【ミシンの豆知識】ミシンの歴史 家庭用ロックミシンbabylock(ベビーロック)編
こんにちは!ソーイングスクエア管理人です。
今日お届けするのは、久しぶりに【ミシンの歴史】シリーズです。
〈過去の記事〉は#ミシンの歴史で検索してみてくださいね!
さて、今回はロックミシンのシェアNo.1のbabylock(ベビーロック)さんの歴史を紐解いてみたいと思います。
babylock(ベビーロック)の歴史
babylockの歴史に触れる前に、まずロックミシンとは?というところから参りましょう♪
ロックミシンとは、生地の端がほつれてこないように縁をかがったり、伸縮性のある生地を縫い合わせたりするためのミシンです。
特に既製服では、端の始末は必要不可欠なものになります。
1957年(昭和32年)世界初の家庭用小型ロックミシンの開発
当時はまだ工業用のロックミシンしかなく、洋服を仕立てるテーラーさんでも、生地の端の始末は手でかがるしかなかった時代。
ものすごく時間と手間のかかる作業だったことでしょうね~
それを見た佐久間孝一という方が、木製の試作機を作ったのが、
世界初!家庭用小型ロックミシンとなりました。
ロックミシンの歴史のはじまり~
工業用のロックミシンしか存在しなかった昭和40年、史上初の家庭用小型ロックミシン 「MSロック」 を開発・発売したのが、株式会社鈴木製作所。
この小型縁かがりミシン「MSロック」を機に、家庭用小型ロックミシンが普及していくことになります。
その立役者となったのは、世界初の家庭用小型ロックミシンの木製試作機を作った佐久間氏でした。
佐久間氏はロックミシンの開発において欠かすことのできない方です。
ベビーロックのロックミシンがこれほどまで人気となった秘訣である「自動糸通し機能」や「自動糸調子機能」などの開発も佐久間氏によるものということですから、本当にすごい方ですよね。
babylock(ベビーロック)の歴史の始まり
昭和42年には、株式会社JUKIと販売契約を結び、本格的に家庭用小型ロックミシンの販売が始まります。
昭和43年には「まるで赤ん坊のように小さなロックミシン」という意味の名前「ベビーロックEF-205型」を発売。
それ以降、ベビーロックブランドとして家庭用小型ロックミシンは、全国のテーラーさんを中心に瞬く間に普及していきました。
日本の家庭用小型ロックミシンの歴史は、「ベビーロック」 の歴史ともいえますね。
ロックミシンの進化、より使いやすい機能の開発
ロックミシンは、その後3本糸ロック、4本糸ロックが新たに発売され、縁かがりだけではなく、巻きロックなどの飾り縫いや、ニット素材の縫い合わせなど用途も広がっています。
糸の本数が増えたことで、少し大変になったのが、糸掛けです。
1本ずつ時にはピンセットなどを使って糸を順番にかけていくのですが、
慣れていないと時間がかかったり、苦手な方も結構いらっしゃいますよね。
そういったお客様のニーズに応えて開発されたのが
「エアスルー (自動糸通し) 機能」
1993年 「エアスルー (自動糸通し) 機能」 付ロックミシン
BL55型衣縫人発売
空気の力で金属の管の中をヒュッと一瞬で糸を通すことができる機能です。
この発明は、数々の賞を受賞しているそうですよ~
この機能は本当に素晴らしいと思います。
糸掛けが本当に簡単にできます。
「オートテンション (自動糸調子) 機能」
1997年 自動糸調子機能(ジャストフィット)付ロックミシン
BL23型・25型 糸取物語 発売
エアースルー機能と並んで、ベビーロックの代表的な機能といえば、自動糸調子機能です。
縫う生地の種類や厚みによって、糸調子はその都度調整が必要です。
特に4本糸ロックミシンともなると、4本の糸調子を合わせないといけないので、縫い始めるまでに調整にかなりの時間がかかってしまうことも。。。
この「オートテンション (自動糸調子) 機能」が開発されたことにより、その手間がなくなり、初心者の方でも気軽にロックミシンを使うことができるようになりました。
この「糸取物語」と名付けられたロックミシンは、「自動糸調子機能(ジャストフィット)」と「空気圧ルーパー糸通し(エアスルー)」を搭載した製品として、その後もシリーズ化されています。
今では、ロックミシンといえば「糸取物語」というほど、人気を博しています。
ちなみに私が持っているロックミシンも「糸取物語」の4本糸ロックです。
当時、ミシン屋さんに進められるがままに購入しましたが、初心者でもとても使いやすいです。
なんの調整もしなくても、生地を挟んで縫うだけで、きれいに仕上がります。
本当にベビーロックの開発担当の方に感謝です♪
以後、より機能を向上させたロックミシンや、カバーステッチミシンなどさまざまな製品が発売されています。
2000年|オーバーロック・カバーステッチ複合機 BL75型 縫工房
2004年|カバーステッチ専用機 BL72型 ふらっとろっく
2009年|ハンドステッチミシン BLQK型 Sashiko
2015年|オーバーロック・カバーステッチ複合機 BL86WJ型 縫希星
2018年|空気圧針糸通し(エア針糸通し)機能付きロックミシン BLS-5型 Sakura
2020年|針糸に自動糸調子機能を搭載したカバーステッチミシン BLC-7J Kanade
ベビーロックのものづくりへのこだわり
・純日本製と品質管理
現在、ロックミシンを日本国内で製造しているのは、ベビーロックだけです。
全て山形の本社工場で生産されています。
メイドインジャパンの製品は海外においても絶大な信頼を得ています。
また、品質においても強いこだわりが。
部品一つひとつの検品から、組み立て、検査まで、すべて一つ一つ人の手で行われています。出荷するミシンはすべて検査し、試し縫いも薄地から厚手まで、糸も種類を変えて、いろんな機能を使用し、ありとあらゆる試し縫いをするそうです。
そこまでこだわってものづくりをされているとは、少し驚きました。
だからこそ、国内外において、ベビーロックのロックミシンが多大に評価されているのだなあと納得です。
今回はbabylockの歴史についてまとめてみました。
家庭用小型ロックミシンを世界で初めて作ったのがbabylockだとご存じだったでしょうか?
どのミシンメーカーさんの歴史を調べてみても思うのは、今使っているミシンは、過去の大勢の技術者さん達の開発努力の結晶だということ。
今後も、より機能が充実した使いやすいミシンが、開発されていくんでしょうね~
今後もミシンがどのように進化していくのか楽しみです。
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