佐世保
4月1日から地方都市のバスを使おうとしてはいけない。
高速船で着いた佐世保の街ではバスのダイヤ改正にスマホの情報が追いついておらず、時刻表が全く違う。
行先表示に「矢 峰」とだけ書かれたバスが2台連続で目の前を通り過ぎて行った。もう何も分からない、もうダメだ。
適当な便に乗って適当な場所まで行き、しばし徘徊して佐世保駅に帰ろうと住宅街のバス停に辿りつく。
当然全くわからない、というか本数が少なすぎる。右往左往していると突如、天啓を得た。
「佐世保駅ならもうすぐ"下"のバス停に来ますよ、"快速"だから速かですよ」
と通りすがりのおばさんに声をかけられる。
「下」?「快速」?と思いながらおばさんに連れられて狭い階段を下りるとそこには"SSK(佐世保造船所)バイパス"が通っており、バイパス用の別のバス停があった。
階段、隠されしバス停、造船所。panpanya作品の主人公にでもなったような気持だった。
程なくしてトンネルの向こうから「快速」バスがやってきた。
地方都市のバスは難しい。だからこそ面白い。