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家庭用蓄電池がEVよりも優れている2つの点

災害面での優れた点

停電時の安定したバックアップ電源

家庭用蓄電池は、災害時の停電時に家庭内で必要な電力を供給するために設計されています。太陽光発電と組み合わせることで、昼間に蓄えた電力を夜間や停電時に使用でき、特に長期間の停電時に有効です。これにより、冷蔵庫や照明、暖房器具、スマートフォンの充電など、家庭内で必要な電力を供給し続けることができます。

EVもバックアップ電源として使用可能ですが、そのバッテリー容量は家庭用蓄電池に比べて小さいため、長時間にわたって電力を供給し続けることが難しく、特に大規模な停電時には途中で電力が足りなくなる可能性があります。車を動かすための電力を確保する必要があるため、家庭全体の電力供給には制約があります。

長期間の電力供給が可能

家庭用蓄電池は、通常、数日から数週間の停電に対応できる容量を持っています。例えば、家庭の一部の電力だけを供給し続けるため、数日間は家庭用電力を維持することが可能です。停電が長期間続く場合にも、十分に対応できる可能性が高いです。

EVは、車両のバッテリー容量に限りがあるため、数時間程度の電力供給には使えますが、長期間の使用には向きません。また、車両としての使用を前提に設計されているため、非常時に長期間使用するための目的には最適ではないと言えます。

設置場所とメンテナンスの容易さ

家庭用蓄電池は、家の中に設置されるため、常に利用可能で、特別な移動や準備なしで使用できます。災害時にも、設置場所にさえ問題がなければ、すぐに電力供給が可能です。基本的には定期的なメンテナンスを少なくとも数年に一度程度しか必要としません。

EVは外部の充電施設に依存することが多く、災害時に車を充電できる施設が壊れている場合や、充電中に車を動かさなければならない場合、電力供給の手段としては不安定になりがちです。

経済面での優れた点

長期的な電気代の削減

家庭用蓄電池は、自家発電した電力(例えば太陽光発電)を蓄え、夜間や高電力料金の時間帯に使用することができます。これにより、電力会社から購入する電力を減らすことができ、電気代の大幅な削減が期待できます。特に、昼間に発電した電力を無駄なく蓄電して夜間に使用することで、ピーク時の電力料金の負担を減らすことが可能です。

EVも電気代を削減する要素はありますが、車両の充電に必要な電力は基本的に移動のために使われるため、家庭内での電力管理に関しては効率が悪く、経済的なメリットは限られます。さらに、EVの充電には充電スタンドや充電設備が必要となり、家庭の電力料金削減に直結するわけではありません。

補助金・税制優遇の利用

家庭用蓄電池は、設置費用に対して補助金や税制優遇措置が適用されることが多く、特に再生可能エネルギーの活用が推進されている地域では、太陽光発電とセットでの導入時に補助金が支給されることもあります。
これにより、導入時の初期費用が軽減され、経済的に非常に有利になります。
EVも補助金や税制優遇を受けることができますが、家庭用蓄電池のように、家庭内で使う電力の削減に直接関わるわけではないため、経済面では家庭用蓄電池に比べて直接的な効果は少ないです。

維持コストの低さ

家庭用蓄電池の維持コストは比較的低く、定期的なメンテナンスも少ないです。特に、充電・放電のサイクルが正常であれば、バッテリーの寿命が長く、特別なコストをかけずに長期間使用できます。
EVは、充電設備の設置や定期的なメンテナンスが必要です。また、車両としての使用においては、バッテリーの劣化や交換が発生する場合があり、その費用が高額になることもあります。さらに、充電インフラが普及していない地域では、充電ステーションの利用に追加の費用や手間がかかることもあります。

投資回収期間

家庭用蓄電池は、長期的に見ると電気代の削減効果が高く、比較的早期に投資回収できる可能性があります。特に電気料金の高い地域や、太陽光発電を組み合わせて運用する場合、数年以内に初期投資を回収できることもあります。

EVの投資回収は、車の走行距離が多く、燃費やガソリン代を大幅に削減する場合においても、家庭用蓄電池ほど迅速に回収できるわけではありません。特に、自宅充電を主に行っている場合、電力の使用用途が車両に偏るため、家庭内の電力節約にはつながりにくいです。


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