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SONY BCL-1st

うわ、懐かしいと思ったかた、年代がすぐばれますね。
そう言っている私もそうですが、SONYが仕掛けたBCLブームは、日本語海外放送の多局化の時期と重なって、一大ブーム以上のものになりました。松下(現、Panasonic)、東芝、三菱が競って、高性能な短波ラジオを発売し、秋葉原の専門店の店頭には、これらのメーカーの製品が、玉石混交状態で展示されていました。

最初の内は、バーニヤスケールで完全にアナログ形式の表示部分のままの、所謂、昔のラジオが多かったのですが、半デジタル化された製品が登場するとキャッチコピーも「10khz 直読」「10/2KHz直読」など、直読精度の向上をうたい文句に、ついには完全デジタルの商品が、高額で発売されるまでになりました。

特に、SONYのワールドゾーンシリーズの最上機種では、気象情報を受信して、それをFAXのように印刷する機能を搭載するものも現れました。
型番もCRF-320となり、ワンランク上を感じさせます。

私が保有しているICFシリーズの写真をお見せします。

ICF-5800


ICF-6800
ICF-2001D

とくに、このICF-2001Dはソニーとして相当力が入っていたらしく、テンキ―入力で実行キー(Execute)を押すと、一発で選曲できる優れものとしてアピールする一台でした。
そして、発売してから、数か月後、ラジオの前面パネルに「自分のネームプレート」を貼るサービスが登場しました。
その少しあと、このラジオについて語り合う座談会が設けられるといった熱の入れようでした。
しかし、このころすでにブームは下火に向かっている時期であり、あまり盛り上がりませんでした。特に、高額な製品でありながら、スライドボリュームのパーツは安い物らしく、いわゆる「ガリオーム」だったのが、製品に水を差しました。

ガリオームと言ってもピンと来ないかもしれません。要は、ボリュームを上げ下げするときに、接点がざらついていてスライドさせるたびに「ガリガリ」という音を立ててしまうパーツのことです。
ヘッドホンで聞く人には、当然ながら酷評されてしまいました。
商品コンセプトと気配りの無いコスト至上主義が戦ってコストは勝利をおさめ、結果的に販売数が伸びず敗北者となった典型的な例です。

技術屋と販売サイドの丁々発止の現場が想起できますね。

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