地震の説明

今年は元旦の大地震から始まって、結構あちこちで揺れています。昨日も四国で震度6弱の地震が観測されました。
最近の気象庁の発表の傾向として、「今後一週間以内に、最大で震度〇.〇クラスの揺れが来る可能性が有りますので、ご注意ください。」

次に、その原因の説明は、こんな感じです。
「日本は複数のプレートの上に乗っており、それぞれのプレートが沈み込むときに、ぶつかっているプレートを引きずり込みます。引きずり込まれるプレートが、歪みに耐えきれなくなって、跳ね返ると断層地震が発生します。」といったようなものですね。

これを、大きな地震が起きる度に、ほぼ似たような解説が繰り返されています。この解説の仕方って、何かに似ていると思いませんか。
そう、火事の報道です。
「どこそこの工場で、昨夜未明火事が発生しました。現場は…………で、消防車が〇十台出動し、〇時間後の〇時〇分に鎮火しました。警察と消防で、火災の原因を調べています。」

もう一つ、強盗殺人事件の報道です。これも、最後は、「警察は、〇さんと知人との間で、何らかのトラブルがあったのではないかとして、調査を進めています。」

そう、報道していても、中身がない原稿なんですね。
それをもっともらしく読み上げれば、一丁上がりってわけです。

地震の報道で、もう一つ特徴的なのは、発生直後のアナウンスです。
あらかじめ、大きめの地震が発生した時のアナウンス原文が有り、それに、震源や震度、マグニチュード・津波などの情報を、繰り返し繰り返し短い言葉を何十回も読み上げるのです。

かなり、非人間的な労働を感じさせる部分です。
でも、報道する立場としては、情報が全然入ってこない時点でも、注意を喚起し続けなければならないという使命を追っています。
しかし、この繰り返しの部分は、テレビを見ている側も苦しさを感じ取ります。

また、実際に揺れが始まった映像が配信されると、今度は短い映像がこれまた何回もリピートされます。
そうこうしているうちに、各地の被害状況が次々に入電しはじめます。
そうしてオキマリの気象庁の会見が始まるわけです。

東日本大震災のクラスとなると、ひどく少ない情報下であっても、ニュース枠では特集を組んで、局が総力を挙げて「この地震に取り組んでいる。」ふうを演出しなければなりません。

そうこうして時間を稼いでいる間に、緊急招集された局の看板アナウンサーが駆け付け、ようやっと画面の落ち着きを取り戻し行くのです。

多少皮肉っぽく現場を描写してみました。

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