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楽曲つなぎ合わせネタの弱点

 MADテープの楽曲つなぎ合わせネタの中には、格別それで笑いが取れるわけではなく、つなぎがきれいなだけのものが少なくない。

 私の作品の中では、
「手のひらでかかえきれない明日があること忘れないから」「wow wow やりたいことやったもん勝ち青春なら つらい時はいつだって」「好き ときめきをBelieve♪」(「接続の妙4B」(19.20)に収録)
が、いちばんつながりがきれいなものかと思うが、特に笑える要素はない。

 こういう作品は、作った瞬間は「美しい……」と感じて満足度は高いのだが、あとに残るものはない。「美しい」だけではMADテープの神髄には迫れないのだ。やはり多少なりとも「笑える」要素がないと、MADテープネタとしての価値は低いように思われる。

「仮面ライダー黒いチューリップ」(19.24)もこの類になるが、曲調が極めて自然につながっていて完成度が高い。ここまでうまくつなげれば受け手の心にも残る良作といえるだろうか。

 そういう基準で考えると、最近話題になった「君は完璧で究極のゲッター」は大したことのない作品である。おまけに音程やテンポをいじっているから、その完成度は低い。

 メロディーそのものの合致度が高くて笑いもかなり取れる歌ネタの最高峰は「左ガ・キーン右メカンダーロボ」(7.08)だろう。
 そこまで手が込んでいなくて出来のいいものといえば、「いかテー」の「はるか草原を迫るショッカー」(12.58)があげられる。
 現代のMADテープ作者も、この二つを目標に精進してもらいたいと思う。

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