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ヨルシカ『晴る』に出会う

ヨルシカとの出会いを書こうと思いましたが、記憶が新しいうちに『晴る』との出会いをしたためておくことにしました。
書きながら「したためる」は「認める」と書くことを知りました。
きっとnoteを始めてなかったら知らないまま(忘れただけ?)だった表現に、なんだか得をした気持ちです。

得をしたと言えば、YouTubeで歌詞を添えて新曲が公開されるのがとても贅沢だと思います。公開時にMVがないのも、純粋に音楽を楽しめるスパイスです。

『晴る』

私は自分の好きなものを純粋に楽しむことしかできなので、レビューとか考察とか、そういうのは頭の良い人に任せてしまって、心が震えた瞬間を素直に認めることにしました。認める。早速使ってみました。

はじめての視聴を思い出して、あの時感じたことを『晴る』を聴きながら、思うままに綴ります。読みにくい文章も、きっとこれは私の興奮の証だと、あまり手を入れずに残してみようと思います。

前奏。ビブラートを効かせたギターが気持ち良くって、語るように始まる歌声に、どこか『夏の肖像』の影を感じる静かな立ち上がり。
ー『目を閉じては夕暮れ』
というヨルシカらしい表現に、
ー『あなたの目はビイドロ』
思わず想像してしまう、お洒落な表現。
リズムもメロディーも歌声も跳ねるようで、胸が高鳴ります。
ー『晴るの匂いがした』
文学的な表現に、晴れ独特の匂いが蘇り、一気に盛り上がるサビの歌声は、珍しくビブラートを織り交ぜた圧巻の表現力。
また新しい物語の主人公に出会ってしまいました。
ー『降りやめば雨でさえ 貴方を飾る晴る』
なんて素敵な言葉でしょう。私もこんな言葉を、表現を、想いをもてるようになりたい。
そして間奏で気づきました。この歌、裏拍を刻むリズムが気持ちいい!
ー『目を閉じては青色』
いったいどれだけ青を使った表現を持っているのでしょう。
ー『今すこし雨の匂いがした』
さっきまで晴れていたのに雨が降り始めて、
ー『降り頻る雨でさえ 雲の上では晴る』
もう雨の中でも希望に満ちた言葉が生まれて、心が震えます。
ー『土を打つ音よ鳴れ』
土砂降りですら気持ちいいし、もっと降れ!とまで思ってしまう。この瞬間、私は物語のなかにいました。
そして思わず可愛いと呟いてしまったギターソロ。
直後にたった一音のピアノの音。
頭の中で曇り空が魔法みたいに晴れ渡りました。
ー『胸に春乗せ 晴るを待つ』
春と晴るが入り乱れ、
ー『空よ裂け 裂いて春のせい』
咲くは裂くに。
ああ。この歌を聴くみんなに歌詞をみてもらいたいな。
歌ももう終盤。
歌詞を追う目に『さぁこの歌よ凪げ!』の詩。感嘆符までついた主人公の叫びが、何かのきっかけであることを感じて胸が跳ねます。
転調するの?
ギターだけになるの?
ささやき声になるの?
そんな私の期待を他所に、演奏だけが凪ぎ払われ、そしてこれまで以上に力強い歌声だけが響いて・・・
ああ。どんな天気でもきっと晴るはあるんだな。
4分31秒は、晴れに曇り、小雨、土砂降り、雨上がり、いろいろな景色を描いて、私はずっと空を、晴るを見ていました。


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