【妊娠の記録13】とにかく前向きに
過去を振り返って書いています。
2024.4.3(25w4d)
年度が変わって4月。
職業柄新しい季節、新しいメンバー、新しい役職。
産休まで1ヶ月半ということもあり、七奈ちゃんの状態のこともあり、これまでは専科で音楽を教えていたのと、個別で指導する時間を5コマ持っていたのだが、4月からは1年生のサポートという仕事だけになった。
なので、入学式までの準備期間も、1年生の担任のお手伝いをちょこちょこっとしたり、引き継ぎをしたりしているだけだったので、健診のための休みは取りやすくなっていた。
また、このご時世、妊娠した教員の代替が見つからない、という話はよくあるのだが、運がよかったのか、管理職が頑張ったのか、4月から代替教員が来ることになっていたので、私の業務が減っても、他に迷惑をかけなくて済むということがありがたかった。
さて、この日の健診は、産婦人科の健診と、心臓エコーの健診と2つの予約があった。
まずは、産婦人科。
いつものように丁寧に見てもらい、七奈ちゃんは、このとき頭位に戻っていて、大きさは800gを超えていた。
やったぁ、大きくなっている!
と心の中で思ったが、主治医の先生が
正常に大きくなってるけど、脈が77回とゆっくりになってきてしまいました。
と言ってきた。そして、それだけではなく、
腹水もたまってきています。
と言ってきた。
もし入院するとなったら、仕事休めますか?
いつまで仕事をする予定なの?
と聞いてくる、など先生の様子もいつもと違っていた。
何かあったら、仕事はなんとでもなると思います
と答え、
また日にちをとって、改めて説明させてもらえますか?
と言われた。
そうか、この場では、赤ちゃんの様子は詳しく話せないのか。気になる。
そんな気持ちのまま、次は心臓エコー。
心臓エコーの先生もじっくり七奈ちゃんの心臓を30分くらい見ていた。
脈拍がゆっくりになっているのが気になりますね。
あと、大動脈の弁狭窄は、重症の可能性が高いですね。
と言葉数少なめに言っていた。
先生と夫と相談し、説明は2日後の午後にしてもらうことにした。
気になって仕方がなかったので、その週に入れてもらえて安心した。
健診の後、会計待ちをしていると、夫が
何もかもうまくいかないなー
と言った。(夫はこの数日前に、家の前で転び、靭帯を損傷していた)
私は、
そんなこと言わないで。まだわからないじゃん。お腹の赤ちゃん、すごく一生懸命頑張っているんだよ。
と言い返しながら、涙が少し出てきた。
そうだよね、ごめん。
夫が言った。
うまくいってないなんて思いたくなかった。お腹の赤ちゃんは、今日も楽しく生きようと頑張っている。お腹の中で確かに動いている。心臓に病気があったとしても頑張っているんだ。
そう思っていた。
そして、
きっと、入院して治療する、とか何か方法があるんだよ!大丈夫だよ!
このときの私たちは、そう前向きに考えようとしていた。
ちょっと長く入院することになる不安とかはあったけど、とにかく早めに管理職に話して、仕事は何とかできるようにしておこう、と次の日、早速職場で、もし何かあったら、休むことになると思います、と伝えた。
大丈夫、きっと大丈夫。
お腹の中で大きくなって、手術して治るから。
ちゃんと生きていける。
そう信じてやまなかったし、それ以上の想像力は、私たちにはなかった。