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エンジニアからプロダクトマネージャーへ転職する際に行った自己分析と企業分析と面接での回答例と

割引あり

どうも、実名顔出ししたので仕事で関わった方には積極的に絡んでほしい、壮(Masato Tanaka)です。

2023年2〜4月に転職活動を行い、無事2023年7月からプロダクトマネージャー(以下、PdM)として働くことになりました。

評価されたことやそのためにやったことの振り返りは、下記をご参照ください。

この記事では、実際に企業分析や実際の面接での僕が回答していた例を書き殴ろうと思います。具体的には以下を書きます。

・行った自己分析(何を言語化したか)
・実際に選考を受けた企業の分析情報
・面接でされた質問とその回答例

エンジニアからPdMに転身した人は数多くいれど、その転職活動の際に何をどのような準備を行ったか、どんな質問をされてどんな回答例があるのか、という情報はあまり世に出ていない印象です。それを書こうと思っています。

転職活動に臨んだことがある方なら共感いただけると思うのですが、転職活動の準備や活動そのものはとても精神的負荷が高いです。負荷の要因は、参考になる情報が少なく「こういう回答で大丈夫かな…」という不安を抱えながら取り組むことが大きいと思っています。

「あ、こういう答え方していいんだ!」「この答え方もあるんだ!」を知ることでその不安が少しでも解消されることを願って書いています。


では早速見ていきます。まずは行ったことを羅列します。

0. 事前準備
0-1. PdMの知識を最低限集める
0-2. 自身の「理想のPdM像」を言語化
0-3. 現役のPdMとカジュアル面談する
1. 自己分析

1-1. 転職の軸の言語化
1-2. キャリアビジョンの言語化
1-3. 経験の棚卸し
1-4. アピールポイントの整理
2. 企業分析
2-1. 軸とマッチするかを判断する
2-2. カルチャーを知る
2-3. 採用のポイントを推測する
2-4. 企業分析の例
3. 面接練習
3-1. 頻出質問の準備
3-2. 面接のコツを押さえる
3-3. カジュアル面談で話す練習をする

0. 事前準備

まずはPdMに対する解像度を高めます。
PdMが何をやっているのか、どういった働き方をしているのか、という点を知らないと面接でうまくアピールできませんし、そもそも話になりません(なんでPdMになりたいの?でつまずきますw)

実際に僕が解像度を高めるために行ったことと、これを読んだらある程度解像度が上がる、という話をします。

0-1. PdMの知識を最低限集める

以下あたりは、なんとなくでも話せるようにしておきたいです。

・プロダクトマネージャーの責務は何か?
・具体的にどのような業務を行うのか?
・プロダクト開発における周辺知識

プロダクトマネージャーの責務

「プロダクトマネージャーが何をするか?」を端的に言い表せますでしょうか。僕は、現時点でも端的には表現できません笑

エンジニアであれば責務はある程度明確なので、「システムを開発する人」「コードを書く人」などの表現ができますが、プロダクトマネージャーは責務が曖昧なためそうはいきません。

どれくらい曖昧で責務が広いのか分かる図が、有名な「プロダクトマネジメントトライアングル」です。

プロダクトマネジメントトライアングル

原文を翻訳された記事もあるので、初めてこの図を知った人はぜひ一読することをおすすめします。

この「プロダクトマネジメントトライアングル」の概念を雑にサマり、かつ超主観的考えを付与すると以下が言えそうです。

  • PdMの役割は組織やフェーズによって異なるため一概には言い表せない

  • チームにおいて、不足するトライアングルの機能を補うことが責務の一つ

  • 仮説検証を行いながら、プロダクトを成長させることが重要な指標の一つ

PdMの責務をさらに個人的に言語化をするなら、「該当の領域におけるビジョン(こうなっていたらいいなという未来)を描き、その実現のためにプロダクト開発を推進する人」だと思っています。

実際に現職でもビジョン実現のために、課題を抱えるユーザーにヒアリングを行って仮説検証を行ったり、データを分析してファクトを集めて企画を練ったり、限られたリソースの中で何を優先するかを意思決定したりしています。

プロダクトマネージャーの業務

責務が広く曖昧であることや、組織によって役割が千差万別であることはある程度理解できたかと思います。とはいえ「じゃあ日々は何をやっているのか」の例を挙げます

・プロダクトビジョンの制定・ブラッシュアップ
・成功指標の定義と追跡
・開発ロードマップ / 事業ロードマップの策定
・価格設定と収益モデリング
・ユーザーヒアリング
・データ分析
・企画立案(新機能開発、既存機能の改善、UIUX向上)
・製品機能の優先順位付けと、その理由のステークホルダーへの伝達
・プロダクトや機能の要件定義
・画面イメージ(ワイヤーなど)作成
・プロジェクトマネジメント

一旦ざっと挙げましたがこれ以外にもまだまだやることはあります。属している会社やプロダクトのフェーズや求められる責務によってもやることは異なるので、本当に網羅するのが難しいです。

一方で、プロダクトのフェーズごとにやるべきことはある程度言語化されてきているので、それらの資料を共有します。

プロダクト立ち上げフェーズでPdMが行うことがかなり具体的に言語化されているのはこの資料です。

上記以外でも、フェーズや事業形態によってPdMが何をやっているのかを書いている記事は多くあります。気になったものから読み進めるのがおすすめです(一気に全部は読めないので徐々に)

他にもあれば随時追加していきます。

プロダクト開発における周辺知識

これも担当するプロダクトの規模やフェーズによって大きく異なります。

例えば、「ZOZOTOWN」ほど売上をあげている巨大プロダクトであればTAM/SAM/SOMは1人のジュニアPdMがそこまで意識することはないです(意識しなくていいというわけではない)。

一方で、スタートアップに身を置いていたり、メガベンチャーでも新しい領域で新規プロダクトを立ち上げるなど場合には、それらの市場感を無視して企画を進めるわけにはいきません。

つまるところ、プロダクト開発における周辺知識は多くあり、それらを今すぐ網羅する必要はないものの、徐々に知っている知識を増やしていく必要があります。

TAM・SAM・SOM
CPF・FPF・PSF・SPF・PMF
PLG・SLG
vSaaS・hSaaS
MRR・ARR
ARPU・CPA・ARPA・CAC・LTV

ここに書いたのはほんの一部です。比較的網羅的に知りたい方は、こちらの本がおすすめです。


0-2. 自身の「理想のPdM像」を言語化

ここまで書いてきたように、情報を集めるとPdMが何をやっているのか、どんな働き方をしているのかある程度解像度が上がってきます。

それと同時に「こういう働き方が理想だな」「PdMとしてこんなことがやりたいな」という指標も自身の中にできてくると思います。

「toBは業務課題に深く入り込む必要があるから、難易度の高い課題解決ができそう」
「toCは多くのエンドユーザーに使ってもらえるし、自分が携わったプロダクトを家族に使ってもらいたい」
「ホリゾンタルSaaSはどの企業も抱える課題を解決できるから、自身の仕事の成果を大きく感じられそう」
「特定の業界課題をバーティカルSaaSによって解決することで、業界を大きく変えるようなインパクトを出したい」
「立ち上げフェーズでタスクに追われながら本当に多くのことを経験したい」
「既存プロダクトを改善するために課題に深く潜って難易度高い課題を解決したい」

トライアングルの3要素のうち、どこかに特化してスペシャリスト的なキャリアにするのか、全体が満遍なくできるジェネラリスト的なキャリアにするのかなどイメージしやすくなると思います。

その上で、以下あたりを言語化するとより解像度が高まります。

  • どんなドメインで

  • どういった事業形態で

  • どのようなフェーズの

  • どんな課題を解決するのか

  • なぜそれができるPdMになりたいのか

0-3. 現役のPdMとカジュアル面談する

これまで紹介してきた記事や本を読むことでもPdMに対する解像度は高まりますが、最も効果的なのは実際に働いているPdMの方と話すことです。

僕も書籍やWeb記事で集めた知識だけでは解像度は上がりきらず、8名ほどの現役PdMの方とカジュアル面談をすることで、具体的なイメージを持つことができました。

PdMはその特性上、相手に配慮したコミュニケーションを常に行ったり説明が上手い人が多いので、安心して飛び込んで大丈夫です。

カジュアル面談にあたっては主にMeetyやYOUTRUSTを使いました。
僕と話すことに興味あればめちゃくちゃウェルカムなので、ぜひ以下からご連絡ください〜(note見た、とお伝えいただけるとめっちゃくちゃ喜びますw)


【余談】

この記事は一部有料ですが、下記のツイート(ポスト)をリツート(リポスト)するとお得に読めます。


1. 自己分析

プロダクトマネージャーについての粗々の知識を得たところで、具体的に転職活動の準備をしていきます(実際には情報収集と並行的に準備を進めるのがおすすめです)。

1-1. 転職の軸の言語化

僕はまず「どうなっていれば転職が成功と言えるか」を言語化しました。目指すべき理想状態(=目標)を構成する要因はいくつかあると思うので、それを洗い出し、それぞれのWhy・Whatを考えます(プロダクトマネジメントみたい)。

僕の今回の転職の軸は以下でした。

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