【ななちゃんのお産③】

前回までの記事はこちらです。


2024.5.8(30w4d)
子宮内胎児死亡から6日目、入院から2日目

子宮頸管に何か挟まっている感覚には慣れ、前駆陣痛程度の陣痛は、夜中何度かやってきたが、それでもまとまって3時間くらいは眠れ、朝を迎えた。

朝食も食べることができた。
朝食は、パンだったけど、できればご飯がよかったなーって思った。ご飯じゃないと、力が出ない。。。

この日の朝食

さて、いよいよ、今日、促進剤を打って、ななちゃんに会えるんだろうなと思った。

ななちゃんにも、

すんなり出てきてね。早く会いたいな。

と声をかけていた。

看護師さんが、しばらくシャワー浴びれないだろうから、と朝食後にシャワーを浴びることを提案してくれた。

シャワーを浴びようとすると、先生が!

あ、シャワー浴びてからにしましょうね!

と言って出て行った。

シャワー浴びて、診察に向かうと、子宮頸管拡張剤を出す処置をした。

少し痛いですよー。

確かに、抜く時も、ヒーッ、イッ。。。と声が出るくらい痛かった。でも、全てとれたら、スッキリ。ふーっ、よかった。そう思った。

子宮口は、4センチ開いてますね。これから、点滴を使って陣痛を強くしていきましょう。

内診もして、陣痛はなんとか4〜5分間隔できているような感じだったから、これから、強まってすぐ産まれるのかなぁ?なんて思った。

9時過ぎごろ、入院の部屋からLDR室に移った。初めて、病院の出産の部屋。意外と広くて、馬みたいに乗れるユラユラするやつ(名前わからない)もある。分娩台も初めて。あー、これが、生まれてくるときに、形が変わるベッドなんだー!と思った。

看護師さんが、

音楽かけましょうか?オルゴールくらいしかありませんけど。

と言ってくれたので、かけてもらうとそれは、「ひこうき雲」だった。

GW中に夫と何度も聞いた、松任谷由美の「ひこうき雲」

ななちゃんが白い坂道で空まで駆けていってしまったことを想像しながら聞いてた、「ひこうき雲」

あー、こんなところにも「ひこうき雲」があるなんて。ちょっと嬉しくなった。ジーンとした。

前日、病室で折り鶴の続きを折っていたら、看護師さんと主治医の先生が

私も折らせてもらってもいいですか?

と5枚折り紙を持っていってくださった。その持って行った5羽を看護師さんが作ってきてくれた。丁寧に折られていて、とても嬉しかった。

主治医の先生も5羽作ってきてくれた。

いやー、折り鶴意外と難しかったです。旦那さんに謝らないとなー(うちの夫が折れない話をしたら、先生は笑っていました)

でも、先生の折った折り鶴は、さすがお医者さんと思うくらい、とても端まで丁寧で綺麗だった。


そして、担当の助産師さんが入ってきて、点滴の準備をしてくれた。助産師さんも折り紙で、数枚鶴を折ると言ってくれた。その助産師さんは、

助産院で出産されたんですよね。助産院は、助産師さんが付きっきりでいてくれますよね?それほどは無理かもしれませんが、今日はなるべくここにいるので、何かあったら、なんでも言ってくださいね。

とっても親切で親身になってくれる、優しい気さくな方で安心した。

お昼は食べられますかね〜
早ければ午前中、少なくともお昼過ぎには産まれるかもしれませんねー

誰もがそう思ってた笑

オキシトシンの点滴を開始した。まずは極少量から。1時間に12ml?のペースで開始。30分ごとに12mlずつあげていくそうだ。

すでに5分間隔くらいの陣痛は来ていたし、ドカーンと痛いのがくれば早いかもしれない。

ドキドキしていた。

オキシトシンといえば?
愛情ホルモン?
赤ちゃんを愛しいと思うことで、増えるホルモン?おっぱいが出るために必要なホルモン?
それを人工的に注射するのか。

私の頭の中には、これまでの子育ての中で得た知識が頭を巡っていた。


あー、オキシトシンも誘発分娩だと、自分の力じゃなく人工的に打つのね。。。


なんてことを考えていたと思う。

とはいえ、オキシトシンの効果で子宮収縮してもらい、陣痛がついて出産しなければならない!と思って、すごくドキドキしていた。

夫が10時過ぎにやってきた。

調子はどう?
まだまだ余裕そうじゃん?

と夫は呑気に話す。いやいや、それでも5分おきくらいに、多少は痛いんだよ、なんて思いながら。
でも、夫が来てリラックスして、楽しい気分にはなれた。

夫は

赤ちゃん小さいし、(私は)薬使うの初めてだしさ、きっとよく効いてすぐに出てくるよ

なんて話していた。

主治医の先生も何度も顔を出した。

どうですかー?
まだまだ余裕そうだね〜

と。昼ごはんも食べられそうなので、昼ごはんも普通に用意してもらい、いただいた。夫も、病院の食堂で食べてきてもらった。

促進剤の点滴は初めてで、点滴すら記憶の中にある経験は、初めてで(小さい頃に一回だけやった、と母が話していた)、点滴の注射が入ってるのか、入ったところの痛みがあるのかどうなのかわからなかったので、途中、液が漏れてて?腕が腫れてしまった。

気付くの遅くてごめんなさい!

助産師さんに謝られ、別のお医者さんにもう一度、もう片方の手で入れてもらい、点滴再開。

主治医の先生が、いつもと違う手術の格好して入ってきて、

どうですか?
まだ大丈夫そうね!
これから、手術があって1時間半くらい来れないから、その間に何かあったら、〇〇先生が来てくれるから言ってねー

と言って出て行った。産婦人科の先生は、手術もあるのか!なんかすごくカッコいいな!本当にそう思った。

陣痛は、強まって入るものの、4分間隔があまり変わらず、痛みも生理痛強め、我慢できるくらい程度だった。

助産師さんにも何度か腰をさすってもらうも、あの産まれる瞬間の「お尻が割れそう〜」みたいな痛みはまだやってこない。

化繊でできた、スカスカのパジャマみたいのを着せられていたので、それで冷えてしまって、陣痛も進まないのでは?と自分なりに考え、足湯を用意してもらったり、馬に乗って揺れたりもしてみた。

足湯も、助産師さんがアロマオイル垂らしてくれて、足もマッサージしてくれて、とても気持ちよく、病院でもこんなことをしてもらえるのかとありがたかった。

さて、主治医の先生も、また手術後に、手術の格好のまま、様子を見に来てくれた。(本当ずっと気にかけてくれてて、ありがたかった)

え?まだ来ない?
痛みは強くなってるのよねー?
でも、まだ落ち着いているねー。

と話して、雑談などしてまた出て行った。

点滴も120mlの一番多い量まで来てしまった。(ここまでやらないでも、産まれる人はいるって言ってたのに)

でも、陣痛は強まるけど、最後の波は来ない。

夫もちょっと拍子抜け。
早く来すぎたかな、なんて話していた。

いつ陣痛が強まるかなんて、誰にもわからないし、経産婦それも4人めだし、誰しもが読めないんだよな、と思った。

結局、夕方になっても、陣痛は強まらず、主治医の先生と相談し、夜は一旦点滴は外して、休むことになった。

最後に先生が内診した。

5センチね〜

え、こんなに痛みに耐えたのに(まだ我慢できる程度ではあったけど)朝から1センチ広がっただけか。。。

なんか少しがっかりだった。

その後も5分間隔くらいの痛みが続いていて、点滴が終わっても、その日最高くらいの痛みが続いていたので、LDR室で少し様子を見ることにした。

夫は、子どもたちのお迎えがあるので、一旦帰ってもらった。

夕食もLDR室で食べ、9時ごろに別の助産師さんが迎えに来てくれて(この方は、ななさんという名前だった)、一度落ち着いたタイミングで部屋に戻った。

5センチ開いているから、子宮頸管拡張の処置はとりあえずしなくていいことになり、夜は陣痛に耐えながら、部屋で寝ることにした。

あ、点滴も、もう一度針を入れなくてもいいようにそのままにしておいてくれた。

点滴の手

ななちゃんは、まだまだママのお腹にいたいんだなー

ななちゃん、もう出てきてもいいんだよ。

お腹に手を当てると、まだななちゃんがそこにいて、たくさんお話ができた気がする。

ななちゃん、明日こそ出てきてね!会おうね!

そう思いながら、眠りについた。

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