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ハワイで死にかけた話 ③

 一昨日から、「ハワイで死にかけた話」シリーズやってます!
 
 昨日更新した、パート2はこちらから
 一昨日更新した、パート1はこちらから

 このシリーズもやっと終われるところまで来ました、、

 今日の話は、前回から数日後の話になります。

 突然ですが、みなさんが人生で一番怖い思いをした経験は何でしょうか、、

 狭いところに閉じ込められた??

 大きな犬に追いかけられた??

 たしかに全部怖い。すごく怖い。でも、

 俺が出会ったのも、なかなか怖い。



 事件当日、僕はアラモアナ・ショッピングセンターでいつも通り、ウィンドウショッピングをしていました。

 その日はたしか、母親にけっこう値段のする、ハワイ感あふれるバッグを買った日でした。

 「自分なりにはまぁまぁ奮発したけど、この旅行代も助けてもらったし、これぐらいはしなきゃな~」と思いつつ、そのバッグを手に入れました。

 それを買うと、用事も済んだし別のところに行こう、と思い、アラモアナを後にしました。

 アラモアナの駐車場を抜けた後すぐに僕は、「暇だし、海でも見るか~~」と思い立ち、ワイキキ・ビーチの方まで僕は歩き始めました。

 すると突然、軽快なヒップホップが僕の耳に飛び込んできました。

 おや??と思いつつ、あたりを見回すと、かなりガタイのいい黒人男性二人が少し前の方から僕の方に向かって歩いてきていました。

 別にこれ自体はいいんです。でもちょっと怖かった。

 これは人種の問題ではなく、自分より二倍、三倍と身体の大きい人が前から二人で横並びで歩いてきたら、ちょっとビビるでしょ。

 てか、音楽流しながら歩いてるだけですでに変な奴らだろうが。

 マジで身体がデカすぎて、彼らが歩道のほとんどを占めていたので、僕は彼らの横を通り過ぎる直前に、やむなく歩道から降りることに。

 彼らとすれ違うまで、あと、30m、、、


 なんか、二人のうち一人がこっちを見てる気がする、、、

 話しかけられたらどうすればいいんだろう、、、

 あいつらは日本のやばいおじさんとはワケが違うぞ、、、

 彼らとすれ違うまで、あと、20m、、、


 俺、今変な格好してないよな、、、

 変な服着てるから、見られてるのかな、、、


 彼らとすれ違うまで、あと、10m、、、


 俺はこれまでのインターンで、外国人慣れしたはずだ、、、

 彼らも同じ人間だ、、、

 外国人だろうと、怖気づいたらダメだ、、、

 変なことを言ってきたら、お前らよりは小さいけどなぁ、日本人ナメんなよ!!!っていう志で立ち向かわなきゃな、、、

 彼らとすれ違うまで、あと、5m、、、


 話しかけられたら、とりあえず、Hi ! って言おう、、、

 ここで怯んだら負けだ、、、

 変に絡まれても、堂々としてれば、大丈夫だ、、、

 大丈夫、大丈夫、、大丈夫、、、!!!


 彼らとすれ違うまで、あと、1m、、、


・・・


 外国人ニキ:Yo ! How's It Going ???


 俺:Oh, Yeah...

・・・


 お~っと、さっきまでの勢いどした~??


 おいおい、ついさっきまで、

変なことを言ってきたら、お前らよりは小さいけどなぁ
日本人ナメんなよ!!!
っていう志で立ち向かわなきゃな、、、

(引用:13行前)

 って言ってたじゃねぇか。

 てか、なんやねん、Oh, Yeah...て。

 ALTの授業初日か。


 などと、今となってはツッコめるが、当時はマジでこれが限界。


 急に話しかけられてビクビクしていると、彼らは僕に、

 Can You Take A Picture For Us ?


 と聞いてきた。

 え、、、


 Oh, Yes...


 もはや、"Oh"と、"Yeah"または"Yes"しかボキャブラリーがない僕は、そう答えると、彼らからボロッボロのiPhone 4sを渡された。

 1, 2, 3 !と言い、ちゃんと彼らを撮影すると、

 Thank Yooooou ! Goooood Jooooob !


 と、もはやGReeeeN並みの伸ばし感で、感謝をされた。

 すると、僕がiPhoneを返すや否や、彼らは突然、僕を取り囲んだ。
 

 あ、やばい



 人間、マジでビビると、何もできなくなる。

 
 彼らは僕のカバンの中を勝手に指で開いてのぞき込み、

 How Much Do You Have ?


 と聞いてきた。


 え、、、??

 まさか、、、

 これって、、、

 カツアゲ in Hawaii や、、、


 突然、子供のころに聞いた、母親の話が蘇ってきた。

 「お母さんが高校生の時はね、クラスにヤンキーの女子グループがあって、お母さんは、一番身長が高かったから、いつも狙われてたよ。

 その中でも一番偉そうな奴が、「なんぼある?」って言ってきてね。

 あんまりに怖くて逆らえなかったし、もし拒んだら放課後に校舎裏でボコボコにされちゃうから、よく財布の中身ごと取られてたな。今そんなことする人なんて、日本ではほとんどもう絶滅してるけどね(笑)だからタイガは大丈夫。



 母さん、、、

 どうやら、、、

 カツアゲはハワイに移住しているようです、、、


 だからタイガは大丈夫。

 だからタイガは大丈夫。

 だからタイガは大丈夫。

 という言葉が僕の頭の中で繰り返されていたが、どう考えても、今のこの状況は、全然大丈夫じゃなさそうだ。

 そして、僕は気づいてしまった。

 なんぼある?は、How Much Do You Have ? の忠実な日本語訳だ。


 どうやら、時代はあまり変わってなさそうですね、、母さん、、


 そんなことを考えていたが、彼らは本気だった。

 母の時代は、拒んだら校舎裏でボコボコだ、と言ってたが、

 この状況の僕の場合は、

 特に根拠もないが、

 脳天を銃で撃たれそうだ。(´·ω·`)


 これはマジでヤバイな。と思い、財布を見せるしかないと悟った僕は、カバンに手を入れ財布を取り出した。

 すると、彼らのうち一人が、僕の手から財布をもぎ取った。

 その無茶苦茶な振る舞いに、僕が呆気に取られている間、そいつは僕の財布の中を物色し、小さなため息をついた。

 すると、僕の財布を取った奴が、自分のカバンから何か大きな封筒を取り出して、中身を僕に見せた。

 その中を見て僕は気絶するかと思った。


 そこには、大量の50ドルと100ドル札をまとめたものが、十数個入っていたのだ。

 こいつら、これ全部、盗ったのか、、、?


 すると、そいつはそのうち一束を取り出し、僕にパラパラと中身を見せ、

 これみたいなお札ある??と聞いてきた。

 つまり、50ドル(約5,000円)と、100ドル(約10,000円)を持っているか、と聞いてきたのだ。


 え、なかったっけ?と思い、自分の財布の中を見ると、そこにはなんと10ドル札一枚と、1ドル札二枚しか入っていなかった。

 1,200円。ハワイで。


 なんでや、と思い、記憶を辿ると、すぐにその答えが浮かんだ。


 母親に買った、、やや高級バッグ、、、!!


 ここでまたしても母親が絡んできた。

 なるほど、、、そりゃ金ないわ、、、と思い、

 そいつらには、ごめん、金ないねん。と伝えた。すると、そいつは、

 Oh, OK. No Problem.


・・・


 ん???????


 ノー・プロブレム???????


 問題ない、っだと???????


 ここまでのテメェらの行動、そしてここまでの数分間のすべてが問題じゃい、、、


 マジで撃たれてもいいから、こいつにキレ倒したい。

 マジで周囲にどう思われてもいいから、怒鳴り散らしたい。

 マジで恨みかって、復讐のために命狙われてもいいから、この辺を歩いてる人たちに向かって、こいつの罪を明かしてやりたい。


 心の中では、こう思いつつも、その時自分は、

 Oh, I'm Sorry (´-ι_-`)

 

 マジで自分が、一番、腹立つわ。

 は?なんで謝った???



 どう考えても、こいつらが悪い。

 俺は絶対に悪くない。

 場所もショッピングセンターの目の前だ。

 時間も真昼。

 海外だし、たしかに完全に安全な場所と時間って言えるわけではないけど、別に自分以外にも、観光客の日本人が、俺らのやり取りの間にも、何組も通り過ぎて行った。

 俺が狙われたのは、運が悪かったのだ。

 ただ、やっぱり気に食わないのは、このやり取りだけだ。

外国人ニキ:Oh, OK. No Problem.

俺:Oh, I'm Sorry (´-ι_-`)


・・・


うがあああああああああああああ


あー腹立つ。あーーーーー腹立つ。


 僕が仕方なく12ドルを手渡すと、彼らはポケットからさっとCDを取り出して、僕に手渡してきた。

 は?と思いつつ、そのCDのジャケットを見ると、

  MC ○○

 と書いてあった。なにこれ??と聞くと、

 あーこれな、俺のCDやねん。お金くれたからあげるわ。聴いてな。


 え、宣伝??この期に及んで、宣伝、、??


 マジで意味不明すぎてドン引いた。

 人から金むしり取った上に、特にほしくもないCDをあげて、イーブンに持ち込もうとしてる、、??

 気に入らないねぇ。


 すごく気に入らない。

 お前がラップバトルに出て、日本のテレビ番組で取り上げられて、テレビのリモコンのDボタンでどっちがいいか投票できるようになったとしても、俺はお前には絶対に投票しない。

 お前が世界的に有名になって、ジャスティン・ビーバーと共演して、YouTubeにミュージックビデオ出して、1億回再生いったとしても、俺は10年間、きっちり毎日、お前のアンチコメントを書く。しかも世界主要言語の20言語で。

 俺がもし将来ハワイでタクシー運転手になったとして、お前が乗ってきて、目的地について、料金が51ドルで、お前が100ドル札一枚しか持ってなくて、それを出して、49ドルのお釣りをもらおうとしても、俺は、「いや、俺は50ドル札以上は持ってないんだよ~~wwwwwソーリー~~wwwwwwフ~~~~~~wwwwww」ってお前の目をまっすぐに見て、めちゃくちゃに煽ってやる。


 そんなことは当然、口には出せず、僕はほとんど一文無しで海に行き、夕日が沈むのを、ただただ見つめていたのだった



 以上が「ハワイで死にかけた話」シリーズでした!!

 いかがだったでしょうか!!

 ほんとはもう一つ、二つ、書きたいことがあったんですが、あのラッパーがマジでムカつくんで、長くなってしまいました。

 今回書けなかった話は、また別の機会に!

 今回はこの辺で終わりたいと思います!

 また明日!


 

 

 

 

 

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taiga
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