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事業承継から成長拡大を目指す、社長室の役割とは?【ポストコンサル】

セブンリッチグループで活躍している社員にインタビュー。今回は社長室の濵砂 円郁さん。メガバンク・戦略コンサルに勤めた先に、セブンリッチへのジョインを決めた理由とは。2023年に事業承継した「マル勝髙田商店」のPMI責任を担う唯一無二のポジションの面白さ、そして今後の展望についてお話を伺いました。


noteに登場する社員

濵砂 円郁(はますな・まどか)
福岡県出身。新卒で三井住友銀行に入社し10年間勤め、その後ボストン・コンサルティング・グループに転職。2024年4月にセブンリッチグループに入社。現在は、社長室マネージャーとして事業承継した奈良の老舗そうめん企業「マル勝髙田商店」のPMIを担当しています。

■ マル勝髙田商店の代表取締役社長・髙田 勝一さんとの対談記事はこちら


メガバンクからコンサルへ。
キャリアの原点と「目指す姿」


── 濵砂さんは新卒で三井住友銀行に入社したとのことですが、はじめに金融系のキャリアに進んだ理由をお伺いしたいです。

濵砂:
父が金融機関で働いていたことから、小さな時から憧れみたいなものがありましたね。なので、就活をはじめた時に自然とメガバンクが浮かびました。同時に不動産や海外貿易にも興味があったのですが「銀行に勤めれば、色々な職種や事業との関わりを通して多角的にビジネスを学ぶことができそうだ」と思ったんです。

銀行では法人向けの融資を2年間担当、その後は為替リスク管理の専門部署に異動しました。デリバティブという為替変動リスクなどを軽減する商品を扱うなど、海外の大規模プロジェクトに関わる企業のリスクヘッジを支援したりしていました。国際的な金融取引の最前線で働けるのは、とてもやりがいがありましたね。

── 銀行に10年勤めた後、コンサルに転職をしようと思った理由はなんですか?

濵砂:
銀行を退職した際、改めて自分の「将来のなりたい像」を考えたんです。その姿と、当時のスキルとのギャップに危機を感じたのが大きな理由ですね。

銀行では若手時代から大型案件の担当に抜擢されるなど面白い打席に立たせてもらいながら、同期最速で昇進を重ねる出世コースを歩んでいましたが、自身のスキルを高め、それらを活かしながら自分の名前で仕事をしていくのをゴールにしたいと考えました。

その一歩として、明確に自分の不足している技術や、経営的な観点を身につけるためにBCGへの入社を決めました。


学生時代の友人が繋いだ、
セブンリッチグループとの出会い


── コンサルは2年ほど勤めたとのことですが、転職しようと思ったきっかけはなんですか?

濵砂:
BCGで、自分が得たいと思っていたスキルを一定以上身につけられたという達成感がありました。BCGって、企業から高い報酬を得て、短期間で価値の高いアウトプットを出すんです。それができるのは、企業の課題をしっかり分析して、的確な解決策を考え出す力があるからなんですよね。

自分もそういった「BCGクオリティ」のサービスを提供できるようになったと手応えを感じたんです。企業の本質的な課題を掴んで、効果的な打ち手を提案する。そんなハイレベルな仕事ができるようになったという実感があったんですよ。

一方で、大企業to大企業の仕事でしたので、自分が会社にとって正しいと思ったことが100%表現できるわけじゃないという、少しのもどかしさも感じていました。3ヶ月のプロジェクト期間を終えた後、「やりとりしてたあの経営企画部長は笑顔になってるのかな」「本当に喜んでくれたのかな」と思っても、その後のクライアントの長期的な成果や喜びがどうしても見えづらかった。

加えて、BCGにいる限り「自分の名前」ではなく「BCGクオリティのサービス」がお客様に期待され続けるようになる。という矛盾を感じました。銀行もコンサルも、会社の看板があるから色々な人と会うことができたけれど、それは会社の名前があるからこそ成り立つ仕事でもあるなと。
なので、改めて「自分の名前で仕事をする」というゴールやキャリアを考えた時、更に次のステップに進む必要があるなと思いました。


── 当時、転職するにあたって、検討していたポジションや重視していたことがあれば教えて下さい。

濵砂:
ベンチャー系の事業会社で、経営企画のポジションを探していました。最終的なゴールは自分の名前で勝負して事業を起こして企業経営をやっていくことなので、まずこれまでで得たスキルを事業会社の現場で使ってみたい、自分の力がどこまで伸びたのか試してみたいと思っていました。


── さまざまな企業を受けるなかで、セブンリッチの話が出てきたのはどのタイミングですか?

濵砂:
実は8社ほどオファーをいただいたのですが、決めきれずに悩んでいたんです。学生時代からの友人であり、セブンリッチで別の事業責任者をしている豊福と食事する機会があったんです。

相談をしたら「セブンリッチは面白い仕事いっぱいあるから、1回うちきて話を聞いてみたら」と言われて。オフィスを訪問した際に、社長室長の浦田さんからマル勝の話をいただきました。

2023年にセブンリッチグループにジョインした、奈良の老舗素麺企業「マル勝髙田商店」


── セブンリッチ入社の決め手になったエピソードがあれば、お聞きしたいです。

濵砂:
決め手になったのは、M&Aで買収した地方の製造業のPMIをやるという唯一無二のポジションであること。あとは、ひとつの事業に閉じない活躍のフィールドがあるセブンリッチの特徴に惹かれました。

事業会社の経営企画では事業ドメインがその事業に限られる一方で、セブンリッチは30以上の事業を抱えている。加えて、これから事業を自分たちで作る・M&Aで買ってくる、など事業/経営に触れる選択肢の幅が広いし、グループ内起業をして自分でその選択肢を増やすことさえできる期待感もありました。

最終的に、ここなら自分の力を試せるし、成長もできる。そして、将来的には自分の名前で仕事をするという目標にも近づける。そんな可能性を感じたのが、セブンリッチを選んだ大きな理由です。


マル勝の躍進を担う社長室マネージャーの挑戦

── 今取り組んでいる仕事について教えて下さい。

濵砂:
いまはセブンリッチの社長室に所属し、経営人材としてマル勝にアサインされています。社長である髙田 勝一さんの右腕として、COO的な立場でマル勝のバリューアップを成功させるというミッションを担っています。

最初の仕事は事業計画を策定することでした。セブンリッチとしてマル勝のM&Aを検討する過程で、高田社長がM&Aを通じて実現したいことを踏まえた事業計画はあり、その共有は受けていましたが、PMIの責任者として、さらにはその後もマル勝を成長させていく経営者として、本気で実現を目指せる事業計画にしていく必要があると思っていました。

具体的に行っていったのは、高田社長が実現したい目標はなにか。それに対して、足元はどういう状態か。どのようなギャップがあるのか。ギャップを埋めるためには、何をすべきで、どのような計画に落とす必要があるのか......ということをひとつひとつ具体化させていきました。

このような仕事は、銀行時代やコンサル時代に向き合ってきたテーマなので、自分が高めてきたスキルを発揮できていると感じました。
「会社の事業戦略を最上流から描き直すところから関わることができる」という元々求めていた機会に向き合っていることを実感しながら、事業計画に落とし込んでいきました。


──逆に、これまでの経験が通用しない新しいチャレンジだと感じたものはありますか?

濵砂:
それはまさに、自分が描いた事業計画を絵に描いた餅で終わらせないためのプロセスです。コンサル時代は、顧客である経営陣に対して、納得感のある納品物を提供したら終わりでした。先ほども行ったように、実際に納品物がどこまで実現可能性があるものなのか、果たして実行されたのかというところは、最終的な顧客の顔や評価が見えづらいというもどかしさもありました。

マル勝においては、高田社長を納得させるためだけではなく、自分自身も本気で目指せるかという視点で事業計画を作っていきました。さらには、高田社長と自分だけではなく、現場メンバーも信じられる計画になっているか、そして計画で終わらないよう実行の部分までコミットできるかどうかを求められる点が、コンサルとは大きく違うポイントです。

もちろん、入社前から頭ではわかった上で飛び込んでいるのですが、頭で理解していることと、実際にやってみることの大きな差は、入社後に何度も直面しましたね。

髙田社長と一緒に詰めて完成させた計画を、営業部など現場に立つ方に伝えた際に最初の反応は今でも覚えています。実は現場からは「そんな計画無理ですよ」「1億の売上を作ることがどれだけ大変かわかってますか!」という言葉が口々に出てきました。

これまで業績が10年ほど横ばいのマル勝で働いていた人にとって、数年後に会社の売上規模を5倍、10倍にする計画を見せられたら、そりゃそういう反応も出るよな、と思います。

ただ、そういう計画を無理やり押し付けても成果にはつながりません。現場の人も本気で信じられるまで意識醸成を行い、その先の行動変容にも繋げていくことで、この計画を現実のものにしていくことができます。

現場の人と徹底的に議論をして計画を達成できると信じられる状態を作っていくプロセスこそが、何よりも新しい挑戦でしたし、コンサル時代では絶対に経験ができない領域だと感じました。


──そのような状況に直面した時、現場の皆さんを納得させるために具体的にどんなことに取り組んだか教えて下さい。

濵砂:
一緒に汗をかきながら計画を精緻にしていくこと、そして「やれる!」と信じられる材料をとにかく集めて伝え続けることです。

コンサル時代はどこまでいっても外部の人間ですが、マル勝は自分が身を置いている自分の会社です。同じ方向を向いている仲間だと理解してもらうためにも、とにかく営業の現場に同行して「本当に無理なのか?」を自分の目で確かめました。その過程では、現場の意見が正しいと感じるシーンもあり、そういう材料を見つけては計画に落とし直すプロセスを何周もしました

一方で、現場からはなかなか見えない、実現可能性を信じられる材料もたくさんあることに気づいていきました。目標を細分化して、行動レベルのKPIまでブレイクダウンしていき、それを現場と一緒にひとつづつ確認していくと、「最初は到底無理に思えたけど、意外といけるかもしれないですね」という反応が現場から生まれてきた瞬間はすごく嬉しかったです。

この計画を達成させるためには、現場との対話を重ね、自分自身も営業の最前線に立ちながら陣頭指揮をとっていく必要があると実感しました。
ただ、計画に魂を宿していく仕事こそ、本当の意味で経営者としての仕事だと感じますし、こういう打席に立つためにセブンリッチに飛び込んできたんだと毎日感じながら働いています。


──新しいチャレンジにおいて誰かに支えられましたか?

濵砂:
セブンリッチには事業の枠を超えて常に仲間に助けられていますし、何よりたくさんの頼れる専門家がいることが本当に心強いです。新工場の設立などはもちろんすべてが初めての経験ですが、プロジェクトオーナーとして、なぜ新工場を作るのか、どのようなインパクトを見込んで、どんな工場を作るのかをひとつづつ皆と議論しながら前に進めていく必要があります。

新工場は「奈良県三輪エリアの観光名所になるような工場にしよう!」というコンセプトに決めたのですが、設計会社・施工会社とのコミュニケーションのやり方ひとつとっても右も左もわからないことの連続です。

そんな時に、セブンリッチで空間プロデュース事業を担う「Cal」の真榮城さんという専門家が横にいて、背中を預けたり意見をもらいながらプロジェクトを進めていくことができるのはセブンリッチならではだと感じます。

それ以外にも、自社直営の飲食店運営については、Meatus(飲食事業部)がコンサルとして入ってくれており、責任者の藏石さん・竹下さんはじめ、チームの皆さんと店舗課題の改善や、新店出店の企画など、事業を伸ばすために様々な角度で議論を積み重ねています。

セブンリッチには、会計、税務、マーケティング、デザイン、栄養士など、いろんな領域の専門家が社内にいます。私自身、不動産や建築、飲食店経営の経験はありませんが、彼らの知見を借りることで、未経験のビジネスにおいてもハイクオリティなアウトプットを出すためのチャレンジがストレス無く出来ており、日々楽しさを感じています。


──セブンリッチに来てからどういう点が成長したと感じますか?

濵砂:
銀行やコンサル時代に感じていた以上の責任感のもとで、経営者としての視座が養われていく感覚がありますね。

また経営者として事業に向き合うからこそ、自分の仕事に線を引かずに、どんなことでも自分ゴトとして捉えるようになりました。やっぱり銀行やコンサル時代はどこまで行っても外部の人間なので、もしクライアントの業績が傾いても、「自分の生活が危ぶまれることはない」と、どこかで”自分自身”と”仕事”に線引きをしてしまっており、それが詰めの甘さに繋がっていたと思うんです。

今はマル勝の従業員たちとその家族の人生も背負うという覚悟が決まったからこそ、計画の細部まで実現可能性にこだわる様になり、一つひとつの意思決定にシビアになりました。改めてセブンリッチに来てから、最後までやり抜くという強い意志が芽生え、とことん仕事のクオリティにこだわるようになったと感じましたね。

とはいえ、計画達成に向けて「本当にすべてをやり切れているか?」と問われると、まだ課題はあると感じています。現在は、マル勝の事業成長のために自身でワークを設計して日々取組んでいます。

良い意味でセブンリッチは業務の自由度が高く、のびのびとやらせてもらえる環境です。でも、そこに甘えてしまっては貴重な打席に立たせてもらっている意味が無い。何より成果を出さなければ、髙田社長や従業員の皆に顔向けができなくなってしまう。なので、期限を定めて自分自身に目標達成のプレッシャーをかけて、よりシビアに結果を追い求めて、全てのことを徹底的にやり切るという意識をより高めていきたいと思います。そして高い山を登り切った暁には、今までに味わったことのない美味しいお酒を皆で分かち合えると信じています。


セブンリッチで成功するための柔軟性とチームワーク

── 他事業部との円滑な連携含め、いまのポジションで活躍するために、濵砂さんが意識したことはありますか?

濵砂:
「この人と仕事をしたい」って言ってもらえるような「チャーム」を出していくのが大切だと思います。

銀行員時代にさまざまな業種・立場のお客様とコミュニケーションをとること、コンサルの時には1〜3ヶ月という短期間で人間関係を築きながら仕事をやり切るということを繰り返してきました。1日目に「この人仕事できないな」「一緒に仕事したくない」って思われたら、もうその後の2〜3ヶ月間はヘルシーな関係が築けないんですよ。

だから一発目から相手の心をつかむことが絶対に必要なんです。この考え方が、新しい環境に入る時の人間関係の築き方にすごく活きています。

あとはスピード感のある情報のキャッチアップ。入社した月から全力で取り組むことが、一緒に働く人の安心感に繋がると思うので、最初の1〜2週間で事業解像度を徹底的に上げることも意識しましたね。


── 濵砂さんは入社早々さまざまな部署の方と親交を深めていて、チャームの重要性をとても感じました! そんな濵砂さんが思う「セブンリッチにマッチする人」について教えて下さい。

濵砂:
自分の仕事の領域を決めすぎない人ですね。決められたポジションや業務範囲の中で成果を出して満足するタイプの人はまず合わないなと思ってて。セブンリッチに合う人って「やりたいことどこまでも突き抜けてやっていこうぜ」って思える人かなと。

自分の仕事を「ここまで」と終わらせる人よりは、目的に沿ってチームでやってく、その上で自分が出来ることは全部やっちゃうよという気概がある人の方がセブンリッチの環境を楽しめると思います。

Meatus(飲食事業部)とコラボした、濵砂さん主催「そうめん二郎」イベントには多くの社員がかけつけました!


マル勝とセブンリッチが描く「100億円企業」への道のり

── 濵砂さんのこれからの目標について教えて下さい。

濵砂:
マル勝がセブンリッチのエースで4番バッター、大黒柱になることをを目指していきたいですね。そのためにまず、マル勝を100億円企業にすることを達成したいです。先日、奈良のオフィスでも宣言してきたんです。この言葉をマル勝の全従業員が信じられるように、そして全員の夢になるように、意識改革をしていくのが僕の仕事だと思っています。

また「100億」は単なる数字の目標じゃないと思っています。マル勝を通じて、従業員の皆さんの人生をより豊かにすること。そして、セブンリッチグループ全体の成長に貢献することも含めた目標でもあるんです。そういった大きなビジョンを持って取り組んでいきたいですね。

なにより、マル勝とセブンリッチでの経験を通じて、自分の力を最大限に発揮し成長していくことで、最終的には自分の名前で仕事をするという僕自身の「目指す姿」にも近づけると信じています。

濱砂さん、ありがとうございました!


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