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ジェットエンジン今昔
まずは、B-52の離陸のシーンからご覧に入れていますが、昔の動画なので精細さに欠けるのは勘弁してください。
さて、ここで何が気になりましたか。いろいろ解説する前に、次の写真もご覧ください。
![](https://assets.st-note.com/img/1707494716224-DPtPSl29vf.png?width=1200)
さて、この2枚の写真を見比べて、何に気が付きますか。
注目すべきは、排気の色です。B-52の排気は灰色っぽい色をしています。
今、こんな飛行機が飛んできたら、なんて汚いんだ!と思うことでしょうが、この時代はそうは取られていなかったんです。
勇壮たる爆撃に離陸のなんと力強い事でしょう・・・と、当時は受け止められていたんです。それでも、この機体のエンジンは初期型より燃焼効率を上げたTF-33に換装されたものなので、排気の色は薄くなっています。
初期の型はP&WJ57だったので、排気の色はほとんど黒に近いものでした。その頃の編隊離陸のシーンでは、飛行場の周囲が黒く澱んだ空気になっていたものです。黒いということは、燃料が完全燃焼していない証拠です。
ジェットエンジンの形式もターボジェットでしたから、燃費はかなり悪いものでした。その後、ターボファンのTF-33に換装したので、燃費も良くなり、排気ガスの色も灰色になってきました。
かたやもう一枚の写真は、最新ターボファンエンジンを搭載した787-9です。排気の色はもう見えないくらい薄いですね。それだけ燃焼効率が上がっているわけです。しかも、バイパス比は10を超えるところまでになっています。ロールス・ロイス製トレント1000かGEnx-1Bを搭載していますが、いずれも燃費向上のために様々な技術を投入し、開発されてきたエンジンなので、燃費はB-52とは比較にならないほど優れています。
ところが、B-52の延命化を図るためエンジンを換装することになりました。そのエンジンがロールス・ロイス・ノース・アメリカのF130に決まりました。このエンジンの出力は現在のTF-33と同程度なので、エンジン数は8基と変わりません。もっと大出力で4基にもできるのですが、機体の強度などのバランスを考えての決定だそうです。
これで、排気ガスの綺麗なB-52が飛ぶ姿を見られるのですが、兵器なのであまり手放しで歓迎するものでもありませんね。
ともかくも、これで空を汚す機体が減ることに関しては、喜ばしいと思います。
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