気付いたら不倫をしてしまっていたときってどんな気分になるんだろう
異性の恋人がいるのに魔が差してとか
恋人がいると知っていて手を出す
といったような悪意や、明らかに加害者の場合ではなく、
気付いたら不倫していたとわかった場合、日々どんなことを思うんだろう。
やっと付き合えたと思った人に彼氏、彼女がいた、旦那さん、奥さんがいた。
つまり、
自分からしたら誰かが悪意を持っていたとか、何かわかりやすく責める対象がいない状態で、
自分のやりたいことを実現すること自体が善しとされておらず、
何か問題を解決したら状況が好転するというわけではないという、
つらい状況に立たされたときって
自分は何を思うんだろう。
何かしら悪意を持っている対象がいたり、問題の根源が見えていたり、いることを感じられた場合は
そこに対して怒りを持つことで気は落ち着くでしょう。
実際、不倫作品は魔が差したとか責める場所が明確だったり、
不倫をされた場合でも相手を憎んだり、不倫をされた原因の何かを憎んだり克服することが主な対処法となるでしょう。
いわゆる理不尽というテーマでも、文化のせいにできたり、目に見えないけれども自分に敵対する何かを感じられたらそれに対する敵意を持ったり、改善をはかることで気がまぎれるでしょう。
でも怒る対象がない。他の人は不倫をしたその相手が悪いと言うかもしれないけれども、自分からしたらそれも仕方ない理由に見えてしまうため悪いと言えない。
客観的に見れば相手が悪い、自分が悪いと思うかもしれないけど、上に書いたように、相手が悪いと思えず、自分には責めるべき点が見つからない。気付いたらその状況に組み込まれてしまっていたんだから。
誰も悪くないと思えるのに自分がしあわせになろうと動こうとすると辛くなる。相手の恋人がこの状況を知ったら苦しむかも。それを知っている相手が苦しむかも。自分もこの状況が、生きているだけで誰かが傷つくかもしれない状態が苦しい。この状態が周りから見たら良くない状態であることも知っているからなお苦しい。望んでこの状態になったわけじゃないのに。
さらに自分の相手の恋人が自分の知り合いだったら、大事な人だったりなんてしたらいたたまれない。胸が引き裂かれそうになる。
こんな関係を捨てられたら楽だけど、
自分の恋人と会っている時間は幸せに包まれていて、もうそれなしでは生きていけないと思うほど自分の中に強く刻まれている。
無理やり引き裂かれたら、その場は悲しいけど時間が解決してくれることはわかっている。
でもそれを自分から言うことはできない。頭では別れたほうがいいとわかっていても言葉になんかできない。
誰かに相談しても誰もわかってくれないから、結果的に味方じゃない。的じゃないけど味方でもない。ノイズを発するだけの存在。
そんなとき何を思うんだろうなぁ。
意外とそんな状況になってみればそれが生活になるから案外耐えられたりするのかな。
でも幸せを感じるとき、何かストッパーがかけられたような感覚になるのかな。それはきつい。
別れたことも浮気・不倫の実体験を聞いたことないから、全然想像つかないな。
自分の好きな人が結婚しちゃったときとかって同じこと思うのかな。
今思ったら好きなドラマとかマンガが終わるときって、心にぽっかり穴があいた感じになる。それのもっとひどいやつかな。
小説家とかマンガ家、映像作品監督、役者ってすごいな。そんな人達を描くためにその人達の感情を考えてトレースして作品にするんだから。
病むよ。自分だったら。
そういう人たちは生きてても、仮に成功と言われる人生を歩んでも大変なんだろうな。感受性が豊かすぎるせいで生きてて大変だと思う。
毒にも薬にもならない絵本のような作品を書いていればいいのに、と思うけど、違国日記とか読んでると、書くことは衝動でそういうものを書いちゃう性(さが)だろうから止められないんだろうな。
こんなことを考えてたときに、ふとドメスティックな彼女のひな姉が頭によぎった。
この視点で、ひな姉中心に改めて読んでみよう。
ってかそうか、タラレバ娘の小雪がまさにこのケースになるのか。客観的に考えたら別れたほうがいいって周りから見られるのか。