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『毒になる親』のセラピー実践「自己の解放」手紙書き:お父さんへ

『毒になる親』の「手紙書き」、その2。お父さん編。

その1、お母さん編はこちら。父に比べると、未だに嫌な気持ちが強い。


お父さんへ

亡くなってから何年経ったんですかね。葬式に赤子連れだった記憶があるので、12年くらいたちますかね。
享年いくつでしたっけ。64でしたっけ。
ていうか命日いつでしたっけ。秋でしたっけ。

自分でもビックリするほど記憶がありません。死んだことで私の中でなにか一区切りしたんだと思います。あと、葬式の時に大変そうな生い立ちを知ってしまったのもあるかもしれない。

声も顔も体格すらもうろ覚えですが、あなたにされて嫌だったことはいくつか思い出すことはできます。
・ほぼ不在だったこと
・母との関係性にうんざりしていたのに何も介入しなかったこと
・母の見舞いで不在にしているのかと思っていたら不倫してたこと
・両家顔合わせを私不在の日程に決めようとした母を止めなかったこと
・ホスピスでの家族エピソードに兄が登場しなかったこと
・ホスピスからの電話で一方的に謝ってきたこと
・私の話をろくに聞こうとしなかったこと

給与ほぼ全てをすべて家庭のことに使ってくれていたこと、私が何不自由なく勉強するためのお金を準備してくれていたことには感謝しています。
嫌なことと感謝していること、プラマイしたらマイナスですけど。情緒的な発達環境としては最悪でした。

ただ、人との向き合い方や仕事と家庭のバランスの取り方、自分自身の寂しさとの向き合い方は、私もあなたと似ているんだろうと思います。あなたにされて嫌だったことと似たようなことを、私もしてしまっていることがあります。寂しいと思いながらも、人との関係を壊して孤独を深めているのは自分自身で、自業自得なんだろうなと思っています。
大事な人に対して、相手がそれを実感できるくらい大事にすること、なかなか難しいですね。近しい人との関係性だとなおさら。その難しさに比べたら、仕事の忙しさに逃げるのはとても簡単。

あなたからの謝罪は、生前も拒否しましたし、謝罪してほしいという気持ちもないです。
私もあなたと似たようなことをしてしまっているからこそわかる、あなたの大変さは理解しているつもりです。あなたに似ている自分を本当の意味で許せるようになるのが、次の私の大きなハードルだと思っています。

手紙を書けて満足です。いつか気が向いたら墓前に手紙くらい置きに行くかもしれません。少なくとも私が自分を許せるようになってからかな、という気がします。それまで墓でおとなしくしてて下さい。
私はそこに入りませんが。

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