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デ・キリコと時間を止めること

5月の下旬にデ・キリコ展行ってきたのをここに記録するのを忘れていた。別のところに書いたけど、ここにも貼っておく。
最近の人気美術展は、土日は事前予約でありがたいね。ゆっくり見れる。


作品をいくつかと、BUCK-TICKの「形而上流星」のジャケ写のモチーフで知っているだけだけど、面白かった。

ピカソみたいに長生きして制作期間の長い芸術家は作風が幅広くなりがちで、その過程を見るのも楽しい。

キリコというとシュルレアリスム全開だと思ってたけど、古典主義に傾倒した時期もあったし、「ルノワールの影響を受けた」という作品の解説に「いやいや、ルノワールみたいなタッチや人物画は描かないじゃん笑、どっちかいうとベタ塗りじゃん笑」って思ってたけど、「ちゃんとルノワールの影響受けてる…!」って思った絵もあったり。彫刻や舞台美術もやっているとは知らなかった。


シュルレアリスムは人間の心の中の不安や憂鬱などの心象風景を描く、ということで、キリコの絵にも現実を超越した遠近無視の静物の組み合わせを描いているものが数多くあるけど、私としては「人間の余韻」を感じさせるものが心をざわつかされて好きだな。

「バラ色の塔のあるイタリア広場」のように「人物は見えないが影だけはある」とか、「マヌカン」シリーズみたいに「ひとの形をしているのに表情はない」とか。

こういうのにざわつかされると、「人間は、人間(または人間的なもの)を見ると、それが生身の人間であれ人物画であれ、無意識に相手の表情やどんな人間かを読み取ろうとしてしまうんだなぁ」と思ってしまう。読み取ろうとする表情や身体が見えないから不安になるんじゃないかな


しかしキリコの形而上絵画、1910年代ってことは、ブルトンのシュルレアリスム宣言より10年ぐらい前だし、ダリとマグリットもそのあとなんだなと思うと、かなり先駆者なんだな…あらためてこの辺の流れをざっくり掴んで驚いた。


ところで、美術館に行くのが好きなんだけど、絵よりも解説ばっかり見てしまうな〜とか、もうちょっと知識あればもっと面白いのかな〜とか思って、ときどき美術関係の本を読んでいる。この数年で読んだのはこのへん。あくまでざっくり掴んで、面白くなればいいなって感じ。




あと現代美術は現代思想がわかるとより一層いいなと思って。


産業カウンセラーの試験勉強したときに、フロイトとかユングとか心理学者については勉強したけど、もうちょっと現代哲学の系譜と考え方がわかるといいなと思って読んでいる…が、あとちょっとのところで読了してなかった。最後まで読み終えよう…


以下、関係あるようなないような。
この対談よかった。

本を読むのも美術館で絵を見るのも「時間を止める」ことなんじゃないかな。私もSNSのタイムラインは追わなくなった。あとリツイートもだいたいオフにしてるかな…相互さんが引用で感想述べていらっしゃったり、言及したりしてたら見に行ったりするけど。リツイート元そのものは全くの赤の他人の投稿なので…。


開いたときに偶然目に入ったものとか興味持ったものを詳しく見る方が自分には向いているし、何より主体性を持って情報と付き合いたい。最近はそんな感じです。

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