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雲の形-頭巾雲(ずきんぐも)等
「頭巾雲って知っていますか。」と聞くと、多少天気に興味を持っている人は、大概こう答えます。
「写真やイラストで見たことはあるけど、実際に見たことは無いな~。」
確かに空に関する図鑑には、はっきりとした形の頭巾雲の写真が載っていますが、私も見たことはありません。
で、調べてみると、かなり荒れている空に現れるようで、かなり不気味な積乱雲の写真とともに、その雲の頂上付近を覆うように帽子の形に現れる雲を指すようです。が、実は子供のころに見た理科の図鑑とは全く違った形の雲を「頭巾雲」と表示してありました。
それは、ネットで出てくる頭巾雲とは似ても似つかない形で、筋状の雲を囲むように細長い雲が大きな円弧を描いているものでした。子供の目から見たら、この形の方が、実際に頭巾をかぶった形に似ていますので、納得しやすくそれで強く記憶に焼き付いたのです。
イワシ雲とうろこ雲の違いもまた、分かりにくいかもしれません。
実は、これ、見かけだけの印象で名前が付けられた節があり、文字通りイワシ雲はその姿形に似ているものですが、そのそれぞれの形が大きめになると、今度はうろこ雲と呼ばれます。
そして、さらにもう少し大きくなってくると、ヒツジ雲と呼んでいます。
この雲の順に雲の一つ一つが大きくなっていくわけですが、それは空気中の水分が増えてきているためにこのような形になるのです。
ということは、雨になる方向に天気が進んでいることを示します。
こういった、空を観察して気象の変化に結びつけるようなことを、観天望気と言いますが、昔の人・特に漁師さんは、「あそこの岬に雲がかかっていたから、今日は午後からの漁は中止だ。」みたいに、地元ならではの天気予報ならかなりの確率で言い当てることができる人が大勢いました。
でも、今は空の現象をしっかりと毎日観察する人は極端に減ってしまいました。それどころか、台風の接近すら知らなくて、「今日は風も雨も酷いですねぇ。」なんて頓珍漢なことを言って、失笑を買う人の数が増えているんです。スマホ漬けの弊害ですが、自分の命にかかわることもあるので、せめて天気には興味を持ってください。ニュースサイトと天予報ぐらいは毎日チェックしましょうね。
その点、空に興味を持って見ている人たちは、「雨が降っているけど、空が高くなってきたから、もうすぐ止むね。」「風が変わって冷たくなってきたから、雨が近いね。」というような判断ができるのです。
皆さん、空を見ましょう。(気象予報士の資格を持つ石原良純さんもそう言っていましたよ。)