ミニマリズムについて――数は少なくても、本当に上質で、こだわり抜いたお気に入りのモノだけを選びたい
最近、歳を重ねるごとにミニマリズムへの憧れが強くなっている。思い返してみると、これまでのぼくの生活は“モノ”に溢れていた。もともと物欲が強く、次々と新しいものを買ってしまう性質だったのだが、増やすのは得意なくせに、減らすのは大の苦手。あきらかにもう使わないであろうものすら捨てられず、モノが増えてスペースがなくなってきても、不要なものをクローゼットや引き出しの奥に無理矢理詰め込んでいくことで、一見、整理された部屋の体裁を保っていた。
ずっとそんな生活だったのだが、三十路を目前にして当時付き合っていた彼女(現在の妻)と同棲することになり、借りたアパートがそこまで大きな間取りではなかったので、必要最低限のもの以外は実家(車で約30分の距離)に当面置かせてもらって新生活を始めることになった。
もともと彼女はあまりモノを持たずシンプルな生活を好む、ぼくとは真逆のタイプだった。今あるものを長く大切に使い、不要になったらきっぱりと手放し、その時にまた新しいものを買う。だから彼女の持ち物はいつも少なくてシンプルだった。一緒に暮らしていると、やはり多かれ少なかれ影響を受けるもので、いつからかぼくもモノが少ない生活にある種の“気楽さ”のようなものを感じるようになった。
そんなぼくがミニマリズムに強く憧れるようになった決定的なきっかけは、ミニマリスト・ブームの火付け役となった佐々木典士さんの著作『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』を読んだことだった。ほとんど何もない質素な部屋で、数は少なくても上質でお気に入りのモノだけに囲まれ、ノイズを排除して本当に必要なことだけに集中して生きる佐々木さんのミニマリズムに触れて、「むちゃくちゃカッコいい!」と、まるで雷に撃たれたような感覚になった。
それからぼくはすっかりミニマリズムに傾倒し、いろんなミニマリストの動画や書籍を漁るようになったのだが、だいたいは断捨離のコツとか節約術とかファストファッションだらけのワードローブの紹介といった似たりよったりな内容ばかりで、佐々木さんのように生き方や人生観に大きな衝撃を与えてくれるようなミニマリストにはなかなか出会うことができなかった。
しかし、そののち「ロン毛と坊主とYouTube(現:WataruBobロン毛)」というYouTubeチャンネルに出会い、そこで発信されているミニマリズムに関する動画を観たことで、またしてもぼくは「むちゃくちゃカッコいい!」と雷に撃たれることになる(通算2度目の落雷)。世間的には「ミニマリスト=白シャツに黒スキニー」というイメージが定着しているなか、「ロン毛と坊主」のおふたりは、ミニマリストでありながらアルチザン系と呼ばれる上級者向けのファッションを着こなす洒落者で、それでいて持っている服の数は極端に少なく、同じ服を5~10年と長く着ているような人たちだった。
ファストファッションやプチプラアイテムで揃えてばかりの量産型なミニマリストではなくて、佐々木典士さんや「ロン毛と坊主」のおふたりのように、数は少なくても、本当に上質で、こだわり抜いたお気に入りのモノだけに囲まれて生きていきたい――そう思うようになって、ぼくも自分の生き方を見つめ直すことにした。
まだまだお三方のようなミニマリストになるには程遠いが、これからも少しずつ努力や勉強を重ね、失敗や反省を繰り返して、よりミニマルに、それでいて自分なりの矜持やこだわりを持ったカッコいい生き方ができるように頑張っていこうと思っている。
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