「アラフォー独身、素人童貞。この先どうしたらいい?」
一時期「モテたいです」「ヤりたい」みたいな質問が質問BOXとかに来ていて、憤怒の心でBOXを閉じていったのですが、見つけてくださってありがとうございます。こういう、懸命に考えていて質問を書いてくださる方に、全力で答えたい。
気づけば同世代からどんどん自分だけ置いて行かれているようで、誰かに言われたわけでなくても、「こんなんじゃダメだ…」って一人で頭を抱えて、自信をどんどんなくしてしまう。私も30代なのでこういう「どうせ周りからこう思われてるんだろうな」「平均にすら追いつけないこの現状を、今更何をしても変えられる希望がない」みたいな、どこまでリアルでどこまで自分の妄想かわからないプレッシャーや焦りを感じていて(質問主さんが感じているかはわからないけれど)、男性であれば尚更、書いてくださったそれぞれの悩みの重さがすごいと思うんです。
これもう、質問主さんに答えるっているより、私が自分に言い聞かせてることをそのまま書き綴ります。「人と比べたら終わりだから、絶対に前を向くな」「同世代と同じ階段を上がれると思うな」のスタンスが、周りと比べて焦って疲弊した自信を一番育ててくれる道につながってる。
自信がない時って、とにかく周りに追いつきたくて、焦って「この一歩で追いつくんだ!」と高い階段を上がろうとしちゃう。とにかく恋愛するんだ、恋人を作るんだ、正社員になるんだ、とか目に見える成果みたいなのを求めてしまうから。だって安心したいじゃない、「ああ自分、とりあえず大丈夫だ」って。周りにも色々言われなくなるし、見下されなくなった気がするし。
でもこれって、驚くくらい逆の結果に終わる。根本的に無理ゲーを自分に課してるから結果は上手くいかなくて、さらに自信をなくす負のループに入っちゃう。そもそも現時点で周りに追いついてないってことは、仮に周りがLv.40だとしたら、自分はまだLv.20とかなんだよね。人間平等じゃないから、いろんな理由で遅れを取るよ。育った環境とか、病気とか、生まれ持った性質とか。どうしようもないじゃん。私は自分の性質と6年間うつ病で世間から離れてたから、多分社会的な年齢は20代とかそれ以下。世間的な、模範的な同年代と比べたら、悲しいくらい劣ってるとこしかない。
これをさ、一回認めるしかないんだよね。拒否反応がすごいけど。まだLv.20で、同世代よりいろんなことが出来ない。経験もない。みっともない。「そんなはずない」ってプライドが邪魔をするけど、Lv.20にLv.40のモンスターが倒せないように、いきなり同世代と同じ土俵に立とうとしても、自信ごとあえなく即死。ゲーム(現実)やる気なくしますわそんなん。
でもさ、Lv.40の同世代も、ちゃんとLv.20の時はそれ相応の敵を倒して地道にレベ上げして今があるんだよね。それをつい忘れちゃう。そこを通ってきてないのだから、屈辱かもしれないけど、というかかなり屈辱なんだけど、一旦Lv.20のフィールドに戻るしかない。若い人たちと一緒に肩を並べるの恥ずかしいって思うけど、その道はちゃんとLv.40のフィールドに通じてるんだよね。そこを通らなきゃ、レベ上げ出来ないし先にはどうしたって進めないんだ。
ゲーム好きなので、もしゲームの例えが分かりづらかったらすみません! でも、同世代と同じ一歩じゃないって、歩幅がそもそも違うって分かったら、同じ早さで歩けないことや、遠くに彼らがいることは当然のことなんだって思えると思う。そしたら前を見て遠い彼らと比べて焦るんじゃなく、今の自分の歩幅で、彼らがかつてそうしたように、自分も周りの景色を楽しみながら歩いて行こうって、初めて思えると思う。
例えば、恋愛の前に友達を増やしてみる。例えば、お店の女の子とセックス以外の時間もどうやったら楽しめるか考えてみる。行ったことのない場所へ行って、自分の世界を少しだけ広げてみるとか、もし自分が若かったらしたいと思うことをやってみる。青春したっていい。奇異の目で見られることもあるかもしれないし、何より自分が「いい年した大人がさ」とか言ってくるから、全力で戦う。私は今、そういう自分と全力で戦ってます。この夏、本気でカブトムシ採りに行きたいとか。「子どももいないおばさんがカブトムシ採りに行くとか本気か? 採ってどうすんのさ、何の得があるのさ?」とか否定の声を上げ続ける「大人ぶりたい」自分と戦ってる。負けちゃう日もあるけど、勝った日は楽しい。その楽しいを過ごせた日って、自分に自信が少し芽生える。人が怖いコミュ障だけど、少しだけ人と話すのが怖くなくなる。そういう時は「こんな自分も悪くないかも」ってちょっとだけ思える。
私が日々自分に言い聞かせてる話です。そして、質問主さんに伝えたいメッセージでもあります。自分だけの幸せとか、楽しい気持ちを、脇目も振らずに大事にしてみて欲しいのです。いろんなプレッシャーに焦って頑張るのに上手くいかない負のループを降りて、周りより遅くても、世間的な平均に届かなくても、今いる場所を楽しんで歩いてみて欲しい。じゃなきゃ、人生がもったいない。
焦りに負けちゃう日があってもいい。人生はたったの一回きりしかなくて、他人や社会が納得する模範的な生き方をするのが人生じゃないから。そうやって生きてるうちに、焦りの代わりに自信が少しずつ芽生えて、人と少し違うところも含めて、生き生きとしてる姿が魅力になっていく。性別問わず出会いも自然と増えていく。
質問主さんが求めていた答えじゃないかもしれなけれど、同世代がもう見ることの出来ない景色や感動の終わってしまった出会いなんかを、よければ各々一緒に楽しんでいきませんか。