プロセスを見せた方がいい時と見せない方がいい時
プロセスエコノミーということを最近考えるのですが、どんな時でもプロセスを見せることが吉であるという極論はさけたほうがいいでしょう。
こんにちは。稲本です。福岡でコミュニケーションや情報伝達に関わる仕事をしています。このnoteは毎日投稿していますが、このほかにもポッドキャストも配信していますので、よかったら覗いてみてください。
さて、先日お昼ご飯で立ち寄ったお店の話から始めます。そのお店で提供されているランチのメニューはカレーと親子丼なんですね。しかし、金曜日だけ親子丼が坦々麺に最近なってるんです。
気になった我々は、金曜日に食べに行ったんですね。僕らは始めてその日に行ったのですが、一部のお客さんの中で何度か金曜日に来ている人がいたみたいだったんです。
そのお客さんが食べ終わって支払いに行ってるときにふとした会話が聞こえました。
「先週と少し変わりましたね」
「はい、今週は少し〇〇を入れてみたんです」
「なるほどぉ、美味しかったですよ」
「ありがとうございます、まだ試行錯誤中なんでまた来週もお願いします」
これを聞いたときに、をいをい!と思いました。まさにプロセスエコノミーじゃないかい!と。未完成をきちんと販売し、そのおいしくなっていく過程を販売してる状況を目の当たりにしたのです。
このお客さんは間違いなくファンになっています。この店長を応援している状況だと思います。これはすごく面白い状況ですよね。
未完成品を売るなんて!と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、これがいわゆるバーベキュー型の商売の仕方というものだと思います。
目の当たりにしちゃいましたね。
変わって、自分の仕事において。非常に短納期の映像コンテンツの仕事があり、クライアントへの確認において途中の段階で見せたメンバーがいました。
過程を早めに見せるおことで逆に前に進めたいという一心だったのですが、この場合は功を奏しませんでした。
具体的には、その途中を完成に近いものだとクライアントが勘違いしてしまったのです。これは間違いなくコミュニケーションミスが端を発しているのですが、このパターンはプロセスは販売できない状況です。
では、この違いはどこでしょう?
例えばBtoBという状況であったことが考えられます。どうしてもBtoBという状況ではプロセスエコノミーは稼働しないと思った方が良さそうです。
そして何より今回わかったことは、これです。
プロセスエコノミーに乗せようと思ったら、過程という状態でもクオリティの高いものにしていないとダメだ
とうことです。
プロセスのどこかということです。冒頭の坦々麺の件は、すでにある程度の形になっている。だからプロセスに乗せたとしても、ちゃんと機能するわけです。しかし、後半の話は、まだプロセスに乗せることができるクオリティではなかったとうことに他なりません。
今世間巷で言われてるプロセスエコノミー。簡単に捉えていては評判を落としかねません。プロセスとして見せて良いものかそうでないものか・・一度きちんと整理したほうがいいと思います。
もちろん、そこには「ブランド」というものがどう作用するかということも忘れてはいけません。
ちょっとタイムリーではありますが、近日中にプロセスエコノミーの本が出るようです。
発売前からベストセラーということは多くの興味がそこに集まっていることがわかります。書籍の中にはどんなことが書いてあるか・・というのはありますが、僕が書いたように、プロセスエコノミーに乗せることができるかどうかきちんと整理しておく必要があります。