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天気図を書こう

NHK第二ラジオで16時から20分間放送している天気に関する言葉のデータ放送です。

この放送の存在を知ったのは、中学2年の夏休み前の理科の時間でした。
「ラジオでこんな放送をやっているの知っているかな。放送を聞きながら、天気図を描けるようになると、とっても便利なんだぞ。」

その時、どういうわけか自分もやってみようという気になっていました。
早速、大きな本屋兼文房具屋に行って、「NHKラジオの第二でやっている………」と全部言わないうちに、店員が「あ~、有るよ。」ちょっと待ってて。」奥に行って、平たいスライドする棚を引っ張って、「これだよ、1枚2円。」その時ポケットには、100円玉一つしか持っていませんでしたが、躊躇うことなく「50枚下さい。」

勇んで家に帰り、ラジオの番組表をじっくり見て「天気概況」の文字を見つけました。「これだな。」あと少しで放送時刻になります。
放送が始まりました。目的意識が無くて、この放送を聞いたら、なんて無味乾燥なと思うでしょうが、天気図を描くための放送として聞く分には、なんて目的に特化した内容なんだろうと思います。

淡々と、地名を上げ天気、温度・気圧・風力・風向きなどを読み上げるのを聞きながら、その地名の所に書き込んでいくのですが、いきなり書き込めない人用に、その地名一覧が用紙の左上に印刷してありますので、そこに書き込んでから白地図上に再度書き込む手順です。

これは慣れの問題ですが、意外とすんなり直接かけるようになりました。
ただ、等圧線を書くのだけはかなり苦戦しました。等圧線というのは、天気図に書かれているあのグネグネとした円が崩れたような線のことです。
東経何度・北緯何度と連続して読み上げるのですが、その場所を特定するのに時間がかかっていたのです。

でも、どうにかこうにか放送を聞きながら書き終えることができるようになると、不思議なことに天候の変化に対して勘が働くようになってきたのです。にわか雨も意外に当てることができましたし、台風の進路も、テレビの予報よりも正確だったことが何度も有ります。

勿論、この年の夏休みの自由研究は、この天気図の束を出して、「やったね!」となりました。
そして、さらに効果が有ったのは、自分で放送を聞いて描くことをやめてしまっても、新聞の天気図を見るだけで、結構、正確な予報ができるようになっていたのです。

この文章を読んで、もし興味をお持ちになったら、ぜひ、ラジオを聴きながら天気図描きに挑戦してみてください。

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