こいつは何をしているのか

いきなりこんな話で恐縮ですが、インターネットで得られる性関係の情報って、正体不明のものが多すぎないですか。こっちが真剣に悩んで必死に検索をかけているのに、根拠不明な情報があまりに多く、苦労して見つけた記事も役に立たないことが珍しくありません。これは本当にどうにかならないでしょうか。

そもそも、日本語で性に関する正しい知識にアクセスできないことが、これほど深刻な少子化を招いたのではないでしょうか。少子化は日本の一大問題です。将来の年金崩壊や地方衰退を食い止めるためにも、国民が総力を挙げて取り組むべき課題です。しかし、日本政府は子育て支援だとか、教育の無償化だとか言っていますが、そもそも男女が性交しないと子供って生まれないじゃないですか。つまり、育児や教育の支援の前に性交を支援しないと、少子化はいつまでも解消しようがないのです。僕は仕事中にいつもそのことを考え、日本の行く末を憂いてきました。

結局、僕は自分で性科学のことを勉強することにしました。学術ジャーナル検索エンジンのGoogleScholarを開き、性科学(sexology)に関するジャーナルを漁り、面白い論文を見つけたら、それを記事にまとめます。教科書が出ていたら、取り寄せて読み、日本語で紹介します。地道な活動ですが、これは日本が直面する少子化を解消するための一大プロジェクトといわなければなりません。日本人の誰もが簡単に性科学の研究成果を知ることができれば、全国で出生率が上昇し、ベビーブームが到来し、新たな景気の刺激策になるかもしれません。もし政府が僕の仕事に目をとめれば、内閣府に性交知識支援特別補佐官というポストを新設し、僕を抜擢しないとも限りません。

最初にお断りしないといけませんが、僕は別に科学者でもなんでもありません。自宅と職場を鉄路沿いに往復運動を繰り返す平均的な給与労働者です。昨年、彼女ができたことがきっかけとなり、性科学に興味を持つようになっただけの素人で申し訳ありません。医学や心理学に精通しているわけではなく、そもそも理系ですらありません。完璧に純粋な文系です。日本の国運がかかったプロジェクトを担うにしては、ずいぶん無能ではないかと賢明な読者の皆様は思われるかもしれませんが、その点に関しては僕もまったく同じ懸念を抱いていますからどうかご安心ください。

真面目な話に戻りますが、基本的にこちらの記事はいずれも学術論文の成果を踏まえたコンテンツとしています。研究者の皆様はよくご承知かと思いますが、アカデミック・ジャーナルの世界では、証拠のデータが間違っていたとか、分析の方法に問題が見つかったとか、さまざまな理由で論文が撤回されることがあります。そうすると、その論文に依拠して書いた僕の記事もネットの闇に葬り去られることがあります。どうかこのあたりの事情をあらかじめ了解しておいてください。もし広い心で僕のプロジェクトをご支援して頂けるのであれば、ただただ感謝しかありません。趣味的な調査とはいえ、海外の文献や論文を集めるとなると、資本金がなければ続けることができません。

最後に、日本の少子化を解決するには、より多くの男女の性交が必要であり、そのためにも正しい性知識の普及が欠かせないと主張し、僕の自己紹介を終わりにしたいと思います。ここまで読んでくださり、ありがとうございました!

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