シェア
よちよち歩きの物書き
2022年7月28日 05:21
夏男は思った。この会社は向かない。あ〜あ、こんなにも身体中に纏わりつく鬱陶しい暑さと、水気を孕んだ青い高い空と、ジージージージーとまさに騒音以外の何物でもない蝉の大合唱と、圧倒されるような巨大な壮大な入道雲が憂鬱に感じるとは。こんな日はアイスクリームが売れるのだ。次の日は納品数も増え、配送店舗も増え地獄と化す。話を聞けば夏が好きという社員は誰ひとり居ない。声を揃えて「夏?ああ、