2021年10月21日(木)
おはようございます。まだ朝5時は病院も誰も目覚めていません。寝静まった中でラフマニノフをイヤホンに流しながら、ノートに向かいます。今日も素敵な一日になりそうです。
街ピアノ駅ピアノという番組があって、文字通り街や駅にピアノを置いておいて、誰かが立ち止まって弾いていくのですが、ピアノに心覚えがある人が、こんなにもたくさんいて、みな一様にピアノを愛していて、その様子や音色にほだされます。私は立ち止まって弾くかしら?遠巻きに見るだけかな。夫になんとかこの番組を見たいのと懇願しておきました。さて、どうなるかな。
私の学生時代の友人が10月は記念日とつぶやいていました。自由を獲得した月なんだそうです。彼女には恐ろしいご主人がいて、ちっとも彼女には安らぎがなかった。友達に会うことも靴を一足買う自由もなく、奴隷のように毎日ご主人に仕えていたんです。彼女はよくぞその負の連鎖を断ち切ったと思います。私も禁酒を通じて日々夫と戦い続けています。私たち夫婦にも10月は記念日です。
普段なら絹子がいて、私にはありったけの自由かあって、夫がコーヒーを淹れてくれ、私は日記をつけますが、やはり特殊な状況下ではうまくいきません。なにか言葉が出てこないのです。人は自由なんて目には見えないけれど、あらゆる豊かさに囲まれてその中から、選び抜いて生きているんですね。病室にはベンジャミンも胡蝶蘭もないし、アロマデュフューザーもミストもありません。ある意味、牢獄です。
今朝早くに隣のおばさんが、せん妄でやや自我を失いかけました。あちこちベッドを磨き始めて、息子が迎えに来ないと言うので、ナースコールしました。少し廊下を歩いて落ち着いたみたいです。
人は環境がすべてなんですね。私は今回の入院では、比較的落ち着いています。なぜなら、さまざまな病気に対して、治療が施されて不安がないし、やはり歩けるようになるって嬉しいから。
そう言うと、先生方が皆とっても嬉しそうでした。車椅子から百メートルくらいだけど、杖歩行しています。
人は退化してしまうから、世界が進化したと思うんだな