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エンジニアからプロダクトマネージャーに転職するので、やったことや評価されたことを振り返る

どうも、そろそろ実名で活動しようか本気で検討したい壮(@sew_sou19)です。

僕は2020年11月にエンジニアにジョブチェンジして、バックエンドエンジニアとして約2年半ほど働いてきました。エンジニアになってからしばらくは「これだ!エンジニアだ!もうこれ以外の職種なんて考えられない!」と楽しく働いていたのですが、1年半ほど経つと違和感を覚え始めました。

詳細はこちらに書きました。

キャリアについて内省したり、勝手にメンターと思っている方に壁打ちしていただいたり、カジュアル面談で多くの職種の方と話しながら徐々に思考と志向を整理し始めます。

その中で、一旦は「プロダクトマネージャー(以下、PdM)」という職種が自身の中で腹落ちしたため転職活動を行い、無事転職することになりました。

今回の転職活動において、評価されたことやそのためにやったことを振り返りたいと思います。


なお、実際の質問と回答例や企業分析した結果などやったこと全ては以下のnoteにまとめました。併せて読んでいただけると嬉しいです。

結果

まず期間の話で、カジュアル面談を含めると2023年2月上旬〜4月上旬(約2ヶ月)で動いていました。

■2023年2月上旬〜下旬
- 自己分析
- ひたすらカジュアル面談

■2023年3月上旬
- 企業の洗い出し
- 企業分析

■2023年3月中旬〜4月上旬
- 面接
- 内定

結果概要です。

- カジュアル面談20社
- 選考9社
    - 書類NG1社
    - 面接NG1社
    - 辞退3社
    - 内定4社

内定を頂いた4社の特色は様々で、会社規模はプレシリーズAのスタートアップからグロース上場のベンチャー企業、プロダクトはバーティカルSaaS・ホリゾンタルSaaSに始まりtoCアプリなど幅広い企業群でした。

特筆すべきは、選考に進んだ企業のうち面接でNGをもらったのは1社だけだったことです。辞退した企業を除くと4社/5社で、8割の打率でした。

カジュアル面談の重要性

ただこれにはカラクリがあって、応募する企業を絞っていたことが理由です。つまり、自分がマッチしそう・入社後のイメージが見える企業にのみ応募していました。

ではどうやって絞ったかというと、カジュアル面談です。

募集枠の要件を伺い知れたり、中にいる人(一緒に働くことになる人)の雰囲気や考え方を知ることができるため、企業HPなどネット上とは比べ物にならないほど情報を得ることができます。

「いきなり選考に進んで書類が通ったら面接」の場合だと、事前に情報を集めるのが大変ですし、そもそも入りたい企業なのかが曖昧な状態で面接に臨むことになります(そして面接を受けて「やめておけばよかった」となることもよくある)。

一方でカジュアル面談をしておくと、会社のカルチャーや働き方が事前にイメージできて企業のスクリーニングができますし、当然面接対策にも活かすことができてお得です。

転職活動を終えた今では「むしろカジュアル面談をしないでどうやって生の声や一次情報を取得して面接対策するんだ…?」と思うくらいにはなっています。

ちなみにカジュアル面談は以下の3経路を利用してました。

評価されたこと

次に評価されたことです。

オファー面談でのフィードバックやオファーレターの内容を抜粋して書きます。抽象化してまとめると以下です。

- コミュニケーション能力
- カルチャーマッチ
- 開発経験や情シスとしての経験

コミュニケーション能力

  • 相手に分かりやすく説明できる

  • 意図が全くずれずやり取りできる

  • PdMはステークホルダーとの調整が多いため、そこで活きると感じた

これらは面接の中で評価いただけたようです(嬉しい)。

PdMは、プロダクト開発をする上での中心人物です。自然と関わるチームや人が多くなるため、相手と円滑に意思疎通ができる力は重要視されていることを肌で感じました。

カルチャーマッチ

  • すぐ馴染めそう

  • バリューと共通点が多い

  • 顧客理解の姿勢や敬意をもったコミュニケーションが良いと思った

会社の規模に関わらず、カルチャー面は評価いただけましたし、重要な指標であると感じました。

JTCと称されるような大企業ならまだしも、メガベンチャーほどの規模感であればやはりカルチャーは大事にされています(ZOZOもそう)。特に、プロダクト開発の方針や雰囲気はカルチャーに紐づく部分が多いため、PdMがカルチャーマッチしていることは重要なのだと解釈しています。

ここが評価されたのは、企業分析を徹底しておこなったことも理由の一つですが、カジュアル面談を効果的に活用したことが最大の要因だと思っています。

開発経験や情シスとしての経験

  • 開発素養がある

  • 開発マネジメント(PjMに近い)経験

  • 情シスとしてヒアリング〜設計〜導入〜効果検証の経験があること(Why Whatに近い)

これまでやってきた経験も、適切に伝えることで評価いただけました。

プロダクト開発においてエンジニアリング知識は切っても切り離せないので、その領域を専門的に行なっていたことは評価されやすかったです。現に、PdM(業務委託)としてジョインしている現場では開発経験が存分に生きています。


また、そのほかにも評価いただけたポイントは以下です。

  • 柔らかいコミュニケーションで人当たりがいいこと

  • 仕事しながらプログラミングの勉強をして、メガベンチャーにエンジニアとして転職したこと

  • 自己理解に時間をかけ、自身のキャリアを客観的に考えた上で合理的に判断できていること

アピールしたこと

先述した評価を得るにあたって、職務経歴書や面接内でアピールしたことです。

- ソフトスキル
- 志向性・ビジョンへの共感性
- 開発経験・PjM素養

ソフトスキル

PdM経験がない以上、採用のハードルを超える上でソフトスキルの訴求は欠かせないと思っていました。プロダクトマネジメントの仕事を理解し、その中で必要な要素を分解・抽象化して、自身が持っている素養と照らしてマッチするものをアピールしていました。

具体的には以下です。

  • コミュニケーション能力・言語化力

  • キャッチアップ能力

  • 客観的視点や視野の広さ・視座の使い分け

志向性・ビジョンへの共感性

ここは、プロダクトマネジメント経験の有無に関わらず重要な要素だと思っています。志向性が会社やプロダクトとズレているとお互い不幸になると思いますし、ビジョンに共感していないPdMが開発を引っ張る現場も不幸になると思います。

僕の場合は、基本的な志向性は持ちつつも、企業に応じて話す内容は変えていました。

  • ユーザーの課題解決を手触り感を持ってやりたいこと

  • ユーザーの課題を深く理解し、ユーザーファーストを重要視したいこと

  • 「やらなくていいことをやらなくていい世界」にしたいこと

開発経験・PjM素養

自身が持っている経験の中で、一番強くアピールしていた部分です。

当たり前ですが、PdMには開発に関する知識が求められます。一方で、開発を行ったことがない場合、その知識の習得が最も難しいとも言われています(トライアングルの中で1番身につけるのが大変なのがdev)。

プロダクトマネジメントトライアングル

また、この図の中にもある「Project Management」もPdMの重要な仕事の一つです。時には頭を悩ませ時には人間関係に悩まされながらもプロジェクト進行を行なった経験は、間違いなくどの現場でも活かせます。そのため、その経験があることもアピールしていました。

  • 上流(要件定義など)からの開発経験があること

  • プロジェクトマネジメントの経験があること

  • 単に手を動かすだけでなくステークホルダーと合意形成まで行っていたこと

余談:「共感」というワード

カジュアル面談から面接・オファー面談を含めて「よく使ってたな〜〜」と思うのが「共感」というワードです。

意識的・無意識的の半々で使っていたのですが、思い返すとよく出てきたなと。これは「ビジョンへの共感」にも繋がるのですが、PdMにとっては、課題に共感をする=自身も困った経験がある or 困っている人の気持ちが分かる、ということが重要だと思っています。

加えて、人とのコミュニケーションにおいても「共通点がある・共感してもらう」ことは仲を深めるのに役立ちます。

つまり「共感」というワードが、直接的・間接的に選考をうまく進めるための補助輪になっていたのではないかと考察しています。

これらの効果を狙っていたわけではないですが、結果的に今回の転職活動におけるキーワードになったと思っています。

やったこと

今回も職種転換だったので、エンジニアにジョブチェンジした際とほぼ同じことをやりました。

ざっくりは以下です。

▼自己分析
- 転職の軸の言語化
- キャリアビジョンの言語化
- 経験の棚卸し
- アピールポイントの整理
▼企業分析
- 軸とマッチするかを判断する
- カルチャーを知る
- 採用のポイントを推測する
▼面接練習
- 頻出質問の準備
- オウム返し、構造化、話す分量の調整
- カジュアル面談で話す練習をする
▼その他
- PdMの知識を最低限集める
- 自身の「理想のPdM像」を言語化
- エンジニア→PdMに転職した先輩方にヒアリング

具体的な回答内容や実際の企業分析を含めたものは別記事で書こうと思います(赤裸々に書いてるので有料になると思います🙇🏻‍♂️)。

(2023/09/27)↑書きました!


さいごに

ここまで読んでいただきありがとうございます。

転職活動は人によって行うべきことは異なりますし、ましてや正解はありません。今回書いた内容はあくまで n=1 でしかないのですが、それでも誰かの参考になればと思って書きました。

最後に、PdM転職にまつわる超個人的な所感を書いて終わりにしようと思います。


未経験からPdMになるにあたって重要な要素は3つあると思っています(ANDであればあるほど確度が高まる)。

  1. 開発経験

  2. KPIを抱えてそれを達成してきた(仮説検証サイクルを回して成果を上げた)経験

  3. 該当領域の深いドメイン知識

これらは、転職活動を通して実感したこともそうですし、現在すでにPdMとしてジョインしている現場で「3つともなかったら何もできないな」と肌で感じたことから思っています。

また、加えて感じたのは「PdMに職種転換したいのであれば、まずは自社プロダクトでやるべき」ということです。社内異動であれば(ある程度のハードルはあるものの)、信用資産もありますし何より該当のプロダクトに対するドメイン知識が貯まっているはずなので、活かさない手はありません。

かくいう僕は、開発していたプロダクトにPdM職がなかったため外に出ることを決めましたが、会社や待遇に不満がないのであれば社内での職種転換が最も再現性が高いと思いますし、バリューが出しやすいと思います。


PdM自体は比較的新しい職種で、まだまだ世間的な認知度は低いのです。一方で、守備範囲が広範に渡っていたりキャリアパスが無数にあったり、そもそも課題解決の最前線でもありとても魅力的な職業だと思っています。

pmconfなどのイベントも楽しいし良い方も多いので、職種自体も盛り上がったらいいな〜〜と。みんな、PdMになろうぜ!!!(誰)


転職活動をしてアウトプットしたいことがたくさんあるので、またnoteで言語化していくと思います。その際は読んでいただけると嬉しいです。

感想等はTwitterでいただけたら泣きます。

ではまた。


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壮|Masato Tanaka
自身のキャリアで得た知見について言語化しています。執筆活動の励みになります!