「これ」という表現をやめることがコミュニケーションにとって大切だと思う。
コミュニケーション、特にオンラインのコミュニケーションが増えてきたことにより伝え方が難しくなってきたように思います。
伝達の距離が生まれる言葉がある
不思議なもので、同じように画面上ではあるものの相手の顔をみて、画面共有などで同じものをみているのにも関わらずなぜか対面でやっているときよりも伝わりにくいと感じることは多々あると思います。意外と電話でしゃべっているほうがピンとくるときすらあります。
事実僕自身も、相手との距離感がインターネットというバーチャルな空間では近いところにいるものの、実際の距離感を感じざるを得ないシチュエーションは数回どころじゃなく数多くあります。
そんな時でも、出来るだけ伝えたいと思うのが人間です。しっかりとした説明をする中でついつい使ってしまう言葉があります。その言葉が「これ」です。お互いに同じものをみている状態であるが故に使ってしまう「これ」ですが、この言葉が伝達の距離を生んでいると思っています。
「これ」を無くそう
「これ」というのは、いわゆるこそあど言葉全般を今回はさしています。以前も指示語の危険性については書いたことがある(はず)なのですが、僕はこの指示語というものがコミュニケーションの齟齬を生んでいると思っています。指示語が指示するものが多くの場合、正確には違うことが多いと思っています。
オンラインのプレゼンテーションをみていると、資料の一部を「これ」という言葉で示す際に、マウスカーソルでその要素のあたりにカーソルを持ってくるというをよくみます。これは例えばオフラインのプレゼンテーションでレーザーポインターでさしている動作と似ているのですが、どうもオンラインとオフラインの「これ」は様相が異なるよう思えてなりません。
先にも書いたようにオンラインの「これ」は距離を生んでいるように思うときがあります。「これ」をなくして、どう説明するかと言うと
・左の画像
・太字で書いているメッセージ
・売り上げ数値
というように、仮に具体的なものでなかったとしてもスライドの中での位置関係を明言するのほうがマウスカーソルで「これ」というよりもいい気がしています。
オンラインの「これ」は「どれ?」になる
「これ」を使ってしまうと、意味が曖昧になることは言うまでもないのですが、それと合わせて、オンラインでは意外と「これ」は聞いている側を惑わせます。「これ」と言われると「どれ?」と思わせてしまうような気がしています。どうもそこが不思議なのですが。。。
「どれ?」と思わせてしまうことは瞬間的であれ相手を迷子にさせてしまいます。そうするとプレゼンテーションの軌道修正を行わないとボタンの掛け違いがおきてもしかたありません。
プレゼンテーションはなるべく迷子にさせないような工夫が必要です。オフラインでは大きな問題ではなかった「これ」がオンラインでは重要な要素になってしまうことを最近感じています。
指示語は可能なかぎり省こう
今回は「これ」にフォーカスを当てましたが、指示語は厄介です。指示語の厄介さはオフラインでもありますが、オンラインだと余計に厄介です。きちんと伝えることをしたいのならば、可能な限り指示語を省いたシナリオをつくりましょう。
そして、指示語がしゃべっているとふと出てしまうことがあるかもしれません。その時には、すぐさま説明を加えるなどして「どこ?」にならないように心がけたいと思います。喋っているときに気づくかどうかという話は、以前記事に書いていますので、そちらもよかったらどうぞ。
いずれにしても、コミュニケーションにおいて指示語は便利で厄介なものだと最近つくづく感じています。
という話でした。