪で、映画中盤の展開も、今まで見てきたすべての映画の中で一番最悪なのは、ぜっっっったいに『スター・ウォーズ エピソード8 最後のジェダイ』ですね。いらないシーンは満載、キャラクター描写も雑、終わり方もテキトー、ほんっっっとに最低だよっ!!!
また明日!!!!!!